〜各色の特徴〜

黒:

 闇と死を支配する色です。白と緑に敵対します。
 一般的には「強力だが反動が自分に返ってくる色」と言われていますが、少なくとも4THにおいてはあまりそういった傾向は強くありません。そういうカードはアーグの盗賊団や黒死病ぐらいです。また、「黒」の一般的なイメージ……死と破壊、といったイメージとは少しずれていることにも注意する必要があります。「マジック」においては攻撃呪文はもっぱら「赤」の専門分野です。
 特徴的なカードとしては、「蠢く骸骨」、「黒騎士」、「センギアの吸血鬼」、「惑乱の死霊」、「暗黒の儀式」、「黒死病」、「恐怖」などがあります。
 代表的なデックタイプとしては、ネクロデック、捨て捨てデックなどがあり、また、単色デックが比較的多い色でもあります。これはバランスのとれた色であるということも意味しますが、「エンチャントを破壊する手段が黒には全くない」という最大の弱点があるため、黒単色デッキを扱うにはそれなりの腕が必要です。逆に補完色を選ぶ場合はこの点に注意する必要があります。黒はクリーチャーの特殊能力に独特なものが多いので、これを生かすデックを組んでみるのもいいでしょう。

白:

 聖なる神の力と生命の恵みを象徴する色です。黒と赤に敵対します。この色の特徴は防御力です。「防御円」、「護法印」は代表的な防御呪文ですし、「解呪」、「復活」や「治癒の軟膏」なども優れた呪文です。ただ、逆に攻撃系の呪文がほとんどないのがこの色の欠点です。「剣を鍬に」は白の代表的クリーチャー除去呪文ですが、相手のライフを回復させてしまうため、クリーチャー除去呪文の本来のターゲット、重量級クリーチャー相手には使いにくい、という欠点があります。使い方によっては「解呪」も強力な攻撃呪文となりうるのですが、相手に直接ダメージを与える単純な攻撃呪文、例えば赤の「火の玉」のような呪文はありません。では、クリーチャーはどうか、というと、「ペガサス」や「ツンドラ狼」、「白騎士」など、軽量級には優れ者が揃っているのですが、決定打となりうる重量級のクリーチャーは「セラの天使」(最優秀クリーチャーとの名声を持ちます)くらいしかいません。
 直接攻撃呪文以外はほとんど揃っているので単色デックも組めないことはありません。単色デックを組むなら、ウィニーデックが最適でしょう。ただ、白は、その性格上補完色として使う方が向いているような気がします。
 特に「防御円」は、他の色々な呪文とコンボを組むのに最適な呪文の一つです。中でも「赤の防御円」は単独でも優れた効果を発揮するだけでなく、赤の「火の兄弟」や「オーク弩弓隊」などと組み合わせれば即席コンボのできあがりです。
 赤だけでなく、白は何色の補完色として使ってもそれなりの効果があるので、いろいろな組み合わせを試してみるのがいいかも知れません。

赤:

 炎と破壊を象徴する色です。青と白に敵対します。この色の特徴は攻撃力です。有名な「火の玉」「稲妻」を始めとする攻撃呪文群。「石の雨」を代表とする土地破壊呪文。「シヴ山のドラゴン」を代表とする、増強型クリーチャー……。どれをとっても申し分無い戦闘力を誇ります。代表的なデックタイプは土地破壊デック、攻撃呪文オンリーデック、ゴブリンバーン(ゴブリン系軽量クリーチャーと攻撃呪文からなるデック)などがあります。
 単色でもかなり強力な色なのですが、この色にも欠点はあります。それは、エンチャント破壊手段が全くない、ということです。つまるところ、「赤の防御円」で全てが終わってしまうのです。赤単色デックというのは割と代表的な仮想敵デックでもあるので「赤の防御円」は防御円の中でももっとも入っている可能性の高い防御円であり、故に最大の強敵は白、ということになります。
 この色を主体とした攻撃呪文デックを組むのならば、速戦即決をその信条としなければなりません。自らの命をいくら削られようが、相手の命を削ることを最優先にすることが必要となります。
 アーティファクトでこの欠点を補完するなら(レアですが)通称リセットボタン「ネビニラルの円盤」でしょうか。攻撃呪文主体なら、自分のクリーチャーが壊されようが、エンチャントが壊れようが気になりません。 赤の場合自分はクリーチャーを使わないこともできるので一石二鳥です。起動前に最大の強敵「赤の防御円」と同じ白の「解呪」で壊されたり、マナ増強に「ほとばしる魔力」を使っているとちょっと痛いですが。
 補完色を使うのであれば、エンチャント破壊手段「静寂」とマナ増殖を持つ緑や、ECCMならぬ「対抗呪文」にさらに対抗する青あたりが第一候補でしょうか。しかし、赤も、白同様に何色の補完色として使ってもそれなりの効果があります。 より優れもののエンチャント破壊手段「解呪」を持つ白、 速攻マナ増殖「暗黒の儀式」を持つ黒との組み合わせも効果を発揮するでしょう。
 絶大なる攻撃力を持つ赤は、初心者から上級者まで、使いやすい色です。

