|
何もかもが、面倒だ。
人に関わるのも、煩わしい。
なんで、そんな風に思うのか?
とにかく、俺は、他人と係わり合いになる事を拒絶していた。
両親の離婚。
だから、俺はきっと、人と関わるのを避けていたのだと思う。
だけど、昔はあれだけ大切だと思っていた弟に会う事も、少なくなってしまった。
電話では、時々話をする。
だけど、殆どが、あいつの言葉を聞くだけで、俺は短く返事を返すだけ……。
そんな事を繰り返して居たら、その電話の回数もかなり少なくなってしまった。
前は、毎日だったそれも、今では1〜2週間に一度だけ…。
だからと言って、寂しいとは感じていない。
それどころか、それが当たり前なのだと感じている自分が居る。
そう、きっと俺の傍に居られる相手は、決まっているのだから……。
そして、その相手の事を、俺は、誰よりも一番良く知っているのだと、そう感じている。
「ヤマトくん、ずっと、好きだったの……」
朝一番に、呼び出されてのその告白。
呼び出されるのも迷惑な話ならば、そんな事を言われるのは、嫌悪でしかない。
「……迷惑だ」
目の前で真っ赤な顔をして俯いている相手を冷たく見下して、俺はそれだけを言うとその場を離れようと、踵を返した。
どうして、俺の事が好きだと言える?
お前たちに、俺の何が分かるって言うんだ。
誰も、俺の事を分かっていないのに、どうしてそんな事が言えるのだろう。
誰にも興味は、持てない。
だから、誰かに興味をもたれたいとも思わない自分。
「……ご、ごめんなさい…どうしても、私の気持ち、知って貰いたかったから……」
俺の言葉に、後ろから相手の声が聞えて振り返れば、小さく震えながらもそれだけを言うと、そのまま走り去って行った。
今にも泣き出してしまいそうな瞳を見ても、俺は何も感じない。
傷付くのは、全部相手の勝手だから……。
女子が俺に告白するのは、この容姿の所為だと分かっている。
だから、煩わしいのだ。
確かに、目立つようしだと言う事は、誰よりも自分が分かっている。
金髪の髪に、蒼い瞳。それが、自分の容姿。
ハーフだと言うお袋は、茶色の髪なのに、俺と弟のタケルは、こんな髪の色と瞳をしているのを、少しだけ恨みたい気分だ。
告白された後、授業にも出る気にもなれず、何時ものようにあまり知られていない校舎の裏へと移動する。
ここが、この学校と言う縛られた場所で、唯一俺が安心できる所。
誰も居ないこの場所は、俺にとって安らげる場所であり、そして、何よりも落ち付ける場所だから……。
ポケットに忍ばせてあるMDについてあるヘッドフォンを取り出して、耳に付ける。
そして、音楽を再生した。
ゆっくりと流れるそれを聞きながら、何時ものように目を閉じる。
何も考えたくない時は、こうやって居るのが、一番の解決方法。
煩わしい人の目も感じられず、ただ秋の日差しが、温かく自分を包む。
そうすれば、何時ものように夢の中へと入っていけるから……。
そして、見るのは、何時もの夢。
どうしても、思い出せない相手の名前と顔。
だけど、誰よりも安心できて、そして信じられる相手だと分かる相手が出てくる夢。
『……信じてた……俺は、ヤマトの事……』
分からない。だけど、その声も、その姿も、俺は知っている。
ずっと、傍に居たくって、そして、誰よりも大切だと思えた相手。
なのに、その顔は、おぼろ気で分からない。
『お前は、絶対に来てくれるって……』
ボロボロのその姿。それでも、相手が自分に笑顔を向けてくれるのが、分かって胸が締め付けられる。
相手の名前を大声で呼びたいのに、その言葉が出てこない。
抱き締めたその体は、自分が考えていたよりも小さくって、そして、頼りなかった。
すっと、伸ばされたその手を握り返して、相手の名前を口に出そうとした瞬間、夢の中から現実へと引き戻される。
「……授業サボって良いのかよ?石田ヤマト」
小さく聞えたその声が、夢の中の相手と重なる。
聞えた声に、俺は反射的に相手を捕らえた。
その瞬間、一群の風が吹き抜ける。
まるで、その相手を隠すかのように……。
そこに立っていたのは、小学生くらいの少年。
そして、オレンジ色をした生き物。
しかし、その二人の姿は、透き通って向こうの景色が見えていた。

はい、石田さん視点であります。
って、短いですね。<苦笑>
いや、だって、ウチのヤマトさんは、変で有名(なのか??)なんですよ。なのに、クールには出来ませんでした。
なので、失敗……xx その為、続かずに、かなり苦労致しました。
誰だよ、ヤマトがクールなんて言う設定にしたの……xx(自分だろう!)
次は、表『GATE』で、二人の会話なんて書いてみたいですね。
漸く、二人が再会したんですから、頑張ります!!!!
|