07/01(水)[21世紀まであと921日] 晴

 7月である。である。何か、梅雨もあっという間に終わってるし……これからはもれなくである。暑いのである。はぁるよぉ〜とぉきぃはぁるよぉ〜まぁぶたぁとぉじぃればそぉこぉにぃ〜。歌ってみても春は遠いのである。暑いよぉ。(……あんた、歌の意味わかってるのか?)

 そんなわけで、夏日なのであった。なつわぁふゆにぃあこがぁれぇてぇ〜(もういい)

 うーん、タイトル更新しなきゃ。(笑) 


07/02(木)[21世紀まであと920日] 晴

 相変わらず暑い。あーつい゛ーっ! うぅ、困ったもんである。あまりに暑いので早々に帰ってきて本屋さんで涼むことにする。……既にして営業時間を終えている。(爆) そんなわけで『EXODUS』購入の野望があっけなく潰えたので、21時迄営業の別の本屋さんで『ウェイディング・ドレスに紅いバラ』(田中芳樹著 集英社文庫)を買うことにする。そう、あの『銀河英雄伝説』の田中芳樹氏の新作である。……にしては、レジに持っていくのが恥ずかしくなるスニーカー文庫ノリの表紙絵である。(笑) で、中身も、女子大生が吸血鬼を狩る秘密結社CRSの新米構成員として活躍するという「いかにも」な話である。カラーの口絵なんか、既にして少女漫画のノリそのまんまである。(爆) まぁ、最近はハードでシュールな小説ばっかり読んでいたのでたまにはこういうのが読んでみたくなるのだ。『ARIEL』の新作もまだまだ出そうにないし。そんなわけで……中身は思った通り良くも悪くも期待通りの内容であった。この手の小説の金字塔とも言えるバンパイアものとしては珍しく蘊蓄を語っていないところは田中芳樹氏のいいところである。別に蘊蓄を語るのはそれはそれで好きなんだけど……でも地政学でお茶を濁すのに比べれば何も語らない方がいいのは確かである。いや、それは別の話か。しかし、トンブソンでもなければUZIでもなく「軽機関銃」と臆面もなく書いてしまうあたり、ひょっとすると、蘊蓄を語っていないのは表紙絵から想像される系統の読者を意識した結果なのかもしれない。(でも、ところどころ蘊蓄語ってるあたりは作者の欲求不満発散か?)

 うーん、次はハードな小説にしよう……。 


07/03(金)[21世紀まであと919日] 晴

 月次処理がわりと早く終わったので、『ジャッカル』でも観ようかと映画館に行ってみることにする。サラリーマンの金曜の夜のアフターナインである。珍しく健康的である。(笑) しかし、何も考えずにふらりといってうまくいくほど現実はそう甘くないのであった。結果、、開演15分差で敗れ去る。(泣) 次の上映まで待つのも疲れるので映画館併設の本屋さんで「EXODUS」を買って帰ることにする。……驚いたことに構築済みデックの日本語版が出ている! 驚きである。いい時代になったものである。で、’大地壊滅’を買って帰ることにする。なんだか完全敗北な気もしないではないが……ま、いっか。(爆) 


07/04(土)[21世紀まであと918日] 晴

 改めて『The Jackal』を観に行くことにする。観に行っておののく。私は「ジャッカル」と聞いたときに、真っ先に一昨年の年末にケーブルTVで観た『ジャッカルの日』を思い出したのだが、まさかこの『ジャッカル』があの白黒映画『ジャッカルの日』のリメイク版だとは夢にも思っていなかった……。偶然名前が一致しているだけだと思っていたのだが、『ジャッカルの日』を知っていると、にやりとさせられるシーンが随所に出てくるので、興味のある向きは見比べてみるといいかもしれない。TVに写った殺人鬼の指名手配写真と目の前に立つジャッカルの顔が同じであることに呆然とした男をあっけなく射殺するシーンなどはそのまんまである。もっとも、『ジャッカルの日』と『ジャッカル』はストーリー的には全然別である。それに『ジャッカルの日』にはミニガンのようなド派手な武器も出てこない。捜査側にIRAのテロリスト、デクランのような助言者がいるわけでもない。……そういえば、このデクラン(リチャード・ギア!)、予告編のイメージよりはるかに善人なので驚いてしまった。(笑) もっと「毒」かと思っていたので意外な驚きである。予告編とのギャップといえば、デクランが左右の流れの間に挟まれて泣き叫ぶシーンの意味も意外であった。あれはああいうシーンだったのか、とちょっとした驚きである。これは観てのお楽しみであろう。

 しかし、フェリーの甲板でくつろぐジャッカル(ブルース・ウィリス)をパンするシーンのためだけにヘリを飛ばす(おそらくフェリーも貸し切りであろう)アメリカ映画ってのもやっぱりなかなか凄いモノがある。うーむ。ともかく『DEEP IMPACT』と並んでお勧めの映画であることは確かである。『ロック』のような派手な演出こそないものの、基本を抑えた傑作である。観るべし。 


07/05(日)[21世紀まであと917日] 晴

 諏訪の友人がやってきたので、一緒に大須に出かけることにする。で、2個目の『DIABLO』を買う。(爆) 別に間違って買ってしまったわけでも、安売りしていたわけでもない。『DIABLO』はプレイする個々の端末にCD−ROMが必要という厄介な仕様である。即ち、いくら家にLAN環境があっても1つの製品だけではLANによる協力プレイは出来ないのである。勘のいい方なら何故私が2個目の『DIABLO』を買ったのか気がついたかも知れない。やってくれるぜBLIZZARD.Corp! なのだ。『Myth』は1製品だけで対戦できたんだけどなぁ……。

 といっても、私は別に友人と対戦するためにもう1つ購入したわけではない。私は戦士と魔導師の二人のキャラクターを育てている。どちらのキャラクターも大抵のピンチは 「FireWall で一緒に地獄行き戦法」でカタがつくのだが、例外もある。魔導師の場合、下り階段を降りたところで敵に包囲されて撲殺されるとこの戦法は通用しないのだ。町で復活してもう一度降りていくと、降りた瞬間炎の壁を展開する暇すら与えられずに瞬殺されてしまうからである。こんな時は、「ああ、戦士だったらこの程度の敵に包囲されてもものともしないのに……」と思いつつ、泣く泣く装備を諦めることになる。いや、泣く泣くなんてものではない。もう頭真っ白状態である。貴重なリングなんぞ地下深くに落としたときには、無謀を知りつつ特攻して更に事態を悪化させることもしばしばであった……そう、ならば戦士が助けに行けばいいのである。Wizardly で救出部隊がパーティの死体と装備を回収できるのはあまりにも有名な話だが、同じことを『DIABLO』のMulti Play を一人でやっている場合にやるのは決して不可能ではない……CD-ROMと稼働するマシンがもう一台あれば。(笑) そう、にっちもさっちもいかなくなったら、2階に駆け上がってPowerMacintosh 8500/180 で『DIABLO』を起動、もう一人のキャラで MULTI PLAY にログインして死体のある場所に突撃し、魔物を殲滅して周辺の安全を確保した後 Town Portal で町に帰還すればOKなのだ。後は死んだキャラの真っ赤なコンソールからReturn to Town して、悠々死亡現場に戻ってアイテムを回収するだけである。(笑) この自分のキャラで救出作戦を敢行するのは魔導師が死んだ場合に限らず、炎に対する Immunity (免疫) がある(炎の壁の中にいても呻き声をあげない)強敵に殺された場合など、ほとんどオールマイティで有効だったりする。

