DECEMBER |
History-筒美京平Ultimate Collection Volume1
History-筒美京平Ultimate Collection Volume2
筒美京平作曲家生活30周年ということでメーカーの枠を取り払って
彼のヒット曲を集体成したCDが発売になった。彼はいままでなかなか
人前に顔を表さなかったという人で謎的な部分が多かった。
しかし、この機会にマスコミのインタビューを受け彼の本音の言葉が
聞けたのは 喜ばしいことであった。
こうして楽曲群を見ていると彼がいかに日本の歌謡界でヒットを作って
きたか、その業績には圧倒される。
また 発注者の依頼でそのアーチストに合わせて楽曲をその場その場で
提供してきた訳であるが こうして並んだ楽曲を見てみると明らかに
彼のメロディーが 脈々と流れているのを感じることができる。
私は歌謡曲でありながらポップスの神髄を突いたメロディーそして
ちょっと日本人的な哀愁を帯びた甘酸っぱい味付けがすきだ。
それは 大ヒットした曲よりも むしろ中ヒットした曲あたりに
その本当の良さを感じることが出来る!
太陽は泣いている(石田あゆみ)/バラ色の雲(ヴィレッジ・シンガース)
マドモアゼル・ブルース(ジャガース)/ひまわりの小径(チェリッシュ)
或る日(ザリバ)/初恋のメロディー(小林麻美)/色づく街(南沙織)
九月の雨(太田裕美)/ディスコ・レディー(中原理恵)/たそがれマイラヴ
(大橋純子)/19:00の街(野口五郎)/さよならの果実たち(荻野目洋子)
等々......
また悲しい訃報が届きました。ロバート・パーマー、フェントン・ロビンソン
哀悼の意を表します。INXSのヴォーカルのマイケル・ハチェンスも若くして
亡くなった。
NOVEMBER |
B.B.king/DEUCES WILD
年の瀬になってくると無精にブルースが聞きたくなる。
このアルバムは ブルース界の大御所BB.KINGが壮々たる
アーチストと競演したトラックを集めたコンピレーション
CDだ。トレイシー・チャップマン、エリック・クラプトン
ジョー・コッカー、ポール・キャラック、Dr・ジョン、
ヴァン・モリソン、ボニー・レイット、ローリング・ストーンズ、
etc......みんな好きなアーチストだ。
BBの代表曲"the thrill is gone"もしっかり収録されており、また
特に新鮮味はないがリラックスして聞けるアルバムだ。
ブルースは明日を元気に生きるための音楽だ。
音楽はテイストだと思う。大瀧詠一の久々のシングル「幸せの結末」を
聞いているとつくづくそう思う。70年代も80年代も90年代も音楽のスタイル
はそう変わらない。音をどうとらえ、どう表現するかの問題だな!と思う。
OCTOBER |
PATTI SMITH/PEACE AND NOISE
今年は 自分にとってパティ・スミスと始まったと言っても
過言ではない。正月に志賀高原のスキー事故で両足の
靱帯を切ってしまいコンサートに行くのを断念しようかと
思ったが、這うようにして会場まで足を運んだ。
不遇な時期から這い上がって堂々たるコンサートを
見せてくれた彼女が印象的であった。
そして、早くも彼女のニュー・アルバムが届けられた。
いかにも重く苦しい感じの曲"waiting underground"からこの
アルバムははじまる。2曲目からはテレヴィジョンのような
シンプルな演奏をバックに彼女の本領発揮といった感じだ。
力強い存在感のある彼女のヴォーカルが際立つ。しつこいように
絡みついてくるようでもある。聞き終わると心の中に何かドスン
とした得体の知れない良い意味での"空虚感"のようなものが残る。
最近の国内チャートの曲を聞いていると、形ばかりの音楽やら、やけに
押しつけがましい音楽ばかりでうんざりさせられる事が多い。
そんな中で異彩を放つのは やはり、UAの「悲しみジョニー」である。
歌に表情があるし、抵抗なく体の中に入ってくる。こういう音が少くなくなった。
SEPTEMBER |
THE ROLLNG STONES/BRIGES TO BABYLON
約3年ぶりのニュー・アルバムがこの秋届けられた。
ストーンズはやはり頑張っているオヤジの代表か!?
音楽云々、言うよりも理屈なくすべてが許せてしまう。
これ以上言うこともなにもないと言う感じだ。
吉川晃司が、カッコいい。男の色気を感じる。
昨年、発売した「スピード」は彼の成熟した姿を
見せてくれたが、新曲の「エロス」もその延長線上
で、キレのある作品だと思う。
今の若いロック・バンドに挑戦している様でもある。
AUGUST |
THE GREASE BAND/THE GREASE BAND&AMAZING GREASE
西ドイツの Line Recordsより発売のリイシュー(輸入)盤だ。
ポール・マッカートニー&ウィングスにも参加していたこと
もあるギタリストのヘンリー・マックローの在籍していた
バンド「グリース・バンド」の名盤ともいわれた1stと2ndを
一枚のCDに収めたアルバムだ。また このバンドは まだ
有名になる前のジョー・コッカーと競演したり、またヘン
リー・マックローは フランキー・ミラー、先頃、亡くなった
ロニー・レインとも競演したりしている。
ブルース、カントリー、ロックのエッセンスをブレンドした
ロックのよき時代を感じさせるアルバムだ。
今月は「オアシス」の新譜が出て話題になったりしているが、
また再発物を取りあげる形となってしまった。
好奇心の欠如か!!反省...
