K100補修履歴・ブレーキパッド交換編 2008.9.9更新
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 ブレーキ関係の作業ミスは重大事故に直結します。自信がない場合は行わないでください。
このページを参考に作業する場合でも、全て自己責任で行ってください。

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 ブレーキパッドの厚さがほとんど残っていない!?

2005.4.21
48255km
 以前、点検編にも書いたが、K100RSのブレーキパッド摩耗限界は1.5mm。ふとブレーキ部分を覗いてみたところ、フロントはまだまだありそうだがリアはほとんど残っていないように見える。週末にロングツーリングを控えているので厚さだけでも点検しておかなくてはならない。
減ったリアパッド  ハンガーピンを抜き、パッドを取り出してみたところ・・・右側1.6mm、左側2.2mm。一回のツーリングでなくなってしまうような厚さではなかったので一安心。清掃してもう一度組みつけておいた。
 ところで、サイズが合わない!パッドの残りが全くなかった場合に備え、中古のパッドを手配していた。ABSなしのR100RTからの取り外し品だ。キャリパーが同じ形をしているのでてっきり使えるものだと思っていたら、パッドの大きさが違う。RT用のほうが横幅が約2mm大きかった。ツーリングから帰ったら交換できるよう、パッドを手配しておかなくてはならない。
*社外品のパッド : 今回、純正ではなく社外品のパッドを手配した。参考にしたのはこちら。これによると、K100RS4Vのフロントは「244」、リアは「106」。なお、サイズの合わなかった借り物のパッドは「240」。この表で見るとABSつきの2Vと同じサイズである。
*特性 : このメーカーのパッドは、同じサイズでもいくつかの種類がある。特性表はこちら。これによると、お勧めは「SuperSpotrs(SF/SR)」。が、ノーマルに近いほうが好みなので「Road」を手配した。
 
2005.5.21  : 交換準備
49578km
 パッド交換に備え、ブレーキキャリパー周辺の清掃をしておくことにした。キャリパーの汚れ特にフロントはホイールのベアリング交換作業中で、ホイールを取り外したままなのでちょうど良いのだ。
 今まで使用していたブレーキパッドはかなり減っており、ピストン側面清掃キャリパーのピストンも飛び出してきている。分厚い新品パッドを取り付けるためにこのままピストンを押し込んでしまうと、ピストン側面にこびりついた汚れを一緒に中に押し込んでしまうことになる。このため、ピストンを押し込む前にピストン側面の汚れを落としてやる必要がある。キャリパーを分解してOHしてしまうのが一番なのだが、今回は分解せずに済ませることにした。木片
 ピストンの汚れはそれほどしつこくこびりついているわけではないが、ウエスで拭いただけでは完全に落ちない。清掃完了プラスチックの棒や割り箸に柔らかいウエスを巻き付け、ピストンの側面を磨いていく。これだけでかなりきれいになる。
 なお、このとき、ピストンはなるべく飛び出した状態で作業するのがよいのだが、磨いているピストン以外が飛び出してきては困る。磨いているピストン以外の部分には木片を挟んでおくと良い。清掃後清掃前
 リアキャリパーも取り外して清掃する。(キャリパーの取り外し方は「ブレーキパッド点検清掃編」を参照。) リアキャリパーのピストンにはブーツがかぶさっているので清掃といってもウエスで拭くだけである。タンク圧抜ききれいに拭いた後、ピストンを一番奥まで押し込んでおく。
 ところで、ピストンを押し込んでいくと勝手に戻ってきてしまうことがある。これは、リザーブタンクの中のエアが圧縮されてしまうことが原因。リザーブタンクの蓋を開けて中の圧力を抜いてやるとピストンは戻ってこなくなる。ブレーキ液をあふれさせないように注意すること。
 