 かくて、強力な国際救助隊の救援体制を得た私は、諏訪の友人を洗脳して『DIABLO』を購入させ、二人で地下探検に明け暮れたのであった。おかげでまだ唯一プレイしたことがなかった Rouge がレベル11まで成長したのは嬉しい限りである……まあ、国際救助隊からお下がりの装備を分けてもらったおかげでもあるのだが。でも、諏訪の友人様、お願いだから私のレベル21のソーサラーをパパって呼ぶのはやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!(爆) 


07/06(月)[21世紀まであと916日] 晴

 相変わらず暑いのでさっさと帰ってきて『DIABLO』に燃えることにする。(そんなに「さっさと」ではなかったかも知れないが細かいチェックはこの際無視である) 国際救助隊の後ろ盾に気が大きくなった私は、レベル21まで成長したソーサラーで地下13階……地獄に経験値稼ぎに出かけることにする。Balrog(Guardian)の群れに苦戦するものの、既にLighting が有効と言うことを知っている私は稲妻を乱射して蹴散らしてしまう。……あっという間に経験値が貯まっていき、気がついたらレベル22になっている。流石は地獄である。もっとも、期待のアイテムの方は大したものがおちていない。STRのエリクサーを手に入れても、STRが既に最大値に達している私には、あんまり嬉しくない。(笑) 

 で、貴重な呪文書でも落ちていないものかと、さらに奥へと進んでいった私は、大広間でまたもBalrogの大群に遭遇する。懲りない奴らである。ここぞとばかりにLightingを乱射……あれ? 死、死なないぞ、こいつ! どかっべきっぐしゃ……ぎゃああああああああ! ……国際救助隊の出番である。念のため、マナ・シールドを展開した23レベルの戦士が救援に駆けつける。稲妻でBalrogの過半を撃滅、最後の一匹に斬りかかる……どかっべきっぐしゃ、ぎゃああああああああ! こ、こんなはずでは……。

 復活した魔法使いで再度挑戦してみるが、やっぱり一瞬で撲殺される。稲妻も効いている気配がない。なーんーでーだー。で、二人で交互に突撃をかけてみるが、たった一匹の悪魔相手に手も足もでない。なんで、Chain Lightning を5発も喰らって生きてるんだこいつわ! 背中に冷や汗が流れるのを感じる。ぉぃぉぃ、まさか、主力キャラの両方が全装備ロストか? ……しばらく絶望的な戦いを繰り広げて死体の山を築く……で、気がつく。あ゛、こ、この Balrog 名前が金色……。Black Skull ……そう、こいつ、ユニークと呼ばれる希少な敵だったのである。さっそく必勝本で名前を調べてみるが記載がない。仕方がないので、とりあえず攻撃を稲妻系から炎系に切り替えてみることにする。と、なれば「炎の壁で一緒に地獄行き戦法」しかない。で、試してみる……意外なことに一瞬で Black Skull は昇天してしまう。通常のBalrog系悪魔には炎はほとんど効果がないので、こいつにも無効だとばかり思っていたのだ。げに固定観念とは恐ろしいものである。うーん、人生の勉強になった一日であった。(ほんとかよ) 


07/07(日)[21世紀まであと915日] 晴

 七夕である。町は笹の葉がいたるところに飾られ、すっかり七夕模様である……わけがない。(爆) なんでこう、純和風のイベントって言うのは盛り上がらないのだろう。って、去年も同じ事書いていたような気はするが、はは。でもなあ、某教祖様の誕生日の前日は日本全国異様な盛り上がりだっていうのに……恋人達の夜っていうなら、「おりひめ」と「ひこぼし」の年に一度の逢瀬の日なんだから、よっぽど今日の方が向いていると思うのは私だけなんだろうか。ううむ、困ったもんである。しかし、家の携帯電話も七夕モードがある(!)くらいだから、まだまだ七夕も捨てたものではない。写真に撮れないのが残念であるが、携帯電話の液晶画面にちゃんと七夕の絵が出るのである。KENWOODの技術は世界一ぃなのだ。昨日の午前零時過ぎに見たときは大感激であった。(午前零時に見るなよ) ……え、何で写真に撮れないかって? いや別に、日曜日に買ってきた『DIABLO』のパッケージが2つ並んだの図を愛機1400Lで撮ろうとしたときに床に落っことしてしまい電源が入らなくなった、訳では決してない。全ては温度差である。(訳注:「温度差」とは南方の辺境で発祥したという伝説の一つである。この伝説によれば、全ての精密機器の破損は「温度差」なる魔物が引き起こすらしい) そんなわけで写真が撮れないのであった。むぅ。困ったもんである。まあ、「おりひめ」と「ひこぼし」も無人衛星同士の全自動ドッキングという世界初の快挙を達成したことだし、よしとしよう。あーあ。 


07/08(水)[21世紀まであと914日] 晴

 10日連続の真夏日らしい。暑い。あんまり暑いので速攻で帰ってきて本屋さんに寄ることにする。とりあえず日本語版『EXODUS』をゲットしようと思ったのだが、英語版しかない。仕方がないので他にめぼしいものはないかと漁っていると面白いものを見つける。『FIFTH EDITION』の初心者用日本語版デックセットである。中身は30枚(!)の構築済デック2つとブースターパック1つ、それにルールとプレイングガイドが一冊づつである。これで、1580円。カウンターが入っていないのは不景気のあおりだろうか。とりあえず、買う。(笑)

 他になんかないかな、と漁っていると……文庫本のコーナーで凄いものを見つける。フレデリック・フォーサイスの『ジャッカルの日』。ぉぃぉぃぉぃっ! 狙っているとしか思えないのだが、知ってか知らずか、帯には映画『ジャッカル』の原作とは一言も書かれていない。もっとも、かくいう私も元の『ジャッカルの日』が小説の映画化であることをパンフレット読むまで知らなかったぐらいなので人のことは笑えないが。しかし、『神の鉄槌』(アーサー・C・クラーク著、早川書房)が堂々と『スピルバーグ映画化』と無謀な宣言をしているのとはエラい違いである。(流石に気が引けたのか、「原作」ではなく「原案」と小さく書いてあるが)