シングルでは 「さかともえり/稲妻娘」がお気に入りだ。
最近、J−POPは こういうテイストが好きだ。
JULY |
NURVOUS VENUS/Oh,my GOD
LUCY(vo),JUNKO(gui),NAOMI(b),YURIKO(dr)さんの女性4人組
のロック・バンドだ。ちょっと、ハスキーでパワフルな
LUCYさんのヴォーカルは魅力的。また、JUNKO,NAOMI,
YURIKOさんも腕は確かでまた演奏にも気合いが入っている。
スタッフの近藤さんも頑張っていて、バイトをしながら
女性だけで切り盛りしていて その元気さを見習わなくちゃ
という感じだ。現在は ライヴ・ハウスを中心に活動をしていて
しっかりしたロック・スピリットとポップさとのびのびした
音楽性を持っている楽しみなグループだ。
「Oh,my GOD」は 自主制作盤で 新作の予定もあるとのこと。
日本の音楽シーンも変わってきた........。
JUNE |
pizzcato five/HAPPY END OF THE WORLD
なつか新しい−なつかしくて新しい!そんな音楽が
最近、好きだ。60年代のガール・グループのような...。
例えば、マーサ&ヴァンデラスの「ヒート・ウェイヴ」。
HIROMIXの写真。彼女を紹介するNHKの番組で
この曲が使われていた。
まさにコレだ。
「ピチカート・ファイヴ/大ハッピー(邦題)」は久々のオリジナル・
アルバムだ。このアルバム収録の「モナムール東京」は、
アヴァンギャルドと下世話、ポップとパンクの極致をいく絶妙の作品だ。
今月は この曲にハマッタ。
ところで 20世紀は ハッピー・エンドとなるのであろうか?
MAY |
The Best Of TRACY NELSON/MOTHER EARTH
ワーナー・アーカイヴ・シリーズの輸入盤のみの発売のCDだ。
発売はしばらく前だと思うが今月、買ったので
今月の1枚とさせてもらった。
このCDを聞くときは、夜にバーボンのロックなどを聞くのが条件だ。
アーシーという言葉がぴったりな女性シンガーだ。
「マザー・アース」というグループにいてその後ソロになって活躍している。
シェリル・クロウなど好きな人には オススメ。彼女のすべてを凝縮したベスト盤だ。
ブルー・アイド・ソウル(=白人のやってる黒人音楽)が私の好きな音楽スタイル。
トレイシー・ネルソンは その代表的アーチストだ。ボニー・ブラムレット、
リタ・ク−リッジなども好きだ。
ローラ・ニーロが先日49才でなくなった。哀悼の意を表したい。
APRIL |
21ビッグ・ソウル・ヒッツ・フロム・スタックス
- ピーター・バラカン編 -
ソウルの名門「STAX」の名曲を集めたコンピレーションCDだ。
しかも、私の尊敬するピーター・バラカン氏が選曲し、この上ないものと
なっている。
ザ・ステイプル・シンガーズ、ザ・ドラマティックス、ジョニー・テイラー
ブッカー・T&ザ・MG’s等々...の壮そうたるアーチストの作品が
収録されている。音楽の神髄を感じさせる一枚だ。
大ヒットの電気グルーヴの「Shangri-La」のネタは アイザック・ヘイズの
「シャフトのテーマ」か?
(でも、シルヴァティの「スプリング・レイン」をサンプリングした
ものらしい)
ビクターより発売の「STAX−BOX」の1と2というのは持っているが、
ほとんど置物になってしまっている。
実際、聞くのはこういうスタイルがいいのかもしれない。
MARCH |
Kiyoshiro meets De-ga-show/Hospital
インディーズ・レーベルから発売の忌野清志郎とde−ga−show
とのアルバムだ。メジャー・レーベルからは発売出来ないようなユニーク
なアルバムだ。帯の表記の「JAZZ」ではありません。..というのが
いい。まさに、このアルバムは スケベで おかしくて まさにこういうのが
大人のロックとも言えるのではないか。
吾妻光良さんが、「現代商業レコーディングが遙かに置き忘れて来てしまった
<自由>がドカーンと存在している」と書いているがまさにそのとおりだ。
年明けは 洋楽のアルバムで どうもこれと行ったのが見あたらずJ−POP
二連発となってしまった。
FEBRUARY |
松任谷由実/Cowgirl Dreamin'
毎年、年末の出る新作が、今年は2月となった。ユーミンも
これからは、無理せずにやはり「永遠のユーミン」でいてほしい。
このところ原点回帰を目指しているのか、ジャケットもボデコンスーツで
頑張っているのがある意味で新鮮だ。また k.d.ラングの意識してか
大人の女の色っぽさみたいを演出している。もしかしたら、ユーミン
も頭の中は 男かもしれない。やはり、アレンジは だんなさんで
たまには、違うプロジェクトでやれば、もっと、違ったニュアンスが表現
出来るのかもしれない。5曲目「別れのビギン」が好きだ。やはり、詞と曲を
つくる才能は抜群だ。井上陽水と両巨頭ともいえる。
JANUARY |
ポール・ウィリアムス/バック・トゥ・ラヴ・アゲイン
スリー・ドッグ・ナイト、カーペンターズなどが唄ってヒットした
あの「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」の作曲者で有名な
シンガー・ソング・ライター「ポール・ウィリアムス」の16年振りの
新録のアルバムだ。もちろんこの曲もニュー・ヴァージョンで収録。
あのフニャフニャ的ヴォーカル・スタイルは相変わらずで、味がある。
ゲスト参加アーチストも豪華で、特に ヴァレリー・カーターが特別
参加の「I Won't Last A Day Without You」は聞きものだ。