2005年明けましておめでとうございます、の年賀絵。干支は『酉』ということで、鳥=迦陵頻迦(かりょうびんが)です。迦陵頻迦はインドの神話から発祥し、仏教説話にも語られる、極楽浄土に棲むといわれる鳥。上半身は人、下半身は鳥の姿をしており、美しい鳴き声で歌うとされてます。また、有り難い説法なんかもしてくれるそうな。『酉』年でただ単に鶏を描いただけでは芸がないかなーっと思ったので、おめでたい鳥を描いてみました。ちなみに、仏教美術などでは、手に楽器を持った姿で描かれたりもします。
インド神話出典ということで、黒めの肌色にして、装身具も何となくアジアンな感じに。背景に描いた植物は蓮ではありません。葉っぱの形が違いますし、花の色も青くないです。というワケで、空想上の蓮に似た植物だと思って下さい(笑)。前景のキャラクターを太くくっきりした線で色もはっきりと描き、背景は細い主線で淡い色遣いにして、キャラクターが背景に埋没するのを防ぐようにしてみました。また、背景の植物はあまり陰影をつけず、どちらかというと抽象化された図柄に近い感じで描いてます。『鳥』のイメージを強く出すため、キャラクターよりも大きく広げた翼に目が行くような構図にしました。羽の色は、ちょっと冒険して不思議な感じの色の組み合わせを試してます。