 で、寸秒悩んで、買うことにする。男だったら買わざるを得まい。(女でも可) とりあえずレジ待ちでぱらぱらとあとがきを読んでいて吹っ飛ぶ。この作者、『ジャッカルの日』で稼いだ印税で、第三作『戦争の犬たち』に描かれたストーリーを実践しようとしたらしい。即ち、印税で傭兵を雇い、武器や船などの装備を整え、赤道ギニアのマシアス政権転覆計画を現実に推進しようとしたのである(!)……途中で挫折したらしいが、それにしても凄い。映画『ジャッカル』にはかけらも描かれていないが、元の『ジャッカルの日』は現実に存在した秘密軍事組織OASによるドゴール大統領暗殺計画がその背景にあり、現実と虚構が渾然一体となった傑作だったのだが、本当に傭兵を雇って政府転覆を謀り、自分の小説を現実にしてしまおうとするっていうのは凄すぎる。フレデリック・フォーサイス、凄い人である。(だから完全な虚構である『ジャッカル』は駄作だというつもりはないので、念のため) うーむ。日本語版デックセットに『真鍮の都』が入っている(!)のと同じくらいの衝撃であった。ううむ、やっぱりたまには早く帰って日本経済に貢献してみるものである。(笑) 


07/09(木)[21世紀まであと914日] 晴

 暑い……今日もまた真夏日である。まぁ7月なんだから夏と言っても誰はばかることはないのだが、梅雨明け宣言はまだらしい。とうの昔に梅雨なんか明けているような気もするがきっと気のせいなのだろう。気象庁の人も可哀想である。(……と思ったら、沖縄、九州、四国は梅雨明けしたらしい……暑そうである) ちなみに、真夏日を例によって『グランド現代百科事典』(学研)で調べてみたら次の通りであった。

 まなつび【真夏日】最高気温が三〇℃以上の日。hot day 鹿児島で六九日、東京で四七日、札幌で九日(いづれも過去三〇年間の平均)である。(大田正次)

  大方、世間の考えと違わない。これなら赤恥青恥でも正解率は高そうである。(『平年』は難易度高そうだが) 一つ勉強になった一日であった。この際だから、『真夏日』の隣ページにある『マナ』(Mana)の記述に心が引かれたことは伏せておこう。(笑) 昨日はついに魔法使いがLV23に達し、ついに戦士を抜いてしまったのである。うーん、いかにもなハゲのおっさんがこのままメインキャラになってしまうのだろうか。最近は魔法使いしか使ってないしなぁ……ちなみに、今日は諏訪の友人と協力して Archibishop Lazarus を倒し、遂に地下16階に通じる伝説の魔法陣にたどり着いたのであった。……もっとも怖かったので、地下16階をちらっと観て帰ってきてしまったのだが。(笑) それでも魔法使いはLV26、諏訪の友人はLV21の戦士(一週間前に買った人である、念のため)、遂にDIABLOが見えてきた感じである。請う読者諸子、刮目して次号を待て!(ぉぃぉぃ) 


07/10(金)[21世紀まであと913日] 雨

 雨である。梅雨だなーという感じである……わけがない。蒸し暑くって死にそうである。赤道付近の海水温がようやく平年並みに戻って史上最大のエルニーニョは終わったらしいが、異常気象が終わった気は全然しない。困ったもんである。これから涼しくなるなら希望も持てると言うものだが、これから暑くなる一方なのは目に見えている。世紀末な感じである。(ぉぃぉぃぉぃ)

 レベルも全然あがらないし……困ったもんである。あーあ。(……) 


07/11(土)[21世紀まであと912日] 曇

 私は今、心地よい疲労感と、満足感に包まれてここに座っている。私の愛すべきキャラクター、魔導師ZALVESの横には真紅のドットが一つ点灯している……そう。遂に、遂に私はDIABLOを倒したのだ!

 思えば長い戦いであった。私が諏訪の友人と地下13階に通じる裂け目を降りてから、実に4時間半……本当に長い戦いであった。襲いくるBalrog と Succubusの群れに階段を下りたところで包囲殲滅され、絶望的な状況の中、何度も突撃を繰り返したことも、今となっては良き思い出である。終わってみれば、魔法使いもレベル27である。諏訪の友人はレベル24の戦士で、DIABLOを退治した私のパーティは魔法使いと戦士という典型的なコンビだったのであった。ゲームを始めた当初のメインキャラであった戦士がいつの間にか忘れ去られているのは何とも悲しい限りである。

 しかし……これで戦いが終わったわけではない。まだまだ NORMAL レベルなど、序の口に過ぎないのだ。次なるターゲットは NIGHTMARE……。そう、我々の戦いに終わりはないのである。

 と、かっこよく決まったので、攻略本で『あの魔法』が有効であることを知っていたからDIABLOに勝てたことは、この際伏せておくことにしよう。(笑) しかし、ダークなエンディングだったなぁ……。エンディングといえば、その後チャットルームに戻ってしまったのはある意味当然なんだけど、町に保険としてお金をおいていた諏訪の友人は可哀想だったなぁ。(笑) 文字通りスッからかんだもんなぁ。はは。うーん、明日は金稼ぎがメインになるのだろうか。何だかなぁ。 


07/12(日)[21世紀まであと911日] 曇

  私は絶望的な疲労感のもとに、PowerMacintosh 8500/180 の前に座っている。事の起こりは、朝一番で起動した PowerBook 3400c が、なぜか真っ暗な画面を表示してうんともすんとも言わなかったことだった。色々やってみるが、強制再起動をかけても起動音がなるだけで、やっぱり真っ暗なのである。始めはソフトウェアのトラブルかと思っていたのだがどうもそうではないらしい。らちがあかないので、CDドライブとバッテリーを外し、電源ケーブルも抜いて、いったん完全に落としてから再起動してみることにする。

 いつもの起動音と共にきちんと起動してくれる。大台丈夫じゃん、と思ってしばらく使っていると……ファイルのコピーの最中にがちん、という音と共にいきなりハングアップする。カーソルは動くのだが、他に全く反応がない。ひょっとして……強制再起動をかけると起動音がなるだけで、やっぱり真っ暗であった。ぐはあ。

 それでも、ソフト上のトラブルではないかと、今度はバッテリーを抜いて電源を落としてから、MacOS 8 のCD-ROMから起動してみる。CD-ROMから起動できるのは PowerBook 3400c以降のいいところである。で、起動してみると……きちんと起動してくれたのだが、コピー中にやっぱり異音と共にハングアップする。なんとなくHDDの回転が止まっているような気もする。ぐはあ。

