タイトルはなにやら大袈裟ですがなんということはありません。
超個人的に真剣に大笑いした出来事をMacで描いた絵や画像を織り交ぜて紹介します。
個人差がありますので、これを読んであなたが大笑いするかは保証できません(笑)

[目次]

「嗚呼、窓九十五塵芥箱だらけ」
 私は1999年4月、勤務先の人事異動でコンピュータの管理部門に配属された。
 仕事は汎用ホストコンピュータの管理やCOBOLによる簡単なプログラムの作成、業務のうち一部で
使われているクライアントサーバーの管理・運用支援だ。
 クライアントサーバーの方は稼働して2年目、多くの社員が使用するためトラブルも多い。
 社員のスキルもまちまちだからトラブルとは言えない珍事件も多発している。
 「コンピュータが動かない!」と駆け込んでくればディスプレーの電源が入っていないだけだった
り、「LANに入れない!」と電話があって現場に急行すればツイストペアケーブルが抜けているだけ
だったりする。
 こういうことが連発するとたいてい腹が立ってくるものである。しかし、これから書く出来事は腹
が立つのを忘れるほど大笑いした事件である。

 事件は異動後まもないまだ桜が散りきらない穏やかな春の午後のことであった。
 同じ部署のS先輩宛に内線電話が入った。
 電話の主はK.Yさん。経理部門に所属の顔やしぐさにあどけなさが残る40を前にした女性の職
員だ。K.Yさんも我が社ゆえ御多分に漏れずパソコン関係は弱い。これまでも数々の事件を巻き起
こしてきたようだ。
 一瞬S先輩とS先輩のパートナーの私に緊張が走る。「今度はいったいなんだ??」
 K.Y「え、Sさん!パソコンが、パソコンの画面が大変なことになっています!」
 S先輩「いったいどうしたの?落ち着いて。」
 K.Y「あ、あ、あ、画面がごみ箱だらけなんです。助けてください!」
 S先輩「とにかく今行くから待っていてください。」
 S先輩と私は経理部へ向かった。

 経理部につき、おろおろする彼女を脇に寄せ、K.Yさんの使っているパソコンをのぞき込んだ私
たちの目に飛び込んできたのはデスクトップ一面に散乱するおびただしい数
の「ごみ箱へのショートカット」
であった。

                         [再 現 図]


 S先輩「ややや。これはいったいどうしたことだ?」
 私「・・・(言葉も出ない)」
 K.Y「だって、だってSさん「ごみ箱が一杯になったらごみ箱をひっくり返して捨てればいい」
って言ったじゃないですかぁ」
 S先輩&私「ん?」
 K.Y「ごみ箱をひっくり返して捨てればって・・・」
 S先輩「そう言えば」
 私「ん?」

 事の経緯を振り返ってみると、経理部門のシステムを導入したときに操作指導をしたのはS先輩だ
った。
 操作研修の一幕でS先輩は「必要のなくなった書類はごみ箱に捨てればよろしい」と話をした。
 その時、K.Yさんは「ごみ箱が一杯になったらどうすればよいのですか?」と質問をしたという。
 S先輩は「そりゃ、ひっくり返して捨てればいい」と答えたそうだ。S先
輩は普段から冗談が好きで明るい人だ。しかし、このときはこの一言が命取り。当然この後ごみ箱を
空にする方法を説明したはずだが、少女のようなK.Yさんの頭には「ひっくり返して捨てる」が強
烈にインプットされてしまったことだろう。と同時に「パソコンってすんばらしい!」と感心したに
違いない。この日は彼女にとってエポックメイキングだったのだ。

 K.Yさんは一杯になったごみ箱を空にしようとしてごみ箱をドラッグしてひっくり返したことだ
ろう。しかし、ごみ箱は空にはならなかった。(あたりまえだが)
 それでも彼女は必死にドラッグ&ひっくり返しを続けた。
 そのうち彼女はドラッグ&ひっくり返しにキーコンビネーションをプラスし始めた。このあたりの
奮闘ぶりを想像すると思わず目頭が熱くなる。shiftやAlt、最後に行き着いたのはcontrolだった。
 control+ドラッグでショートカット(Macではエイリアスですね)が作成されるとは彼女の知る由
ではない。
 当然のごとくデスクトップにはごみ箱へのショートカットができ上がった。彼女にはこの変化がう
れしかったのだろう。少なくともそれまでは彼女の信じたドラック&ひっくり返しではウンともスン
ともいわなかったのだから。
 ひっくり返しのタイミングが悪いに違いない。私ってばだめな女ねと自分を責めた彼女はひたすら
control+ドラッグ+ひっくり返しを続けたのだろう。

 教訓:初心者には冗談は通じない
       これは全てのことにつながることかもしれないですね(^_^;)

 でも、ひっくり返せばごみ箱が空になるって言う発想は面白いなぁ。
 どですジョブスさん。この機能、MacOS Xで採用しませんか(笑)