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音階
last updated: 2001.5.3

ショスタコーヴィチ音階(と僕が勝手にと呼ぶ、メシアンの分類によれば移調の限られた旋法第2番。ポップス系の呼称では、Combination of Diminish Scale。)
半音と前音が交互に並べた音階。DSCH音型がピタリとはまる。

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半音高く移調すると、SBC音型が含まれる点も面白い。(このバージョンはスターリン音階と呼ぶべきであろうか。 )

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ドビュッシーの全音音階、シェーンベルクの12音音階、バルトークの黄金比、メシアンの移調の限られた音階等々、20世紀の作曲家は長調・短調の枠を超えようとした。ショスタコーヴィチは第五番以降、実験的な試みを捨てたように見えるが、第十番では、この音階を意識して使用したと思われる。 ただしシステムに頼って、聴覚的感性を捨てることはなかった。
全音半音の上行順次進行
交響曲第10番全楽章の基本動機。チャイコフスキ「悲愴」,ムソルグスキ「ボリス・ゴドノフ」もこの3音で始まることは興味深い。同じく順次進行で始まるチェロ協奏曲第2番(1966)第3楽章の旋律は、ムソルグスキの引用と思われる。
交響曲第10番第1楽章冒頭

後半の分散和音(減三和音)による上昇は疑問符のように響く。
全体として思索的・哲学的な響きである。

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チャイコフスキ「悲愴」冒頭

(ため息をつくような)下降音がつくため、より感傷的な気分である。

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ムソルグスキ「ボリス・ゴドノフ」プロローグ冒頭

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チェロ協奏曲第2番第3楽章より

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交響詩「十月」(1967)も、同じ3音の順次進行(全音半音の上行)で始まる。十月への交響的捧げ物(交響曲第2番,1927)も、よく似た4音の順次進行(半音全音半音の上行音型)で始まる。
交響詩「十月」冒頭

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交響詩「十月」より「パルチザンの歌」

交響詩「十月」作曲のきっかけとなった曲。
メロディの一部に順次進行があらわれる。

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参考: オリジナルの「パルチザンの歌」
映画「ヴォロチャーエフカの日々」(1937)より

ここには順次進行は現れていない。

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参考:十月(革命)への交響的捧げ物第1楽章冒頭

後半に出てくる歌詞の冒頭部分:「我らは行進する。
仕事とパンを求め。我らの魂は悲しみに打ちひしがれ...」

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半音全音の上行順次進行

「マクベス夫人」第1幕
第1場から第2場への間奏曲冒頭

覚醒の動機(D.Fanning)


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