 そんなわけで、私はPowerMacintosh 8500/180 で日記を書く羽目に陥ったのであった。ハメである。うがあああ。

  うう、こんな日は寝るに限る……。ぐっすし。


07/13(月)[21世紀まであと910日] 曇

 で、コンプマートの長期保証契約書を発掘する。伝統的にこういった保証書や説明書のたぐいというのは必要なときになくなり、必要なくなってから出て来るというのが常である。そう、あの歴史上最も有名な物理学者マーフィの法則である。(訳注:マーフィが誰であったかは諸説あるが、英国空軍の整備士であったという説がもっとも有力である。少なくとも物理学者ではない)……しかし、今回は私としては珍しく(自分で言うなよ)、しっかりキープしてあったのであった。これも、店の人に「これがないと保証が受けられなくなりますからね」と念を押されたおかげ(?)である。店の方も、誰が、いつ、何を買ったかは控えているはずなのだから、別に保証書無しでも、何月何日にこれを買った誰それというものですが……と言えば保証してくれてもいいようなものであるが、世の中そんなに甘くはないらしい。困ったものである。もっとも、普通の人は、正確に何年何月何日に買ったかまでは覚えていないものであるが、私の場合必ずしもそうとは言えないのだ。古くは2台目の愛機 PC-9801RX2を昭和天皇陛下が御崩御された翌日の店内音楽自粛の日に買ったことに始まり、最新の愛機(多少自虐的なニュアンス有り)PowerBook 3400c/240 は、日記にも書いたとおり、徹夜仕事の時差出勤の行きがけ(それも土曜日!)に買ったという曰く付きの機体である。……いや、思ったよりこういうヤツ、世の中にいるかも知れないが。(いない、いない!) どっかで保証書店で預かりますとかいうサービス始めたら、意外と受けるかも知れないと思うのは私だけだろうか。「保証書をなくして泣く泣く有償修理された経験はありませんか? これでもうそんな心配はありません!」とか言って……いや待てよ、保証書預かり証明書とか作られたら一緒のような気もするな。(爆) ただ、修理品の預かり書をなくしてもたいてい身分証明書で返却してもらえるものだし、メーカーさんとの修理費用負担の問題だけなら、保証書そのものがあれば客も店も損はしないわけで、何月何日に買った誰それですが、で直してくれそうな気もする。真面目に検討の価値はあるような気はするけど……こんな事考えるのは私だけか?(爆) 


07/14(火)[21世紀まであと909日] 曇

 そんなわけで PowerBook 3400c である。完全にお釈迦である。(泣) バッテリーを抜いて電源を落としてから起動しても、?付きディスクマークが表示されるだけの状態になってしまったのだ。もちろん、MacOS8のシステムCDからも起動してくれない。爆泣である。ある意味で、真っ暗のままうんともすんとも言わないよりは症状が回復したと言えないこともないが……。(そうか?) まあ、それでも万一に備えてDIABLOのデータは Power Macintosh 8500/180 に待避させてあったので一安心である。(……ぉぃ!) だいたいのケースにおいてパソコンの故障でハードを疑うのは最後の最後なのだが、どうも今回はその最後の最後のようである。しかし、PC-6601 以来、私も結構パソコン歴は長い方だと思うのだが、本当にハードディスクがイッてしまったのはこれが生まれて始めてである。……もっとも、私の場合段階的に調子が悪くなったのでまだマシかも知れない。これで、唐突に真っ暗になったときには、もう、頭真っ白状態に違いない。(現状でも、充分真っ白だが) クラッシュは、忘れた頃にやってくる。名言である。うーん、それでもなんとなく、内部のHDDの接続コードの接触不良なような気もするんだけどなあ……本当に丸ごとお釈迦だったらどーしよ。う゛ーーーーん。もう、デジタルカメラも壊れるわ、PowerBookも壊れるわ、本当に散々である。次は何が壊れるか楽しみである。(ぉぃ) とか言ってて、本当に何か壊れたら洒落にならんしなぁ。う゛ーんう゛ーんう゛ーん。こんな日は寝るに限る。(爆) 


07/15(水)[21世紀まであと908日] 曇

 久しぶりに午前様である。雨が降らなかったのが幸いである。しかし、降ってくれた方が涼しくなったかも知れない……もっと蒸し暑くなるという説も濃厚だが。そんなわけで、バイクでタクシーと激しいバトルをしつつ帰ってきたのであった。そう、なぜか夜中になると幹線道路はタクシーで埋まるのである。もう、道行く車のほとんどがタクシーなのだ。かなり謎である。さらに、タクシーの行儀の良さは昔から有名であるが、流石二種免許保持者の方々だけあり、右に行くと見せかけて左に曲がってみたり、急に幅寄せをかけてきたり、数々のプロフェッショナルな運転を披露してくれるのだから困ったものである。あなた方、ウインカーってものの存在を御存じか? 客が乗ってるなら酔っぱらいの客に振り回される不幸な運転手として同情の余地もありそうなものだが、そういうタクシーに限って空車なのである。俺に恨みでもあるのか、おい! 中途半端に遅い時間に帰ってくるとこれだから困る。夜中の4時過ぎなんざ、とても快適なのだが。(そうか?) ふぅ。そんなわけで3回くらい死にかけて無事に帰ってこれたことを神に感謝する今日この頃なのであった。勘弁してよ、もう。 


07/16(木)[21世紀まであと907日] 雨

 やっと雨である。多少は涼しくて春らしい過ごしやすい日である。(ぉぃ) そんなわけで、『ジャッカルの日』 を読み終える。原作なだけあって、映画にかなり忠実である。もっとも、微妙に違うところがなかなか楽しい。(以下ネタばらし有り注意) 例えば、映画では「あなたがたとえ大統領殺しを狙う暗殺者でも私は貴方を愛するわ」と言った男爵夫人をあっけなく殺してしまうのに対して、小説では電話を盗み聴きしてジャッカルの正体を知ってしまった男爵夫人を殺すという、あんまり惨くない(?)展開になっている。他にも、戦争で片足を失った退役軍人に化けたジャッカルが、大統領狙撃のために目を付けておいたアパートに入るシーンがあるのだが、映画では、アパートの管理人の老婦人に水を一杯くれないか、と言って油断させ、そのままあっさり殺してしまうのに対して、小説では気絶させるに止めている。他にも、発見しても殺される危険があるから決して直接手を出すな、という警官に対する警告まで発せられるほど恐れられたジャッカルが、実は、車での移動中拳銃一つ持っていなくて交通整理の警官に怯える(笑)シーンなどもあったりする。こんな具合に、ジャッカルの心理描写が小説にはふんだんに描かれていて、人間であるジャッカルを感じさせる内容になっているのに対し、映画ではジャッカルは完全な殺人機械として描かれているのである。もう潔いほどさくさく殺していくのが凄く印象的な映画なのだ。(笑) それでいて映画版では殺すシーンは直接は見せないと言う演出も印象的だった。さきの男爵夫人も、ジャッカルと二人でベッドに入るシーンからいきなり朝、ジャッカルが婦人の車で出かけるシーンになり、昼まで婦人が起きてこないのに心配した召使いがのぞいてみると、いきなり死んでいるという凄い展開なのだ。(笑) ストーリー的には単純な話なのだが、このインパクトはあらすじだけで人を爆笑させることができる「火星年代記」に匹敵するものがある。うーん、元の映画版『ジャッカルの日』をもう一度観たくなってしまった……。 


07/17(金)[21世紀まであと905日] 曇

 何度この日を夢に見たのだろう……幻を追っているのではないかと、何度想ったことだろう……だが、汝は此処にある。あの『映像の世紀』ほどではないにせよ、この世界には存在しないのではないかと思ったこともあるそのアルバムの名は……『鬼平犯科帳』! ……あ、そこの旦那ずっこけましたね。言っちゃあ何だが、『鬼平犯科帳』のエンディングテーマである、ジプシー・キングスの「インスピレイション」は、もうほんとに涙誘う名曲なのだ。嘘だと思うなら、江戸の町の春夏秋冬を背景に流れるこの名曲を一度聴いてみて欲しい。曲そのものが、貴方に物語を語りかけてくれること間違いない。そう、目を閉じればあの大川の花火が瞼の向こうに浮かんでくるではないか……そして、もちろんオープニングテーマはひたすら熱いのだ。「火付盗賊改方、長谷川平蔵である!」

