2003.10.4 28317km |
スピードメーターの振れが少なくなってしまう現象は、コネクタの抜き差しとケーブルの取り回し変更で直ったと思っていたのだが(「オイル漏れ?編」、参照)、先日北陸道を走っていた時にメーターがきちんと振れていないことに気がついた。いろいろ試してみると、1&0km/hになるとメーターの指針が上昇しなくなり、さらに速度を上げていくと逆に指示が下がっていく。1ゆ0km/hくらいになると実際の速度の1/4ほどしか振れなくなる。 これは、ファイナルギア部に取り付けられているスピードメーターセンサーがパルスを拾い損ねているのに違いない。走行距離がわからなくなるのもイヤなので、メーターが振れる範囲でおとなしく走って帰着した。
さて、K100のスピードメーターセンサーはファイナルドライブに取り付けられている。このセンサー(近接センサー:非接触)が軸の凹凸から信号を拾うしくみになっている。このタイプのセンサーは表面に金属粉などが付着すると感度が弱り、低速ではパルスを拾える信号が高速では拾えなくなる(パルスが欠ける)現象が発生する。 ファイナルドライブオイル交換の際に多量の鉄粉が出てきたこともあり(このときはこのセンサーを点検しなかった)、自信を持って開けてみたのだが、センサー本体はほとんど汚れていない。予備のセンサーは用意していなかったので、とりあえずきれいに拭いて元通りにしておいた。
後日、地方の高速道路を夜中に走る機会があったのでこっそりと試してみたところ、なぜか直っている??スピードメーターセンサーは10000円以上するので、試しに交換するのはもったいない。メーター裏のコネクタも今度見てみることにする。 |
|
2004.9.12 〜 再発!! 39600kmくらい?? |
昨年、スピードメーターの振れが少なくなってしまう現象が発生したのは上記の通りだが、再び発生してしまった。 発進してふとメーターを見るとまったく振れていない。それも、現象が発生したのが前回と同じ「戸隠の帰り道」である。戸隠に行くとメーターが不調になるのだろうか??
発生するのが「戸隠」ということなら、気になるのは「結露」である。気温が上がってくれば解決する可能性があるとは考えたが、真っ先にシート右下のコネクタを抜き差ししてみた。
・・・残念ながらこれでは解決しなかった。
しばらく走っていると、「ブレーキをかけたときに一瞬振れる」こともあったが基本的にはまったく振れない。しょうがないのでメーター不調のまま出発することにした。
戸隠から日本海側に抜け、気温もかなり上がってきたが、メーターは回復しない。「全く振れない」「低速では振れるが最高で80km/h」「急に直る」などと現象が変化する。走行中には次のことがわかった。
・スピードメーターが振れていないときは距離計も進まない
・スピードメーターが全く振れていないときはウインカーのオートキャンセルが働かない
結局、この日は振れたり振れなかったりを繰り返していた。 |
翌朝、 YHの朝食前にメーター裏コネクタを点検してみることにした。コネクタの取り外しは非常に簡単、車載工具のみで可能である。 ハンドルを右いっぱいに切った状態でコネクタ中央にあるボルト(4VはHex3mm)を回していくとコネクタが徐々に抜けてくる。
端子を点検したところ状態は良好、腐食や焼損も見当たらない。念のためにコネクタ部分を分解してみたが、特に問題はない。元通りに取り付けてみたが、やはり直っていない。走行中に突然振れたりするのは昨日と同じ状態である。とりあえずディーラーに直行することにした。
ディーラーでいろいろと相談した結果、これまでの経過からピックアップ本体を交換してみることになった。ピックアップは11000円。決してお安くはないが2ヶ所のコネクタをすでに点検してしまっているので次に試すとしたらこのピックアップである。
・・・残念ながらこれでは解決しなかった。
次は、メーター本体の点検をしなくてはならない。
|
|
2004.9.14〜15 40200kmくらい?? |
メーター本体を点検するため、メーターを車体から取り外した。 取り外しはメーター裏のボルトを4本緩めるだけで非常に簡単である(簡単すぎて危ないくらい)。
取り外したメーターの裏蓋を開けて内部点検に取り掛かる。 裏蓋の固定ビス9本を全て取り外し、蓋を開けるとメーター内部が見えるようになる。「開けたとたんに水が出てきた」という話も聞いたことがあるが、浸水の痕跡もなく、非常にきれいな状態である。「原因はメーター本体ではない?」と思いたくなるほどだ。
開けたからには一応各部を点検することにし、 メーター本体をハウジングから抜き出す作業に取り掛かる。 本体をハウジングに固定しているビスは6本だけだが、さらにトリップメーターのリセットノブがリセット軸に勘合している。リセットノブにはスプリングが組み込まれているので、外からノブを引っ張りながらメーター本体を引っ張ると外れるしくみになっている。なかなか芸が細かい。
