K100補修履歴・リアマスターシリンダOH編 2005.9.6

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 リアブレーキパッド交換時、ピストンを完全に押し戻したはずなのにリザーブタンクの液量が増えない???

2005.5.22  : 液漏れ発見!
49578km
 実は、漏れ発見!しばらく前から「センタースタンドあたりが何となく湿っている」ことには気がついていたのだが、ポンプから漏れた冷却水が飛び散っているのだろうと勝手に思い込み、ポンプをOHするまでは直らないな〜と考えていた。が、リアのブレーキパッドを交換した際、リペアキットピストンを完全に押し戻してもリザーブタンクの液量が増えていないことに気がついた。ということは・・・とマスターシリンダ部を見ると下に液だまりが!!全部マスターシリンダ部から出てしまったようである。ブレーキ液ブレーキペダルを踏んでも漏れてこないので走れないことはないのだが、どのみちOHしなければならない。早速リペアキットを手配した。
 ブレーキ液は前回何の銘柄を使ったか忘れてしまったので、適当なDOT4のものを準備した。
 
2005.5.27  : OH作業開始
49586km
右ステッププレート取り外し 作業開始は21:30。シャッターの閉まるガレージがあると、もし作業が終わらなくてもいつでもやめられるので本当に気楽だ。
 最初にやることは右ステッププレートの取り外しである。ステップ吊り下げパニアステーの2本、ステップ本体の3本、ABSユニットの1本、それぞれボルトを取り外す。写真の緑色の丸で囲んだ部分のボルトはペダルを分解しないのであれば取り外す必要はない(なお、取り外すにしてもこのボルトだけはなぜか7mmである)。なお、ブレーキラインはそのままなので、ステッププレートが外れるとブレーキラインでステッププレートを支えることになってしまう。ステッププレート裏側あらかじめ紐を準備しておくとよい。
 ステップを裏返してみるとリアマスターシリンダとブレーキペダルの位置関係がよくわかる。スプリング取り外しペダルのリターンスプリングがマスターシリンダの取り付けボルトにかかっている。実は、このOH作業で一番大変なのはこのスプリングの取り外しで、コツは「スプリングのかかっていないほうのボルトを少し緩める(写真赤矢印)」こと。これを緩めたら、ラジペンでスプリングを押しながらスプリングのかかっているほうのボルトを緩める(写真緑矢印)。こう書くと簡単だが、結構力のいる作業だ。新旧比較なお、六角レンチはボールポイント付きのものの方が楽である。
 マスターシリンダの取り付けボルト2本を取り外すとマスターシリンダだけがブレーキホースでぶら下がった状態になるので作業は楽になる。ブーツを外したシリンダ古いゴムブーツを外し、ピストンの先端からプッシュロッドを取り外す。ブレーキペダルからはアジャスターを取り外す(古いものをそのまま再使用できないこともないのだが、リペアキットに含まれているので交換する)。取り外し前にロックナットの位置を記録しておくこと。外した部品を新品のものと比べてみると、ゴムブーツがかなり膨張していることがわかった。ブーツを外したシリンダ側を見ると、こちらはブレーキ液が塗装部分に付着して塗装を侵している。塗装がはげても機能には影響ないが、ブレーキ液漬け少しみっともない。
 マスターシリンダ本体のOHを開始する前にひとつやっておくことがあった。新品のパーツを新しいブレーキ液に漬けておかなければならない。ピストンの入っていたビニール袋をそのまま使い、ピストン抜き取りブレーキ液漬けにしておいた。マニュアルには「最低15分」と書いてあるが、もちろん、長い分には問題ない。
 マスターシリンダからピストンを抜き取るには、シリンダ側面の小さなビスを取り外す。このビスはピストンの前後の動きを規制しているが、シリンダー内これを緩める時にはピストンを指で軽く押し込んでおくとよい。押し込んだままビスを外し、ゆっくりとピストンを抜き取る。
 ピストンを抜き取ったシリンダ内を点検したところ、特に錆などの損傷はないようなのでそのまま使用することにした。シリンダ清掃なお、このマスターシリンダの内面はアルミの地金そのものだったが、液漏れ対策品は内部にコーティングがしてあるらしい。マスターシリンダの内部は割り箸に柔らかい布を巻き付けたもので軽く清掃し、新しいブレーキ液を入れて糸くずなどを洗い流しておく。新旧ピストン比較圧縮エアかOA用のエアダスターなどで軽く吹いておけばればなおよい。
 取り外したピストンと新品のピストンを比べてみた。ピストンには2つのリップ部があるのだが、取り外したほうのピストンは、ペダル側のリップ部(写真赤矢印)が硬化して摩耗していた。キャリパー側には問題なし。確かにこの状態なら、ブレーキは効くがペダル側に液が漏れてくるという症状になる。シリンダ取り付け
 ピストンの組み付けは取り外し時と同様の手順で行う。ピストンを指で押し込んだ状態で側面のビスを締め付ける。指でピストンを押して引っ掛かりのないことを確認したら、ピストン先端の穴にプッシュロッドを入れ、ゴムブーツを取り付ける。組み付け完了マスターシリンダをステッププレートに取り付ける際のコツも取り外した時と同じ(スプリングのかかっていないほうのボルトを途中まで締めておく)。スプリングを掛ける側のボルト穴の位置までスプリングを引っ張っておいてからカラーを入れ、ボルトを締めるのだが、ここでボルトを無理にねじ込んでねじ山を壊さないように注意すること。ボルトにスプリングの力がかかっていると真っ直ぐに入っていかない。マスターシリンダの取り付けが完了したら、ステッププレートを元通りに車体に取り付ける。
 エア抜きエア抜き残る作業はブレーキラインのエア抜きである。先にABSモジューレータ側、次にキャリパー側からエアを抜くが(手順は、「ブレーキ液交換編」を参照)、液交換の時と違い、完全にエアが入っているので根気よく抜くこと。
 エアが抜けたら、いつものように何度も繰り返し各部をチェックして作業終了である。2:15だった。

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