 そんなわけで長年の宿願であった(本当に出ているのかどうかも定かではなかった)このアルバムを遂に手に入れることができたのである。(笑) これで当分はCDを探し求めてレコード屋を歩き回らなくてもいいであろう。しかし、『REON』のエンディングテーマがどうしてもみつからないんだよなあ……。(ぉぃ) 


07/18(土)[21世紀まであと904日] 晴

 よく晴れた休日の土曜日である。これはもう、映画を観に行くしかない。(ォィ) そんなわけで、噂の『GAZZILA』を観に行くことにする……したのだが、気がついたら時計は既に19時を回っている。計画性のないヤツはこれだから困る。しかし、これで終わってしまうのも哀しいので、いそいそといつもの映画館に出かける。

 そんなわけで、映画館到着午後9時、上演時間表を眺めてみる……『GAZZILA』がない。何でだーっ、チラシには11日からって書いてあるぢゃないかーっ! 係員に事情を聞いてみるとなんか、フィルムが入るのが遅れて、まだ演っていないらしい。ぉぃぉぃぉぃ。新聞の時間を見ずに飛び出してきた、わが身の不覚であった。で、とりあえず近くのラーメン屋で大盛りラーメンを食いながら対策を練る。ここで素直に帰るという手もあるが、それはいくらなんでもあんまりである。あまりにも悔しいので、改装されたばかりの駅前の映画館に出かけることにする。

 午後10時、でっかくゴジラのポスターが貼ってあるのを確認して、いそいそと映画館にはいる。土曜日はオールナイトらしい。予想通りである。上演時間表を眺めてみる……今始まったばかりらしい。(爆) 次は……午前零時。ぉぃ。

 午後11時、とりあえず駅前のゲームセンターにオランウータンをやりに出かける……旧バーチャロンしか置いてない。ぉぃ。仕方がないのでRAVERACERに燃えることにする。……昔の勘が鈍っているせいか、初級で50秒を切るどころか、1000円つぎ込んで2位がやっとという有り様である。なんでだーっ!

 午後12時、そんなわけで、生まれて初めてオールナイト映画を観ることになる。これで二本立てだとほんとに朝までなのであるが、終わったのは午前3時近くで、家にたどり着いたのはそろそろ午前4時という有り様であった。うぅ、ほとんど学生みたいな遊びっぷりである。で、結論から言うと大方の予想通り、「あの」ゴジラだと思わなければ結構いい出来なような気はする。スーパーXみたいなお遊び兵器は一切出てこないし、リアリティ重視という点で言うなら日本のゴジラ何ぞ足下にも及ばないと言っても過言ではないだろう。しかし、恐怖という点で言えば初代ゴジラの方が遥かに上回っていたに違いない。『エイリアン』と『エイリアン2』みたいな感じという印象を受けたのは私だけだろうか。なんにしろ、楽しめるのは確かなので観に行っても損はしないであろう。でも、New Yorkの地理に詳しくない日本人には地元の楽しさがない分だけちょっと残念である。「ゴジラは錦通りを西に進んでいます!」とか言うのも一度観てみたいもんである。で、名古屋ドームに巣を作ったりして。(本気か?)

 そんなわけで妙にハードな一日なのであった……もう5時ら、になってしまわないうちにさっさと寝ることにしよう。(ぉぃ) 


07/19(日)[21世紀まであと903日] 晴

 久しぶりに遊び人の金さんと諏訪の友人がやってきたので、デュエルをすることにする。で、ようやく『擬態の仮面』が4枚揃ったので、新作の『擬態の仮面』デックにエクソダスの青マナ1つで呼べるクリーチャーをいくつか追加してチューンアップ、投入してみる。

 結果。圧勝する。始めにマリガンで青1マナクリーチャーと『擬態の仮面』、それに『島』を揃え、2ターン目に『夜のスピリット』を呼び、ほとんどそのまま勝ちパターンに入るという形が詐欺的なまでに連続で綺麗に決まってしまい、連戦連勝してしまったのである。こ……こんなに強いデックだとは、正直言って思っていなかった。しかし、所詮は誰でも考えそうな変形リアニカウンターデックに過ぎないので、他のデック相手でこうも綺麗に決まるかどうかは疑問である。いかに両方4枚入っているとはいえ、(島も含めて)3枚コンボがそうそう毎回綺麗に序盤で決まるとは思えないし、単に今回は運が良かっただけでそんなに実力のあるデックではないような気はする。……うーん、でもサイドボードを考えるだけの価値はあるデックかな? 次回までにはサイドボード組んでみることにしよう。
(訳注:と、思ったのだが、後に、この『擬態の仮面』は日本語版の誤訳で、本当はこういう運用が出来ないことが判明した。ちゃんちゃん) 


07/20(月)[21世紀まであと902日] 晴

 珍しく早起きする。やはり休日は早起きして生活リズムを保たなければならないのだ。もちろん、今日が出勤日だから早起きしたわけではない。……ふぅ。そんなわけで月曜日なのでお仕事なのであった。なんか、TVは連休最後の日などと騒がしいが、これはいつものことである。(笑) しかし、携帯電話まで国民の祝日モードになっているのにはちょっと納得いかないものを感じないでもない。うぅ、そこまでするか、KENWOOD! なんか、携帯電話にまで馬鹿にされているような気分である。
 もっとも、仕事の方はえらくスムーズに終わり、このおかげで戦士のレベルがもう一つあがる。レベル27である。もっとも、魔法使いは既にレベル29なのだが……やっぱり、戦士とはこういうものなのだろうか。逃げ回る Succubus や Counseler を必死の思いで追いかけ回し、苦労して倒した後で、魔法使いでプレイして FireBall や Lightning で楽々と彼らを虐殺するとき、なんというか、人生の虚しさを感じるのは私だけではないと思うのだが……。まあ、この関係は古くはリターン・オブ・イシターの頃から伝統になっていたからしかたないのかも知れないが。(笑) あそこまで惨い関係でないだけでも、まだマシなのかもしれないけど……戦士ファンとしてはちょっと哀しい今日この頃である。なんだかなぁ。 