今回不調なのはスピードメーターだけなので、スピードメーター関連部分を重点的に点検する。ウインカーキャンセルもできなくなることから、メーター本体とは考えにくい(電装品解説編の構成図参照)。 怪しいのはパルス整形基板かそこまでのコネクタである。
パルス整形基板を点検するためにはスピードメーター側を分離する必要がある。 メーター本体へのコネクタを固定しているビス2本、整形基板の近くにあるビス1本の計3本を取り外せばメーターが分離でき、基板を止めているビス3本にアプローチできるようになりる。
さて、 このパルス整形基板もかなりきれいな状態である。部品端子の腐食やプリントパターン損傷なども見当たらない。いよいよ「メーター以外では??」と思えてくる。部品の定数等をメモし、コネクタにシリコングリスを塗布して元通りに組み立てた。
メーターを車体に取り付け(メーター裏のコネクタにもシリコングリスを塗布)、 エンジンを掛けて後輪を回してみたが、全く針が振れない。壊したか?と一瞬青くなったが、しばらくして振れはじめた。しかし、しばらくすると振らなくなるなど、以前と同じ状態と判明。壊したわけではなかったので一安心だが、そういう問題ではない。。。
気を取り直して車体側のハーネスを点検することにした。シート下のコネクタからメーター裏のコネクタまでの配線をテスターでチェック。が、0.1〜0.2Ω問題なし。配線をゆすってみても変化はない。・・・手詰まりになってきた。 |
|
2004.9.16 40240kmくらい?? |
どこが悪いかわからなければ修理のしようがないので、メーターユニットを丸ごと入れ替えてテストしてみることにした。メーター借用のお願いをし、取りに行こうと走り出したところ今度は正常。さて、困った。。。どうしようか悩みながら走っていたが、もうあと数キロで到着、というときに突然メーターの振れが半分くらいに。不調が発生して喜ぶのも変な話だが、現象が出てくれないことには切り分けができない。不調のままでメーターを交換してみれば少なくともメーター本体が悪いのかどうかはわかる。・・・・と、ここで意外なことを発見。
「ホーンを鳴らすと完全に直る」
ウソのようだが確かに直る。しばらく走るとまた振れなくなるのだが、ホーンを鳴らすと針が急に振れるのだ。 そういえば、先日急に直ったときも歩行者の飛び出しでホーンを鳴らしていた。
ホーンを鳴らして直るなら、やはりどこかでアースが浮いている?ということで急遽方針を変更、コネクタ類を徹底的に点検することにした。タンクを後ろにずらし、タンク下のコネクタをひとつづつ外してエア吹き、接点復活スプレーの吹き付けを行った。リレーも全て外して端子を清掃した。元々状態がそれほど悪いようには見えなかったが、他にできることも思いつかない。 コネクタ清掃完了、タンクを元通りに。走ってみるとメーターがきちんと振れている。 これで直ったのか?と気を良くして帰りかけたところ、非情にも再発。ホーンを鳴らすと直るのも同じである。ここで観念してメーター丸ごと交換してみることに決定。 借用したメーターは同年式のK100RS4Vのもの。これを取り付けたところ、自宅までの約40km、全く現象が再現しなかった。・・・・実は借り物のメーターを装着したままロングツーリングに。1200km走行しても一度も現象が再発しなかった。こうなると、メーター本体の不良と考えて間違いない。 |
|
2004.9.26 41500kmくらい?? |
悪いのはメーター本体でほぼ間違いないようだが、一度開けて点検している。 あまり気が進まないが、そういうわけにもいかない。今度はメーター内の基板類がどのようにつながっているのかを徹底的に調査することにした。 メーター内にはパルス整形基板の他に数枚のプリント基板が入っている。それらを接続しているのはフィルムでラミネートされた基板(?)である。これらを紙に書き写しながら順に追っていったところ、メーター内で接触不良が発生しそうなところは前回点検したパルス整形基板のコネクタくらいだということがわかった。 その他はしっかりとかしめられている。
パルス整形基板を再度取り外し、コネクタのピンを観察したところ、一部黒っぽくなっているところがある。ちょうど、基板側のコネクタと接触するあたりである。この酸化皮膜が原因か?ということで、ドライバーの先で軽くこすり、布をあてて強く磨き、それからシリコングリスを塗布しておいた(前回はグリス塗布だけで磨いていなかった)。
これで直りそうな気もしたが、また開けるのもいやなのでパルス整形基板そのものも整備しておくことにした。古い基板ではハンダにクラックが入って接触不良になることが時々あるので全てのハンダ付け部分にハンダゴテをあてて再ハンダ。さらに、劣化の可能性のある電解コンデンサ(+おまけでタンタルコンデンサも)を交換した。これでダメならICでも交換するしかない。
元通りに組み上げ、車体に取り付けてみたところ・・・・問題なく動作する。そのままツーリングに出かけ、時々小雨霧雨という悪条件の中を丸一日400km以上走ったが全く問題ない。コネクタかハンダかコンデンサか、どれが当たりだったのかはわからないが、とりあえず復旧宣言をしてもよさそうだ。 |