2005.5.22  : 交換本番
49578km
 新品パッドいよいよ新品パッドの取り付けである。まずは新品のブレーキパッドの調整をする。調整といっても難しいことはない。一般的に言われているのは「角落とし」、これはヤスリで適当に角を削り取っておく。パッドの塗装除去今回もうひとつやっておいたのは余分な塗装の除去である。新品のパッドは結構厚く塗装されており、キャリパー内でスライドする部分のはめあいがきつくなっていることがある。この部分の塗装を軽く削り取っておく。削り過ぎには注意すること。
 まずフロントから取り付けることにした。この時点でフロントホイールベアリングの交換作業は完了しており、新品パッドの取り付けブレーキグリスフロントホイールは組みつけられた状態になっている(書き忘れていたが、ブレーキグリスも忘れずに準備しておく)。 ここから新品のパッドのついたキャリパーを取り付けるのだが、これは結構苦しい。外す時もパズルだったのだがパッドが分厚くなっている分さらに大変になる。今回は、「キャリパーをホイールの中に入れた後でパッドを組み込む」という方法を取った。この方法なら、キャリパーの取り付けは楽々である。片側パッド取り付け
 
 やり方は以下のとおり。
・パッドの裏側、ハンガーピンにブレーキグリスをたっぷりと塗る。
・キャリパーをフロントフォークに取り付けた状態で見て外側(手前側)になるパッドだけをキャリパーに組み込み、落ちてこないようにハンガーピンで吊るしておく。ホイールの中へ・・・
・キャリパーをホイールの中に入れる(パッドがないので楽々)。
・奥側のパッドを下から滑り込ませるようにして取り付ける。
・キャリパーをフロントフォークに仮付けし、ハンガーピンを打ち込む。
これで終わりである。このやり方はキャリパーを外す時にも使える。
 ブレーキグリス塗りつけ
 次はリアである。まず、リアキャリパーを元通りに取り付け、ABSセンサーのギャップ確認まで終わらせておく。リアパッド組み付け完了その後、裏側にブレーキグリスをたっぷり塗ったパッドを片側ずつ組み込んでいく。パッドが落ち込んでしまわないよう、ハンガーピンをうまく使うのがコツだ。
 各キャリパーの締め付け(&締め付けトルク)を再確認し、ディスクに付着した油汚れをブレーキクリーナーなどで清掃し、作業完了である。
 なお、他でも触れたが、ブレーキ関係の作業をしたときは何度チェックをしてもし過ぎということはない。エンジンをかけて走らせる前に手押しでの確認も忘れずにやっておくとよい。
 
2008.9.9  : フロントパッド交換 (2回め)
83903km
取り外したパッド 2回目のフロントブレーキパッド交換を行った。前回のフロントブレーキパッド交換は49578kmの時なので34325km走行している。実は、昨年秋の車検の際に2.0mmを切っていたため交換しようとして準備だけしていたのだが、結局今になってしまった。パッドを取り外してみると、一番薄いところで1.3mm。DLP244SF摩耗限界未満である。
 今回使用するパッドはデルファイロッキードのDLP244SF。前回使用したのはセミメタルのDLP244(ロードスポーツ)、今回はシンタードメタリックである。能書きは「クイックな初期、コントローラブルな奥での制動」らしい。
 今回のパッドの選択にはかなり悩んだ。ロッキード社は国内から撤退しておりK100RS用の在庫がなく、ネットで調べてもどれが自分に合うかわからず、オークションで売っている格安パッドにも不安があり、キャリパー部の汚れどうしたものかと悩んでいる時にこのDLP244SFのストック品を格安で分けてもらえることになり喜んで頂いてきた次第である。
 キャリパー部の汚れは、予想通りかなりひどい。今回は以前のように水洗いはせず、ブレーキクリーナを使用。ピストンを出したり入れたりしながら汚れが出てこなくなるまで清掃した。
新品のDLP244SF 取り付けに際してやることは前回と全く同じである。なお、このパッドの新品時の厚さは5.2mm。これを取り付けるとピストンはかなり押し込まれることになるが、数ミリ摩耗した段階でブレーキ液を交換しているのでピストンを最後まで戻すことができない。内側のパッドの入れ方片側を戻した時にブレーキ液を少し抜き、窓から液面が見える程度にしておいた。
 
 前回の交換時に写真を撮っていなかった、内側のパッドの入れ方。 →
キャリパーをなるべくホイールの外側に出し、隙間にパッドを滑り込ませる。
 
 走ってみた感じでは、まだ当たりが出ていないので何ともいえないが、確かに初期制動が良いように感じる。とりあえずは泣きもなく、効きに不満はない。  
 

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