07/21(火)[21世紀まであと901日] 晴

 今から2年半前の平成8年1月2日……と、領収書には書いてあるが、日付については実はあんまり記憶がないその日、家に一台のマシンがやってきた。 それが、私にとって最初の PowerBook との出会いであった。PowerPCを初めて搭載したPowerBook 、 PowerBook 5300c がそれである。PowerPC 603e の100MHz という当時としてはかなりのスペックを誇った PowerBook 5300c は、同クロックの PowerPC 603e を搭載し液晶に廉価版のDSTNを採用した PowerBook 5300cs に比較してあまりにも高価だったため、市場では一般受けしなかった。しかし、640*480で3,2000色を表示できるTFT液晶の画質は、現在の目から見ても全く遜色がなく、当時も高く評価されている。致命的なのは、そのグラフィックボードの描画速度の遅さであった。当時のラップトップマシンとしては仕方がなかったのかも知れないが、現行の PowerBook 3400c に比べるとCPU性能の差以上の性能差を感じたことは事実である。カタログスペックの上では十二分の性能を持っている PowerBook 5300c であるが、当時のラップトップの性能は同スペックのデスクトップ機のほぼ半分というのが常識という時代だったのだ。謳い文句ではなく本当の意味で『デスクトップマシン並のパワー』を持つ PowerBook は、未だ現役の機体として製造されている PowerBook 3400c の出現までは存在しなかったといっても過言ではない。その PowerBook 3400c の故障も今思えば 5300cの最後の抵抗だったのかも知れない。

 そう、遂に、PowerBook 5300c がお嫁にいくことになったのである。実は、今まで使ってきた数々のパソコンの中で、売却したのは私にとってこれが初めてなのだ。PowerMacintosh 7100/66AV が未だにLinuxサーバとして現役なことをとってもわかるように、意外に私は物持ちのいい方なのである。おかげで稼働機が5台もあるという、恐ろしいことになったのだが……PowerBook 5300c は、その稼働機5台のうちでも比較的新しい方の機体であった。PowerBook 3400c の購入という暴走がなければ今でも使い続けていたかも知れない……それは、内蔵MOドライブに外付け4倍速CD−ROMというかなりの周辺機器に対する投資でもわかる。元々は埃を被って眠りにつくまでずっと使い続けるつもりだったのだ……そう、全ては PageMill Version 2.0j が異様に重かったのがいけないのである。これが3400c 購入の直接のきっかけとなり、そして5300c は 3400cの購入以来、ほとんど触られることもなく、影の薄い存在になってしまったのであった。もっとも、この長い日記は PageMill Version 2.0j で読み込ませると 5300c だろうが 3400c だろうが PowerMacintosh 8500/180 だろうが、暴走すると言うことがわかってからは、もっぱら Netscapeエディタとテキストエディタを使っているのだから、何とも皮肉である。

 そんなわけで、PowerBook 5300c は、新たなるユーザーの元、新たなる人生を送るべく旅立っていったのであった。さらば、我が青春の5300cよ、私は君のことを決して忘れないだろう。そして、私は新たなる世界最強へと歩み始めるのだった……っておぃ。いや、私も流石にそこまで猿ではない……と信じたい。(汗) 世間も不景気なんだし、うん。……なんですか、その目は。私にはiMacで充分ですよ、はは。(って、ぉぃ!) 


07/22(水)[21世紀まであと900日] 晴

 そんなわけで、万感の思いを込めて汽笛は鳴ってしまったのであった。なんとなく気分が宮部みゆき氏の『パーフェクト・ブルー』になってしまうのは致し方ないところである。そう、最近小説読みたい病が再燃しつつあるのである。年中燃えてると言う気がしないでもないが……で、『パーフェクト・ブルー』である。その、独特の語り節が鼻につく人でなければ、お薦めである。何とも言えない読後感は、宮部みゆき氏の著作独特の味と言える。伏線の貼り方もやや露骨すぎる感はあるが、このぐらいが丁度いいような気はする。しかし、少しばかり内容が題名負けしている感は否めない。こういう題名で、しかも作者が宮部みゆきとくると、どうしても『日輪の遺産』並の衝撃作を期待してしまうのは私だけだろうか。宮部みゆきに最初に手を出す人には、『魔術はささやく』の方がお薦めかも知れない。

 まあ、なんにしても会社帰りに書店に寄れるというのはいいことである。そんなわけで今日の戦果は『高みのドラゴン』『マナ結合』『移ろいの門』『しもべの誓い』であった。どれもなんとなくぱっとしない。ううむ。明日に期待しよう。(ぉぃ) 


07/23(木)[21世紀まであと899日] 晴

 幸運はそう何度も続かない。そんなわけで、今日は完全敗北で本屋さんにたどり着いた頃には閉店時間を1時間30分ほどオーバーしていたのであった。……しかし、こんな事もあろうかと、私は既に次の手を打ってあったのである。そう、昨日のうちに『パーフェクト・ブルー』の次に読む本を購入してあったのだ。はは。

 その名も『ノーストリリア』(コードウェイナー・スミス著、ハヤカワ書房)。ぴんとこない方も多いかも知れない。しかし、『人類補完機構』シリーズと聞けば少しは反応する人もいるであろう。そう、あの某有名作品で名前だけ使われた小説シリーズである。もっとも、内容は全然某作品とは関係ないし、私もそれを期待して購入したわけではない。冒頭の1ページをここで引用してみよう。

 テーマとプロローグ。
 お話と場所と時bb大切なのはこの三つ。
 1
 お話は簡単だ。むかし、ひとりの少年が地球という惑星を買いとった。痛い教訓だった。あんな事は一度あっただけ。二度と起こらないように、われわれは手を打った。少年は地球にやってきて、なみはずれた冒険を重ねたすえに、自分のほしいものを手に入れ、ぶじに帰ることができた。お話はそれだけだ。

 そして、ここから物語が始まるのである。まだ、前半しか読んでいないので、全体のストーリーを語るには早すぎるかもしれないが、ここまでに一応ほんの少しだけ富める者の惑星「ノーストリリア」とその富の源泉たる「あるもの」を狙う「輝ける帝國」の激しい戦闘がちらっと描かれてはいる。(このニュー・アリスの第四次戦闘で「ノーストリリア」の男の半分が死に、「輝ける帝國」は四個戦闘艦隊を失った) が、もちろんこの小説はそういう話ではない。従って割とそういう話が好みの私みたいな人(笑)には向かないかも知れない。

 ……それでも、このプロローグを読んで胸が躍らない者がいるだろうか? そんなわけで、私は『人類補完機構』シリーズに手を付ける最初の一冊にこの本を選んだと言うわけである。久しぶりにシリーズもので当たりを引いたような予感がするが、果たしてこれが本当に吉と出るか凶と出るか? 請う読者諸子、刮目して次号を待て!(笑) 


07/24(金)[21世紀まであと898日] 雨

 またも敗北でエクソダス計画失敗である。閉店時間に会社を出ていたのでは是非もない。仕方がないので、帰ってきてから『Diablo』に燃えることにする。いつも知り合いとばかりプレイするのもなんなので、試しにフリーパスワードのゲームに参加してみることにする。しかし、参加したゲーム名が「Japanese Only」という辺りが私の甘さである。(笑) で、おそるおそる挨拶して、さっそく HELL に降りることにする。知らない人とプレイするのは初めてではないが、まともにパーティを組んでディアプロ退治に出かけたのは今回が始めてである。少しばかり緊張して、PKでも入って来るんじゃないかと恐れていたのだが、結果から言うと、なんというか、知り合い同士のプレイよりもよりパーティプレイであった。なぜかみんな無口(笑)ではあったが、きちんと隊列を組み、ひたすら地下へ地下へと潜っていく光景は意外であった。最下層にたどり着くまでに何人かメンバーが入れ替わったものの、最終的に戦士がディアブロを護衛する黒騎士を引きつけている間に、仲間の戦士の背後から Holy Bolt をディアブロめがけて連射、なんというかあっけなく勝利を収めてしまったのである。ちなみにパーティ構成は最終的には戦士、戦士、冒険者、魔導師(私)であった。ディアブロ退治の主役も張れたし、なんというか感動的なプレイであった。