青:

 水と、大気の力を象徴する色です。赤と緑に敵対します。この色の特徴は、「対抗呪文」です。青には数々のインタラプト呪文があり、ありとあらゆる呪文に割り込んでそれを無効化することができます。代表的な呪文は、その「対抗呪文」、「魔力消沈」などの打ち消し魔法でしょう。また、「支配魔法」、「秘宝奪取」などの相手のパーマネントのコントロールを奪うすべにも優れています。
 クリーチャーについても、有名なティム君こと「放蕩魔術師」や「西風の隼」、「幻影獣」、空飛ぶ壁こと「大気の壁」など優れどころが揃っています。また、自分のクリーチャーに使えばそれを無敵の壁とし、敵の重量級クリーチャーに使えばそれを無効化する「ガス化」。超巨大クリーチャーにも空戦能力を与える「飛行」など、サポート呪文にも優れています。
 島2つ残すだけで圧倒的なプレッシャーを与えることができる青は、トータルバランスでかなり優れた色といえます。代表的なデックは、カウンターデックでしょう。
 青の欠点は、一度場に出てしまったエンチャントやアーティファクトなどのパーマネントを破壊するのが非常に困難だということです。 エンチャント破壊が単色では不可能な赤や黒ほどではないにしろ、 打ち消し損ねたパーマネントは、例えばレアカードを含むコンボ「赤霊破」と「思考の色」あたりで消すしかありません。また、攻撃呪文もあまり多くはありません。
 従って、青単色でデックを組むとなると攻撃の主体はクリーチャーになるでしょう。青の重量級の飛行クリーチャーは優れものです。代表的デックタイプではありませんが、青の飛行クリーチャーデックは結構強力です。
 補完色を選ぶ場合は、青自身を他の色の補完色にする感覚になるでしょう。「対抗呪文」はどの色と組み合わせても使えますし、飛行クリーチャーに欠けるデックに補完色としていれてみるのもいいと思います。
 いづれにせよ、青は呪文の使いどころが勝負の決め手です。緻密な作戦の元にデックを組み、カードをいつ、どこで使うか、知的なプレイが要求される色といえるでしょう。

緑:

 大自然の力を象徴する色です。黒と赤に敵対します。この色の特徴は豊富なマナの供給力です。緑には「繁茂」や「ラノワールのエルフ」など、マナの供給を助ける呪文が多くあります。アンコモン以上も含めると「草原のドルイド僧」や「極楽鳥」など、緑に限らず好きな色のマナを供給することが可能です。黒の「暗黒の儀式」のように4枚制限にかかることもなく、赤の「ほとばしる魔力」のようにレアに頼る必要もないので、重い呪文も容易に運用することができます。
 また、重量級クリーチャーに優れていることも有名で、「ウォーマンモス」、「大喰らいのワーム」など、コモンで強力なクリーチャーを揃えることができます。エキスパンションを加えると、このクリーチャー陣営はより強化されます。有名なクロニクルの「アーナム・ジン」はその代表格でしょう。また、奇襲に最適な「巨大化」、敵の一斉攻撃を大逆転のチャンスに転化する「濃霧」、など、一発逆転狙いの呪文が多く用意されているのも特徴です。
 緑の欠点は、「強力だが反動が自分に返ってくる色」ということです。個人的には黒より緑にこそこの言葉はふさわしいように思えます。「アーナム・ジン」は敵のクリーチャーに森渡りを与えますし、「平穏」は自分のエンチャントまで破壊してしまい、強力な攻撃呪文「ハリケーン」は自分を含めた全てのプレイヤーが対象となります。
 また、対空迎撃可能な「大グモ」や、強力な対空呪文「北風」などを持っている反面、有力な飛行クリーチャーが少ないという欠点もあります。
 しかしながら、これらの欠点を抱えてなお緑はトータルバランスに優れた色であり、緑単色のクリーチャーデックは多く見られるデックの一つです。緑単色のコンボも使いやすいものが多く、「寄せ餌」+「茂みのバシリスク」(+「復活」)のクリーチャー一掃コンボはあまりにも有名です。また、豊富なマナ供給力や「賦活」や「毒牙」などの使いやすい支援呪文のおかげで、 他の色の補完色として使うのにも優れています。個人的には、もっとも初心者向けの色だと思うのですが、どうでしょうか?


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