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お腹が一杯になってしもうた自分と違うて、他の皆はまだ食い終わってへんのやから、ぼんやりその様子を見てしまう。
膝にはリボーンが居るままやねんけど、それはあんまり気にならへん。
まぁ、リボーンは軽いんやからそないに気にならへんのは当然なんやけど、綱吉はんは、気にいらへんのやろう、ちらちらリボーンの事を睨んどるんが逆に自分は気になるんやけど
それにしてもや、綱吉はん等は良く食うとる。
もよう食うなぁと思うとったんやけど、それ言うたら否定されとったんやけど、どうやらほんまにあれぐらい食うんが普通やったんやと今ならそう思える。
この中で一番少食なんが綱吉はんで、次に隼人はんが大体と同じぐらい食うとるんやないやろうか。
そんでもって、武はんなんて、信じられへんぐらい食うとる。
に大喰らいや言うとったん撤回せなあかんなぁ。
大喰らい言うんは、武はんみたいなんを言うんろう。
「何言ってやがる。これが成長期には普通だぞ」
「そないなんか?」
心の中で、驚いとるオレに呆れたようにリボーンが口を開く。
それにオレは思わず聞き返してしもうたけど、どうやら、また心を読まれとったらしい。
「そうだぞ。お前が少な過ぎるんだ」
聞き返したオレにリボーンが、あっさりと頷いて返してくる。
やっぱり、オレが少食なんやなぁ……せやけど、これがオレの精一杯なんやからしゃーない。
一人でご飯食うても、美味しくあらへんのやから、知らず知らずの内に、少食になってしもうたんや。
食えへんかっても、全然気にならへんぐらいに
そやから、親父やにいらん心配を何度掛けたかやなんて、もう覚えてへん。
一番酷かったんは、1週間食べへんかった時や、あの時は、ほんまにたに泣かれてしもうて、今でも苦い思い出の一つになってしもうた。
せやかて、あの時は夏バテしてしもうて、ほんまに食いとうなかってんやから、しゃーないと思う。
ちゃんと水分は補給しとったから、気にせんでもええと思うんやけど
おかんは、勿論、オレが飯を食ってへんかったことさえ気付いてなかったんやけどな。
「お前、本当に一人暮らし出来るのか?」
昔の事を思い出しとったオレに、またもや心を読んだんやろうリボーンが、つぶらな瞳で見上げてくる。
心配そうな瞳で見られるんは、さっき考えとった内容が原因なんやろう。
そりゃ、普通、1週間食べへんかった言うたら、誰かて心配するやろう……にも、怒られたんは、忘れられへん記憶やしな。
「簡単なモノは、作れるんやから心配あらへんよ。言うても、自己流やから、美味くあらへんのやけど……そうやな、綱吉はんのお袋さんに料理教えて貰えるんやったら、大丈夫なんやろうけど」
せやけど、オレはリボーンの心配を別の返答で返す。
食べへんかったのは、体調の所為なんやから、しゃーないねん。
それに、料理できるんは、嘘やないし、綱吉はんのお袋さんが作る料理が美味い思うんも、嘘やない。
もっとも、今の世の中、お惣菜も売っとるんやから、作れへんでも別に何とでもなるとは思うんやけど
「くんは、一人暮らしをするの?それなら、いつでも家に食べにいらっしゃいな。勿論、私なんかで良ければ、お料理だって教えちゃうわよ」
オレの言葉を聞いとった綱吉はんのお袋さんが、ニコニコと笑顔で口を開く。
まさかそないな返答が返ってくるやなんて思いもせぇへんかったから、驚いてしまう。
やって、今日初めて会うた相手に、そないにも好意的になれるもんなんやろうか?
