■ 妖 鳥 翔 べ る 星 月 夜 ■

瑠璃鶲(ルリビタキ)をモデルにして描きました。

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月のさやけき此の夜は
今は無き国 亡き人を

昔 此方の王国に
さる時 王は麗しき
萬金積みて買い求め

其の声 瑠璃の如く澄み
歌に狂いし彼の王は
臣下を忘れ 民も捨て

今は昔の 栄耀を
我は伝えん 今は亡き
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星を望みて翔びませう
此処に偲びて歌ひませう

楽の音愛でる王ありき
歌声持てる妖鳥を
好みて傍に侍らせぬ

王は夜ごとに聞き入りぬ
政をも顧みず
終には国を滅ぼしぬ

誇りし国の物語
愛しき王の物語
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 某所に投稿したモノなのでかなり気合いを入れて描いたんですが、展示用に縮小かけたら恒例の顔ツブれが発生(涙)。タイトルに『星月夜』とありマスが、月はどこにあるのかと言うと、画面向かって手前にあるのです。なので、このアングルからだと星と雲しか見えないワケですネ。
 詩のような七五調の物語もつけてみました。文章書きじゃないのでメチャクチャ。つまりある国の王がこの妖鳥の歌声に惑わされてとうとう国を滅ぼした、というおハナシ。しかし、彼女自身は短い間ながらも王の寵愛を受けて幸せだったので、自らの歌声に秘められた魔力によって愛する者の身を滅ぼしてしまったことを悔いているのデスね。なのでこの詩は、実は彼女が王を偲んで歌う歌の歌詞である…という設定です。ちなみに、文中にちょくちょく出てくる『ぬ』は『完了』の『ぬ』であって、『否定』の『ぬ』ではありませんので(いつの間にか古典の授業になってるし…)。