春の夜長に電脳遊技!  〜 ゲーム の部屋 〜



SDGUNDAM GGENERATION【Play Station】

  ついに、出た……という感じです。全くの新作だと思っている方も多いようですが、このゲーム、上で紹介しているとおり元々SFTurboのゲームだったもののリメイク版です。それゆえに、基本的なゲームシステムはSFTurbo版と同じです。ただ、ハードのスペックが全然違うだけに移植にも気合いが入っており、システムにも大きな変更がされているところがあります。そこで、基本的なシステムについてはSFTurbo版についての記述を参考にしてもらうこととして、ここではSFTurbo版との変更点について述べたいと思います。

 まず最大の変更点はパイロットという概念が出来たことでしょう。スーパーロボット大戦同様パイロットとユニットは別管理になっているので成長したパイロットを別の機体に乗せることも可能です。GCENTURYにおいて採用されたNTレベルの概念も導入されており、NT以外のパイロットではビットやファンネルなどのNT兵器を使用することはできず、インコムのような簡易サイコミュ兵器を運用する場合にもNTパイロットに比べてかなりの制約を受けることになります。ちなみに今回は、オールドタイプのパイロットに強化処置を施して強化人間にしてしまうことすら可能です!(もっとも、強化人間はランクアップしなくなるのであまり得策ではないですが) また、アムロやシャアといった有名どころのパイロットは今回は声優さんが喋ってくれます! スーパーロボット大戦を観て羨ましがっていた向きには感涙ものでしょう。そんなわけで、今回はパイロットが非常に重要な要素を占めます。従って、SFTurbo版のように、強力なMSをいきなり製造するより、昔から鍛えてきたMSユニットに経験値を稼がせた方が強いということはありません。

 ただ、謎なことに(SFTurbo版のシステムをそのまま移植したせいでしょうが)やっぱり機体そのものにもパイロットレベルとは別に機体レベルとも言うべき固有のレベルが存在します。このレベルはパイロットに依存しない機体固有のレベルなのでパイロットが他の機体に乗り換えた場合には新しい機体に引き継がれることはありませんし、逆にエースパイロットが搭乗していた機体レベルAceの機体に素人パイロットが乗っても機体レベルが下がることはありません。機体に搭載された教育型コンピュータのレベルとでも考えれば納得できるかも知れません。そして機体レベルがAceになった機体はGCENTURY同様クラスチェンジしてより強力な(稀に弱くなることもあります……)機体にすることが出来ます。つまり、スーパーロボット大戦とGCENTURYをそのままくっつけたような成長システムになっているわけです。

 また、SFTurbo版で言うところのクラスチェンジ「開発」の他に「設計」という要素が加わっており、生産や捕獲によって自軍が保有しているMS二機種から全く新しいMSを生産可能になるというシステムが導入されています。例えば捕獲したザクとマゼラアタッカーからザクタンクの設計図を書き起こすことができたりします。これはなかなか面白いシステムで、役に立たないようなユニットでもより強力なユニットを生産するための材料に出来ます。(例えばアッザムとザクからアプサラスが出来ます)  また、ユニットそのもののバリエーションも豊富であり、セイバーフィッシュやフライ・マンタ等というマイナーなユニットから、ジオングヘッドやクィン・マンサヘッド、サイコガンダムMkIIヘッドといったヘッドシリーズ(笑)、ビグロマイヤー(『GUNDAM TACTICS』に登場)やサイコガンダムMkIII(『GUNDAM THE BATTLE MASTER』に登場)といった他のゲームに登場したユニットまで多数用意されています。ユニットの種類としては新たにSFS、いわゆる下駄が増えており、MSが飛べない故に相当な苦戦を強いられた高空マップもかなり戦いやすくなっています。この下駄は変型を採用していたGCENTURYとは全く違い、下駄のユニットと合体するシステムが採用されているので下駄履き状態での戦闘が不利になるということはありません。デメリットはSFSが母艦の格納庫を1スペース占有することくらいです。これによってド・ダイ2を履いたキュベレイMk2がサイコガンダムMk2にビームサーベルを構えて突撃するあの名シーンを再現することも可能です。

 また、これらMSユニットを個々に解説するプロフィールモードも用意されており、個々のMSや戦艦の詳細な解説を読むことも出来ます。もっとも、このMS図鑑を完成させるのはかなり苦労するみたいですが。

 さて、これだけ幅広いユニットのバリエーションが用意されているということは……そう、今回のキャンペーンモードも凄い事になっています。各時代ごとに5シナリオが用意されていたSFTurbo版とは異なり、今回のキャンペーンモードは一年戦争のルウム戦役から端を発し、なんと全42章という豪華絢爛ぶり。ちょっと気合いを込めてかかる必要がありそうです。

 そんなわけで、味方部隊のユニットが連邦系列とジオン系列のユニットでごちゃ混ぜになる点は相変わらずですが、地球降下作戦のマップやコロニー落とし(!)まで用意された今回の新生『SD GUNDAM G GENERATION』、お勧めの逸品です。これでユニットがSDでなければ最高なんですけどね……。


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