四季の乏しい亜熱帯の島。そんな小さな森の窯場近辺でも、植物と対話をし、風を感じ、その時々にそれぞれ
の草花は咲き移ろい、過ぎ行く月日を感じさしてくれる。窯場でヤチムンの仕事をしていると、植物と接する時間
が自然に多くなり、過去を顧みる時間も多くなる。過去に思いを馳せることは、今を見ていないことではなく、常に
過去を見、今を見ている。これまで、未来は10年スパンで見てきたが、段々に数が無くなると、何個ものポケットが
欲しくなる。どっちみちあれこれ器用に出来ないのは、承知なのだが、焦ってしまう。






9/29  教科書検定撤回要求県民大会。沖縄県民の一人としてどうしても参加せずにはいられなかった。
今回の県民大会は何らかの旗を掲げた組織団体の中で組織には属していない、まったくの個人参加や
家族ずれ、小中高生、の参加が多かったのではと思う。それに大会時間に関係なく、後から後から会場に
入って来る人達、出て行く人達、上空のヘリコプターからの取材者の目からは、アリが餌を運んでいるような、心臓が血液を
送り出しているような人々の動きではなかったかと思う。組織団体の人々は最後までいたであろうが、こちらは、閉会時の30分前に
会場を後にした。最近は車でも通ったこともない道路沿いの歩道を、臨時バスに乗った宜野湾市役所の駐車場へ向かって
ひたすら歩き続けた。途中、自動販売機を見つけ、さんぴん茶を買い、木陰に入って茶を流し込む。以前見慣れた街並みも
車内と歩きながらの風景では景色が違う。一歩一歩郷土の土を踏みしみて、愛おしさを感じながら歩いた。






10/22  いつもは10時頃に窯場に向かうのだが、9時前に自宅を出る。昨日ヤンバルの森林組合に電話をいれたところ
薪の予約が多いのか、松材の製材が少ないのか、大宜味村から国頭へ入る某建材店に有るので、そちらに電話してくれとのこと。
今日は松材の薪を見に現場に行き、良ければユニック車で窯場まで運んでくれるよう、話をするため直接ヤンバルに車を進める。
うるま市(石川市)から恩納村に抜け、国道58号線を北上する。海岸線沿いの道路から海を見ながらの快適なドライブ。




すべて製材後の松材。一束一トン、トラックで5束運んでもらう。一週間をかけ薪を窯横の棚に積み上げ整理をし、さらに5束
を追加、これも窯口用とサイド用により分け、窯横に積み上げる。薪窯は何と言っても、窯焚きの原料である、馬力のある松材の薪が
確保できないと、安心して窯焚きができない。



出品作(南蛮壺)

毎日新聞大阪社会事業団チャリテイー「名士寄贈書画工芸作品展」
12月2日〜4日。大阪・毎日新聞ビル(オーバルホール)

      

ART BOX出版社より「現代日本の陶芸vo1.2]への出品依頼があり、出品する。
見開き2頁へ掲載、来年二月下旬出版とのこと。