 で、余韻に浸りながら胸から血を吹き出したディアブロを眺めていて……妙なことに気づく。回りの黒騎士のうち何体かが動いているのである。そのうち一体が、 Holy Bolt を放ってオーラを出したまま硬直している私に斬りかかっているではないか! ぉぃ! しかも、マナ・シールドは破れ、体力が見る見るうちに減っているのである。ぉぃぉぃぉぃっ!!! やがてゲージはどんどん減っていき、今までの思い出が走馬燈のように走ったそのとき……エンディング・デモが始まり、私は一命を取り留めたのであった。なんだかなーである。これで死んでいたら笑うに笑えない。(死んだらどうなったのか、少し興味はあったが)

 そんなわけで、感動に浸りつつ、その後チャットルームで「ディアブロを一度でいいから観てみたい」というレベル3(!)のソーサラーに出会い、再度知らない人と一緒、潜ってみることにする。正直言って最下層で護衛できる自信はなかったのだが、 Town Port の呪文で地下16階までの直通通路を開けば何とかなるのでは? というもくろみであった……が、しかし。
 希望はあっけなく潰え去った。レベル3のソーサラーのゲームにレベル30のソーサラーが参加している図はやはり異様だったのだろうが、PKがうぢゃうぢゃやってくるのである。PKと悟った瞬間に Town Port の呪文で逃亡したので装備を根こそぎ奪われることだけは回避したものの、レベル3の戦士がマナ・シールドを展開した(マナは400近い)レベル30のソーサラーを追いかけ回す図はかなり異様であった。HP自体は300程度だったのでチートプレイヤーではなかったようだが、なんというか、なんだかなぁ、である。結局、地下15階の Archibishop Lazarus に対面したところで相手に謝って抜けることにする。相手の回線が288kbps のモデムでゲームが重く、果たして地下16階を戦い抜けるか不安だったこともあるが、PK相手に疲れたことが一番大きい。何となく、ディアブロのネットゲームの明部と暗部を観た気分の夜であった。あーあ。 


07/25(土)[21世紀まであと897日] 晴

 98発売から一夜開けた大須を見学に行く。あんまり(全然)私は興味がなかったので、今回は深夜のお祭りに出かけなかったのだが、TVのニュースで見たところによればそれなりに盛り上がったようである。各店頭も98一色である。しかし、98といえば、昔は PC-9801 シリーズのことだったのだが、今は知る人ぞしるマシンになってしまっている辺り、隔世の感がある。

 そんなわけで、私もいつものように大須で買い物なのであった……いつものようでなかったのはその中身である。ソフトキャリーケース、木工用ボンド、ウナコール……いや、大須で御用達の薬局(なぜ御用達なのかは実は深い理由があるのだが、それはまた別の機会に語ることにしよう)で100円均一セールをやっていたからではない、必要だから買ったのである……ほんとだってば。で、帰りに友人の買い物につきあって、ヤマナカで新潟揚げとコーンフレーク、キューピードレッシング1000アイランドとハーブミント、ポップコーンのタネを購入する……なんだか、これでは普通の一般優良市民である。(爆) うーん、こんなことでいいのか?(何がだ?) 


07/26(日)[21世紀まであと896日] 晴

 会社の Windows な人が Microsoft Front Page でHPを作るというので、お手伝いに召喚される。私 Windows わかんないんだって言ってるのにわかってくれないのである。(笑) まず、一応だいたいのイメージは作ってあるようなので、それを見せてもらうことにする。

「うーん、なかなかいい感じじゃないですか……でも、このHPのディレクトリの下にあるごちゃごちゃしたテンポラリみたいなディレクトリはなんですか?」
「ああ、それ? 『Front Page』が勝手に作るんだわ」
「へ?」
 ……HPのディレクトリ下にテンポラリファイルを置くのか、Microsoft Front Page ! そんなホームページ制作ツールなんて聞いたこともないぞ!

「とりあえず、まず聞きたいのは、このリンクが動作しないんだけどさ」
「<a href=画像/index_cg.html>……いいみたいですけど、なんでかな……ああ、でも漢字はディレクトリ名とかファイル名では使わない方がいいですよ。サーバーがUNIXだと%なんたらとかいう訳のわかんない文字列に変換されますし、原則使わない方がいいです。でも、WindowsマシンのHDD内でブラウズしてるときは関係ないはずだからなぁ……」
「ふむ、とりあえず、直すわ」
 ……とりあえず、直してブラウズしてみる……ちゃんとリンクが動く。ぉぃ。Windowsのブラウザってディレクトリには漢字名が使えない仕様か!?
「もしかして他のも……」
 で、試してみる。そういう仕様らしい。流石である。インターネット界の常識を身体で体現している。素晴らしい。(爆)

「で、背景に画像を入れたいんだけどさ……」
「ああ、それは簡単ですよ。まず、背景用の画像を同じディレクトリ下にコピーして、えーっと、たぶん Front Page のメニューにあるんじゃないかな……あれ、選択肢に画像ファイルの名前が出てこないのはなぜ? ここにあるだろー?」
「ああ、それは、こうやって FrontPage で使うファイルに組み込まないと FrontPage では認識しないんだわ」
え゛?
 ……おそるべし、Microsoft Front Page !

「あの、HTML多少わかりますよね?」
「うむ」
「……じゃあ、 Internet Explorer で観て、「ソースを表示」でメモ帳使って編集した方がいいのでは……」
「……その方がいいかもしれんな」

 まぁ、Excel の表をコピー&張り付けでHTMLの表に変換できるのは凄いと思ったけど、考えてみると、他には別の意味で凄いと思ったことしかなかったな、Microsoft Front Page ……。
 Microsoft 流石である。Windows95 ブームで初心者がいきなりHPを量産して世間の人に迷惑をかけることを防止するために、ここまで深謀遠慮を謀っているとは……そう、HTML文書は本来テキストエディタで作るべきものなのだ。タグを知らずしてHPを作るなかれ、である。Microsoft の毅然とした態度に深く感銘した一日であった。(爆)

(でも、世間にあれでHP作っている人間が本当にいるのだろうか? Adobe Pagemill の1024倍使いにくいと思うのだが……是非ともユーザーの感想を聞きたいと思う今日この頃である) 


07/27(月)[21世紀まであと895日] 雨

 雨である。早く梅雨明けしてほしい今日この頃である……しかし、これって梅雨なんだろうか。なんというか、既にして降り方が梅雨の降り方ではない。どちらというと台風のそれに近いような気がする。なんだかなーである。

