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1 風がくれたおやすみ(その1)
四月二十日。 |
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2 風がくれたおやすみ(その2)
「みなさん、ありがとうございました。あたしは三週間だけの稼働でしたが、最後にはすてきな家で働きたいという夢まで叶えさせていただいて、本当に幸せでした。あたしのテスト結果がまだ見ぬ妹たちに役立ってほしいと心から願っています」 |
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3 風がくれたおやすみ(その3)
「ロボットが『幸せ』だとか『夢』だとか言い出すとは思わなかったな」 |
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4 召喚(その1)
五月十二日。 |
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5 召喚(その2)
「――というわけで、たった八日間のテスト通学でしたが、マルチの成果は十分なものでした。ただ……」 |
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6 Technical Power(その1)
七月二十三日。 |
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7 Technical Power(その2)
続いて、佐々木がモニタの前に立った。 |
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8 長瀬開発主任
長瀬はプロジェクトメンバーのやりとりをずっと見守っていた。四十代も半ばを過ぎると、プロジェクト全体のマネジメントを要求されるようになる。長瀬はX12プロジェクトが限られた予算資源の中でもどうにかスケジュールどおりに進んでいることは、それだけでメンバーに感謝するべきことなのだと思っていた。 |
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9 彼女の憂鬱
プロジェクトメンバーの発表が済み長瀬がミーティングを終わらせようとしたとき、関戸が口を挟んだ。 |
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10 ふたりの午後(その1)
ミーティングが終わったのは夕方だった。メンバーはそれぞれの研究室へ戻って行った。 |
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11 ふたりの午後(その2)
清水と佐々木は研究所の中庭を散歩していた。 |
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12 ストレイン(その1)
十月二日。 |
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13 ストレイン(その2)
十二月三日。 |
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14 輝き(その1)
十二月二十四日。 |
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15 輝き(その2)
「うわー、きれい。これがマルチの頭の中なんですかー?」 |
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16 夢見るロボット(その1)
佐々木は牧村からシミュレータの操作方法を聞くと、さっそく、キーボードから『彼氏』の名前を入力してみた。 |
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17 夢見るロボット(その2)
清水は佐々木の後ろに立って彼女の頭越しにディスプレイを眺めていが、しばらくして戸山に話しかけた。 |
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18 夢見るロボット(その3)
清水は何か思いつくと佐々木の方に向いた。 |
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19 Brand New Heart
牧村から提出された研究計画書に、長瀬は一つだけ条件を付けた。つまり、『彼氏』がHM−12を購入した場合に限り、そのHM−12として試作機のマルチを送り届けることにしたのだ。来栖川電工ではメイドロボットを受注生産しているためこのようなことが可能なのである。マルチは、製作費や性能、そしてなによりも開発スタッフの思い入れと、何をとっても貴重なメイドロボットである。長瀬は『彼氏』がマルチを大切にしてくれるのか、確証がほしかった。 |
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エピローグ あたらしい予感
清水と佐々木は夏期休暇を利用して能登半島を旅行していた。宿泊先は七尾湾を見下ろす高級な旅館。二年前、初めて二人で見た映画の舞台となったところだ。 |
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補遺 HMX−12概要
ハードウェア全般 |
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あとがき
はうー、のたうち回りました。 (平成15年11月18日) |
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