「そうだね。オレもそれがいいと思う!くんが良ければ、いつでも家に来るといいよ!」
どないな返事を返したらええのか分からへんかったオレに変わって、綱吉はんまでもが嬉しそうにお袋さんに同意の言葉を口に出す。
いやいや、なして、そないにも、オレの事を受け入れとるんやろう。
それが、不思議でしゃーないんやけど
「そ、そないな迷惑、掛けられへんよ」
「あらあら、迷惑なんかじゃないわよ。こんな家でよかったら、何時でもいらっしゃい」
必死に返したオレの言葉に、綱吉はんのお袋さんがにこやかな笑顔で返してくれた。
今日会うた赤の他人やのに、なしてココの家の人は、こないにも好意的なんやろう。
ああ、そうや、きっとオレが気味の悪い人間やって知らへんのやから、こないにも受け入れてくれるんや。
本当のオレなんかを知ったら、こないにも受け入れられへん。
「……その気持ちだけで、十分や。おおきに……せやけど、大丈夫やさかい気にせんといてや」
おかんがオレの事を受け入れられへんかったように、本当の自分を知ったら、綱吉はんのお袋さんも、きっとオレの事を気味悪い人間やと思うんやろう。
もう、そないに思われるんは慣れとるんやけど、一度オレの事を受け入れてくれた人から拒絶されるんは、流石に耐えられそうにない。
綱吉はんは、オレの事をもう知っとるから、大丈夫やとは思うねんけど、それはジョット言う特殊な例があったからや。
そうやなければ、こないにも簡単に受け入れられたかどうかなんて分からへん。
「ママンは、大丈夫だぞ」
ぐっと強く拳を握ったオレに、ボソリと小さく声が聞こえてきた。
その声に、瞳を開いて、声の主へと視線を向ける。
「心配しなくても、大丈夫だ」
「リボーン」
握ったその手に、そっと小さな手が触れてきた。
そして、もう一度言われたその言葉に、オレは小さくそっと名前を口に出す。
ああ、ほんまにオレの心をずっと読んどるんやな。
せやから、こないにもオレの本当に欲しい言葉を絶妙のタイミングで口に出せるんやろう。
「……そないに、オレの心は読みやすいんか?」
「ちげぇぞ。オレも普段はそこまで心を読むつもりはねぇが、お前は遠慮するタイプみてぇだからな、誰かが、その心を読んでやった方がもっと積極的になれそうだと思ったんだ」
ずっとオレの心を読んどるリボーンに、そっと質問すれば、否定の言葉が返される。
せやけど、続けて言われたその言葉に、驚きは隠せへんかった。
そないな風に、言われるやなんて、思いもせぇへんかったんや。
オレは、遠慮するタイプやったんやろうか?
せやけど、これが普通やと思うねんけど
「普通じゃねぇから、オレがココまでしてるんじゃねぇか」
リボーンに言われて考えとったオレの心をまたしても読んで、呆れたように返されてしまう。
そないに言われても、自覚がないんやから、分かれ言う方が無理やと思うねん。
リボーンにさっきから心読まれとるんやから、間違いやないのかも知れへんのやけど、分からんもんは分からへんのや。
「リボーン、お前さっきから、くんの心をずっと読んでるのかよ!!」
そないな話をしとったら、それを聞いた綱吉はんがリボーンを叱り付ける。
そこでなして、そないにも怒っとるのかが、分からへんのやけど、多分、これはオレの為に怒ってくれとるんやろう。
「ええよ、オレは気にしてへんし、リボーンがオレの心を読んどるんは、心配してくれとるんやって、分かるんやからな」
せやから、リボーンが綱吉はんに言葉を返すよりも先に口を開く。
ほんまに、こないにも自分の事を心配してくれるやなんて、親父や、それに以外では初めてなんや。
くすぐったい思うねんけど、それは、こないにも嬉しい事なんやと初めて知った。
今日初めて会うた人達やのに、こないにも自分の事を思ってくれとる。
とっても、優しい人達なんやと、改めてそないな風に思う。
「くん、リボーンを甘やかす事ないんだからね!」
リボーンを庇うように返したんが悪かったんか、綱吉はんがため息をつきながら返してくる。
せやけど、返されたその言葉に、思わず首を傾げてしまうんは止められへん。
「甘やかす?この場合は、オレの方がリボーンに甘やかされとるように思うんやけど、どないやろう?」
この場合、口に出せへんオレの心を代弁してくれとるんやから、リボーンに甘やかされとるんはオレの方やと思うねん。
せやから、綱吉はんが言うとる事は、ちょっと間違ってへんやろうか?
「確かに、そうなのな。ツナ、今回は小僧の方がを甘やかしてるみたいだぜ」
聞き返したオレに、楽しそうに笑いながら武はんが口を開く。
そうやねん、確実に、オレの方が甘やかされとるように思うねんけど
こないにも、自分の心に触れて来たヤツは、初めてや。
きっと、親父やよりも、リボーンはオレの事を分かっているかもしれへん。
「山本まで、何言ってるの!勝手に人の心読むなんて、失礼すぎるだろう!!」
ああ、綱吉はんは、常識人なんやろうなぁ、苦労人言うてもええのかもしれへん。
せやけど、そないに心配してくれへんでも、大丈夫なんやけど
「読まれとる人が気にしてへんのやから、綱吉はんが気にする事あらへんよ」
「そうですよ!こいつが気にしてないんですから、10代目が気にされる事なんてありません!!」
気にしてくれとる綱吉はんに、ちょっとだけ笑いなが返したオレに続いて、隼人はんが口を開く。
あれ?なしてそこで隼人はんが言うのかが分からへんのやけど
まぁ、間違ってへんのやから、別にええねんけどな。
「そこが、溜め込んでるって言うんだぞ」
オレに続いて言われた隼人はんの言葉に、心の中で気にせんでもええかと思った瞬間、呆れたようにリボーンため息をつきながら口を開く。
あれ?そうなんやろうか?やっぱり、良く分からへんのやけど
せやけど、言われた言葉に、自分ではそないに思えへんかったらか、意味が分からず首を傾げる事しか出来へんかった。
そんなオレとリボーンに、直ぐ傍に居るジョットまでがため息をついたのが、聞こえてきたんは、きっと気の所為やと思うねんけど、どないやろう。

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