 そんなわけで、デックの再構築に挑戦することにする。お恥ずかしい話だが、『擬態の仮面』は実は「場にあるクリーチャーと同じクリーチャー」しか、ライブラリから持ってこれないことが判明したのであった。……それでも、このコストを考えると使えないカードではないのかも知れないが……うーん、である。やはりリアニ系の時代は終わっているのかも知れない。ぐっすし。

 そんなわけで、このデックは敢えなく解体の憂き目を見ることとなったのであった。合掌。しかし、エクソダスでこれといって「これは!」というカードに出会っていない私にとって、このデックの解体はかなりのダメージである。うーんカウンターリアニでも組んでみようかなあ……あんまり期待できないけど。 


07/28(火)[21世紀まであと894日] 雨

 久しぶりに速攻で帰ってこれたので、本屋さんとCD屋さんを彷徨うことにする。で、『MACROSS PLUS』と『Best Loved Piano Pieces(ピアノ名曲集)』を買ってくる。……かなり変な組み合わせかも知れないが、まあよい。ちなみに、実は『MACROSS PLUS』のCDはもう一枚持っていて、こちらは『ORIGINAL SOUNDTRACK PLUS 〜for fans only〜』で、今回買ったのはノーマルの『ORIGINAL SOUNDTRACK』である。……何で二枚目を買ったかというと、『〜for fans only〜』に収録されている「VOICES」は途中までしか入っていない a capplla version だったからである。ノーマルの『ORIGINAL SOUNDTRACK』でも「After,in the dark」と「VOICES」(むろん、完全版)、それに「SANTI-U」という基本の3曲は収録されているので最初はこっちを買った方が無難かも知れない。(笑) 『〜for fans only〜』も味があるのでこれはこれでいいのだが。(アルバムとしては「SANTI-U」から「Torch Song」へつなげるfor fans only の流れの方が美しいように思う)
 しかし、MACROSS PLUS と言えば、やはり「VOICES」の「みっつめの言葉」である。これが気になって仕方がなかったのは私だけだろうか。「耳をすませたら」で、耳をすませて毎度聞いていたのだが、わからなかったので、CDを買ったときには期待に胸を高まらせながら歌詞を見たものであった。今でも私はそのときの衝撃を覚えている。「みっつめの言葉は hum.. 耳をすませたら」。……おい、そういうオチかっ! そんなわけで、そんなわけなのであった。(爆) はは。 


07/29(水)[21世紀まであと893日] 雨

 なんだかどうもシャキッとしない天気である。夏なんだから、もう少し夏らしくからっと晴れてほしいものである。うっとおしい上に蒸し暑いというのは困りものである。
 そんなわけで、『ノーストリリア』を読み終える。なんというか、かなり想像力をそそられる物語であった。(以下、ちょっとネタばらし有り) 最後に「ファウンデーション」が出現するあたり、「おぃぉぃ、これってそういう話かっ」と驚いてしまった。もちろん、この「ファウンデーション」は、「あの」ファウンデーションとは全く関係ないのだが……多分、そうだと思う。そうですよね、アシモフ先生!? そんなわけで、なんというか人類補完機構おそるべしである。この話で一番おいしい目にあったのは、結局女召使いのエリナーだというのがなんというか……うーむ。

 他のも買ってこねばなるまい。ノヴン・スペースとはまた違った意味で楽しめる壮大な未来史である。 


07/30(木)[21世紀まであと893日] 晴

 『ホログラム街の女』(F・ポール・ウィルスン著、ハヤカワ文庫)を読み終える。『ノーストリリア』で再発した小説読みたい病の対症療法薬として昨日買ってきた新刊である。……題名から想像のつくとおり、ストーリー自体は普通のSFハードボイルドなのだが、人類補完機構シリーズのような幻想的世界とはまた違った意味で楽しめる娯楽傑作である。始めは大したことのない小さな事件が、やがて……というおきまりのパターンがここまで美しく展開されると、これはもう、素直に楽しむべきであろう。第一部が終わった後、後半のストーリー展開がこうなるとは……正直予想もしていなかった。最後の終わりがやや予定調和過ぎるきらいはないではないが、これはこれで満足できるストーリーである。いつもいつも『冷たい方程式』や『堕ちる天使』では疲れてしまうというものだ。
 (以下、若干ネタばらし)世界観的には《人類補完機構》シリーズとほとんど共通点はないのだが、下級民と真民という階層制度が世界の根幹にあるという点ではこの《ラナーグ》シリーズもよく似ている。違うのは、遠未来を舞台とした《人類補完機構》シリーズにおける「下級民」が知性化された動物であるのに対して、《ラナーグ》シリーズにおける「下級民」がクローンである、という点である。《ラナーグ》シリーズには更に第三の階層として厳格な人口抑制策の落とし子である「存在しない子どもたち」、文字通りの「落とし子」があり、SF世界における階層制度のバリエーションに興味のある向きには(そんなヤツいるのか?)その意味でも楽しめるかも知れない。こういう意味では《知性化》シリーズのように、知性化されたイルカや猿が人類のパートナーとして良好な関係を保っている世界というのはきわめて珍しいような気もする。これで次が人工知性体と人類の階層問題だったら、もうその手のテーマ勢揃いのような気もするが、はは。
 そんなわけで(なんだかどんなわけか不明である)、久しぶりに素直に楽しんで一気に読破できるSFであった。お薦めである。 


07/31(木)[21世紀まであと893日] 晴

 あっという間に7月も終わりである。そうこうしているうちに夏も終わってしまいそうな勢いである。まだ梅雨も明けていないというのに……いったい世の中どうなっているのだろう。秋になっても梅雨明けしてないとか言ったらどうするつもりだ気象庁!

 それはともかく。

 そんなわけで7月も終わってしまったのであった。そう、帰ってきた時点で7月は既に7月は残り1時間を切っており、日記を書いている今は既に8月なのであった。なんだかなあ。
 仕方がないのでデックでも組んでみることにする。どう仕方がないのかは例によって軍事機密である。あの『擬態の仮面』の変形リアニの夢があっけなく崩れたので、長らく使っていない本命の純粋リアニを少し改良してみることにする。『吸血犬』や『繰り返す悪夢』など、それなりに使えるカードが増えてきたのでリアニを見直してみようかと思ったのである。特に『繰り返す悪夢』はカウンターや解呪さえされなければ無限に使える『ネクロマンサー』であり、強力な事このうえない。代償としてクリーチャーを一体生け贄に捧げなければならないので『ネクロマンサー』より即攻性には劣るが、それでもゴキブリでも使えば4マナと1ライフで何度でも使えるという利点は非常に大きい。むろん、机上の空論に終わってしまう可能性も大きいが、いかにロックデッキ全盛の時代とはいえ序盤に強力なクリーチャーを場に出せるリアニデックは最初に回りさえすればほぼ確実に勝てるデックである。宝くじデックの汚名を持つとはいえ、速攻で勝負を決めたときの快感は何者にも代えがたいものがある。流行らないタイプのデックであることは確かだが、もう一度夢を賭けてみる価値はあると思うのだ……そんなわけで、リアニデック、テンペスト版を作ってみることにしたのであった。もちろん、実戦で役に立つかは別問題であるが……いいじゃないか、黒使いは男の夢なんだから。(笑)




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