気持ちのいい時間。
一番幸せだと思える朝の始まり。
自分の直ぐそばに感じられる、暖かな存在。
そっと寄り添うようなその存在を感じながら、ゆっくりと瞳を開く。
そして、隣に眠るその姿を見詰めてから、そっと笑みを零す。
それから相手を起こさないようにそっと顔を近づけて、頬にキス。
相手が起きていない事を確認してから、ゆっくりとベッドから起き上がる。
まだ眠っているその姿にもう一度笑みを零して、それから起こさないように細心の注意をしながら、部屋を出るのが、何時もの事。
一緒になって眠っている、2匹の子猫の姿を見るのだって、もう既に当たり前になっている日常。
「さて、朝食作るか」
部屋を出てから大きく伸びをして、キッチンへと移動する。
毎日、同じ事の繰り返し。
だけど、その毎日が嫌だと思ったことは無い。
確かに、家事は大変。掃除に洗濯、3食の食事の準備にその後片付け。
おまけとばかりに、自分はサッカークラブにも行かなければいけないのだから、休む日なんて無い。
それなのに、嫌だと思わないのは、大切な人が居てくれるから。
目を開いて一番に映るその姿が、自分にとっては何よりも大切で、幸せな事。
忙しい身だと知っているからこそ、一緒に居られる時間が大切で、どんな時間よりも変えがたいものなのだ。
「今日は、洋食……パンとコーヒー。サラダにスープ……ベーコンエッグと果物…こんなものだよなぁ……う〜ん、何か物足りない…」
メニューを考えながら、用意するべきものを口に出して、太一は小さく首を傾げた。
出来るだけバランスを考えて、メニューを決めているつもりである。
勿論、栄養士の資格を持っている訳ではない。
特別に勉強した訳でもないが、やはり外食の多い相手のために、独学でも出来るだけしっかりとしたメニューを考えるようにしている。
野菜不足にならないようにと、注意もしているつもりだ。
バイトで中華店や喫茶店に入っていたのが、何となく役に立っているのか、簡単に料理するコツというのは、身に付いている。
「……スープはコーンスープ、目玉焼きは、半熟で焼きベーコンを沿えて……んでもって、果物は、キュウイフルーツにリンゴ。サラダは、レタスとキュウリ、トマトにツナでドレッシング。コーヒーはカフェオレにして、オレンジジュース……十分かな?」
手際よく準備をしながら、テーブルに並べられたモノを確認して、再度首を傾げた。
朝からしっかりと食事を取るのが、当たり前。
結婚したての頃、朝食をまともに取っていなかったと言う相手に、それが当たり前だと体に教え込んだのは自分。
朝、しっかりと食べて、それから送り出す。
例え、それがどんなに早い時間でも、同じ事。
「さて、ヤマトを起こしに行くか」
完璧に準備の整ったのを確認してから、一番大切な人を起こしに行く。
まずは、カーテンを開いて、太陽の光を部屋の中に取り込んでから、まだ眠っている人の耳元にそっと呼び掛ける。
「ヤマト、朝だぜ」
それが、相手に話し掛ける第一声。
そして、ゆっくりと瞳を開く紫水晶の瞳が、朝の光に輝く。
「……おはよう、太一」
相手からの第一声は、挨拶の言葉。そして、頬にされる優しいキス。
それが、日課。
毎日じゃないけれど、一緒に居られる時間は、何時だって繰り返される大切な時間。

はい、まずは太一さん編です。
42000HITリクエストなんですが、いかがでしょう?
ヤマ太で激LOVE……あれ?LOVE??
甘々な話のような……xxそれは、ヤマトさん編も同じ。
もう、何も言いません。ごめんなさい(><)
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