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5:召喚のマナー ここでは、悪魔召喚が危険視されるのは何故か、という理由を書いてみたいと思います(笑)。今まで書いてきた通り、悪魔といえども元は神だったりするので(元から天魔だった者もいるにはいますが)、高次の存在になればなる程、自分は神だというプライドがあるんです。そして、本来神であったからこそ、神であった時代と同じように崇められ、尊重されれば嬉しい。悪魔でも、召喚者側がそれなりの知識と礼儀をもって接すれば、じゃあこいつのためにひと肌脱いでやってもいいな、という気になる。そんなモンなんです。 術者に求められる『それなりの知識』とは、これから召喚しようとしている悪魔がどのような職能を有し、どんな性質のものであり、背景にどのような事情を背負っているのかを自分なりに調べて知っている、ということです。例えば、愛や恋についての願いを聞いてもらいたい時に、治療回復専門の悪魔を呼び出しても呼び出された方が困ります(笑)。そういう時は、ちゃんと恋愛専門の悪魔は誰なのかを調べて知っておくべきですネ。召喚される側としては、そういった基礎的な事前調査もロクにしない奴に召喚なんぞをする資格はないし、呼び出されたくもないと思ってしまうわけです。しかもだいたいそういう奴に限って、職能に関係なく誰でもいいから呼び出して強引に自分の我を通そうとする困ったちゃんが多いらしいですが。 その上、たいていの奥義書に書いてある召喚方法には、『神の御名において汝を召喚す』という文句が登場します。この文中の『神』が曲者であることは、ここまで読んで来られた方なら何となく見当がつくと思うのですが。そう、悪魔召喚は往々にして悪魔に対抗する(そしてほとんどの悪魔がいい印象を持っていない)『唯一絶対の神ヤハウェ』の名を借りて、ヤハウェサイドから悪魔サイドを見下した立場で行われるのであります。自分よりも弱く、脆い立場であるはずの人間が、あまつさえ商売敵であるヤハウェの権威を傘に着て、出てこないとあのえらーいヤハウェ様の力でいじめてやるー!なんて言って、強引に呼び出しをかけてくるんです。それがヒト(じゃないけど)にモノを頼む態度か!?ってなわけで、もうこの時点で呼ばれる方は相当アタマに来てます。それでもあちらさんは商売ですから、悲しいことにそういう困ったちゃんのお相手もしてやらねばならない時があります。で、しぶしぶ出て行ってやった挙げ句に聞かされた願い事が …悪魔にモノを頼むといい結果にならないと言われる理由、何となく分かって頂けましたでしょうか。ヒドい目に遭うのは基本的には術者の心構えが原因なのです。だから、召喚はできるなら中立の立場でやって、いざ召喚が成功したら、わざわざご足労アリガトウございますの気持ちを込めて、礼儀正しくモノを頼むのが良いのですな。そうすれば、悪魔だって意地悪する気にはならないのです。以上、『悪魔にも常識は意外と通用する』というオハナシでした。なんだかこの章、まるで召喚ネチケット講座(?)みたいだよ…(笑)。 |
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