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− 霧と強風の秋田駒ヶ岳 − 半日

7 月××日 【霧、小雨、風】

 4 時 20 分に秋田の実家を出発。6 時から登山口への一般車進入禁止のため、こんなに早く出ることとなった。朝早いためか周囲は靄がかかっている。昨日までの天気予報では今日は晴れるはずだが、狭い林道を勢いよく登っていくとどんどん霧が濃くなってほとんど前が見えなくなってしまった。 5 時 25 分に八合目駐車場に到着。駐車場に車を停めて準備を始める。妻は元気だが、自分は昨晩山梨から 800 km 運転して秋田入りしたのでボーっとしている。

 5 時 43 分に出発。少し行った所で三脚を忘れたことに気付いて戻る。何とも決まらない。なだらかな登りの道をクネクネと歩く。石の階段が作られた所もあり、よく整備されている感じだ。周囲は霧で覆われており、これで晴れてくるのだろうかと思ったが、天気予報を信じていた。6 時 43 分、アミダ池の畔の分岐に到着。ちょうど 1 時間なので休憩とする。アミダ池の南側の落ち込んだ斜面は雪渓で埋め尽くされていた。周囲は視界 20 メートルの霧で、展望は全くない。天気は回復の見込みがないと判った。それでも女目岳を目指して登ことにした。尾根に出ると風が強く、対風姿勢をとってしまいそうだ。

 7 時 25 分、女目岳山頂着。展望はゼロで何も見えない。山頂記念写真を撮り、GPS を出してメモリーする。その後、アミダ池で登るか迷っていた団体が登ってきた。風も強く、山頂で待っていても仕方がないのですぐに下山開始だ。高山植物の写真を撮りながらプラプラとアミダ池まで戻り、8 時 35 分に小屋に入る。便所のような小屋だなあといって中にはいると、左脇に便所があって臭い。右の奥に入っていくとベンチがあったのでそこに座ってストーブを出した。目の前に階段があるが、2 階は寝ている人などがいて満員のようだ。例によって湯を沸かしてカップラーメンを作ると、多少寒いので一層美味しい。後から入ってきた人は特に暖かいものを持っていないらしく、ひもじく見える。

 9 時 15 分、小屋を出て下山ルートを検討する。横岳方面に行きたかったが、標識がはっきりせず、どっちへ行くのか良く判らない。ウロウロしていたら雪渓の上に出てしまい、雪渓を避けて左へ左へと歩いていたら、さっきの小屋の前に戻ってしまった。出鼻を挫かれたような感じで、また、天気も悪くて視界もゼロなのでやる気を失ってしまった。アミダ池の周りでウスユキソウなどの高山植物の写真を撮り、9 時 50 分から登ってきたコースで下山を開始する。下りは思った以上に楽で、順調に下る。途中、登ってくる団体が多くてイライラしたが、徐々に登山道も広くなり、11 時 05 分に八合目駐車場に下山した。

 その後、11 時 30 分のバスが出るのを待ち、バスの後ろについて駐車場を後にした。すぐにバスが先行させてくれたので順調に林道を下る。田沢湖付近まで下ると嘘のように晴れ渡っていて、路面も濡れていない。12 時 10 分に秋田の実家に帰宅し、「えっ?山は雨だったの?」と言われてびっくりしてしまった。

( 秋田駒ヶ岳(女目岳)= 1,637.4 m )

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