○茶室
侘び茶を完成させた利休の精神は茶室を”市中の隠”、”山居の躰”とみなした。その空間の中で”一座建立”の営みをめざした。そこには”直心の交わり”がある。つまり空間は狭ければ狭い程よくその中で身分を超えた1対1のもてなしを良しとした。利休は一畳台目、正客に一畳、亭主に一畳(正確には一畳に満たない)という空間を究極とした。
そのため侘び茶、つまり草庵系の茶室は四畳半以下の”小間”である。それより広いものは広間と称される。
草庵系の茶室には代表として以下のものがある。
・妙喜庵 待庵(国宝)
現存最古の茶室。山城城の秀吉が利休に作らせたもの。二畳の広さ。
・有楽庵 如庵(国宝)
信長の弟、有楽が作ったもの。二畳半台目。
・今日庵 (重文)
裏千家の茶室。千家三世宗旦が隠居を表明した時完成した。一畳台目で利休の理想を形にしたものといえる。
・不審庵
表千家の茶室。平三畳台目。
・官休庵
武者小路千家の茶室。一畳台目。
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