コンサート



1997年2月9日(日) Bob Dylan / 東京国際フォーラム




今年、1月にオープンした東京国際フォーラムのオープニング・イベントで
Bob Dylanが 来日した。東京国際フォーラムは 20世紀最後アダ花とも
言われる建造物で、この時代の中で違和感みたいなものを感じざろう得ない。
しかし、東京駅からも近く、コンサート・ホールは 近代の音響技術の粋が
結集され、音は非常によかった。
ボブ・ディランのコンサートかと 思って行ったら、最初、ユーリズミックスの
デイブ・スチュワートとファン・ボーイ・スリーのテリー・ホールのユニットが
出てきて、ジョン・レノンの "WORKING CLASS HERO"を唄い始めた。
合計4曲演奏し、最後は トーキング・ヘッズの「サイコ・キラー」で締めた。
唐突では あったが、味わい深い印象であった。

それから、なんと!!20分も休憩があり、いよいよ、ボブ・ディランが登場した。
最初から、最後まで余計なことを一切しゃべらず、淡々と約1時間半ぐらいの
コンサートをやった。選曲のほとんどが、1975年以前の曲で、エレキ・
ギターではじまり、途中で、アコーステック・ギターに持ち変え 最後は
また、エレキ・ギターで演奏するという彼のコンサートとしては 定番的な構成
でもあり、またファンには たまらない選曲でもあった。

特に、リード・ギターをシッカリと弾いている彼の姿は印象的で 1941年
生まれの彼が奢りもせず、ひたすらコンサートに精神を傾けている姿がそこ
にあった。

(主要曲目)

−EG-

当日は コンサート初日であり、聴衆はひたすら、デイランの唄に耳を傾けていたが、
コンサート最後になって、ステージ前に押し寄せて、さらにステージ上まで駆け
上がって、握手を求める人まで 出てくる始末で、いまもボブ・ディラン健在!!
という感を深めた。

<アルバム>

* フリーホイーリン・ボブ・ディラン (1963)
** アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン (1964)
*** 追憶のハイウェイ61 (1965)
**** ブロンド・オン・ブロンド (1966)
***** ジョン・ウェズリー・ハーディング (1967)
****** 血の轍 (1975)

**DYLAN FREAK の末永氏のコンサート寸評**

ディラン目がけてステージに駆け上がるファン。
制止を振り切った幸運な何人かが、演奏中のディランの手を止め、
握手をしてしまった。たちまち現れた屈強なガードを尻目に、
小柄なディランに触れた者はもっといた。
この時、あやうく中断されかかった歌は"It ain't me babe"。
皮肉としかいいようがない。
1964年、「僕は(反体制の)ヒーローじゃない!」との思いをこの
歌に託した 今、殺到する若者はそこにどんなヒーローをみたのか。
 デビュー以来35年たつというのに、これだけの熱意を引き越し、
それも極東の日本で、ディランはきっとご機嫌だったろう。
 聴衆にしてもステージ上に飛び出したファンとディランとの突然の
パフォーマンスなどよう見られるものではない。居合わせた我々は
前代未聞、希有な体験をしたことになる。 (1997.2.13)






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