春の夜長に電脳遊技!  〜 ゲーム の部屋 〜



SDガンダム G CENTURY【PS】

 スーパーファミコンのSDガンダムGシリーズの最新作です。システムとしてはヘクス採用のターン交代制というごく普通のシュミレーションゲームです。大戦略をイメージされた方、そうです、そのまんまです。大戦略と大きく違うのは、戦闘シーンがアクションゲームになっていることでしょう。もっとも、アクションゲーム部分はオートにすることもできるので、オートにすれば大戦略とあんまり変わりません。

 作戦的に大戦略とかなり違うのは、包囲が非常に有効であるということです。このゲームの戦闘シーンは先に述べた通り、アクションゲームなのですが、これに参加するユニットは、攻撃目標となったユニットと、その周囲6ヘクスに存在する全てのユニットなのです。つまり、完全に囲まれた状態で攻撃されると6対1の戦いになってしまうのです。こうなると、ザク対ガンダムでも勝敗は明らかです。もっとも、これがGP03デンドロビウムになってくると、逆に一度の戦闘で雑魚を一掃できるので壮快ですが。

 Gシリーズにおける、ガンダム世界ならではのシステム上の演出は健在です。特徴的なのはやはり地球上と宇宙空間の二元マップによる軌道降下作戦でしょう。降下可能な艦とそうでない艦もちゃんと分けられていて、宇宙用の艦艇、例えばムサイは軌道上から地球に降下することはできません。ただ、Gシリーズと違って、普通のMSもバリュートを装備することで単独降下することができます。ちなみに、初代ガンダムやZガンダムは、バリュートなんか装備しなくてもちゃんと単独降下できます。 この辺りは通好みのシステムでしょう。

(でも、大気圏内にさえ一度突入すればMS形態に変形しても降下できるZっていったい……)

 あの「コロニー落とし」もシステム上しっかり再現されています。廃棄コロニーを占領して地球に落とすと、大陸に大きな穴が開きます。なお、コロニーレーザーも健在です。ティターンズとエゥーゴでコロニーレーザーの争奪戦何ぞやってみると盛り上がること必定です。

 SFCのGシリーズと大きく違うのは、ユニットの経験レベルが細分化されたことでしょう。『G CENTURY 』においては、個々のユニットにパイロットという概念が出来、パイロットには従来の経験レベルの他に、階級とNTレベルという3つのレベルを持ちます。MSではなく、パイロットが経験レベルを持つという概念なので、パイロットの経験レベルが上がってからMSを交換する、といったこともできるようになりました。ただ、個々のパイロットと個々のMSユニットが別々に存在するわけではないので、実際にはお金を出してクラスチェンジする、という感覚ですが。(この辺りは『第4次スーパーロボット大戦』のパイロットシステムとはちょっと違います)

 また、階級が上がると、従来のようにただで他のMSに交換することもできます。こちらは従来のクラスチェンジそのままといった感覚です。ただし、お金さえ払えば階級を問わずMSは交換できるので、戦艦の艦長が駆け出しの少尉さんだったり、超大型MAのパイロットの階級が一兵卒の伍長だったりという情けない事態もありえます。(笑)

 『G CENTURY 』において特筆すべきは、新たにできたNTレベルでしょう。これは、文字どおり個々のパイロットのニュータイプ能力を示すのですが、このレベルが低いと、なんとサイコミュ兵器が使えない(!)のです。つまり、いきなりキュベレイを作っても、ファンネルが使えなかったりするのです! なんと画期的。ニュータイプ部隊は、ちゃんとニュータイプのパイロットを集めないといけないので、思い入れたっぷりです。(爆笑)

 さて、最後に注目のユニット群ですが、初代、「0080 〜 ポケットの中の戦争 〜」、「0083 〜 STAR DUST MEMORY 〜」、「第08MS小隊」 、 Z、ZZ、「逆襲のシャア」、F91、Vガンダム、Gガンダム、Wガンダム、ガンダムX、などが入ってます。何を間違えたのか、「戦慄のブルー」のRX−79BD−2だのイフリートまで入っているという豪華絢爛ぶり。(苦笑)

 ザクレロみたいなマイナーMAもちゃんと健在ですし、ビグザムは主砲がマップ兵器になってるという通好みの仕上がり。マイナーユニットとしては『ガンダムジェネレーション』で見捨てられた試作飛行MSバイアランも入ってます。GP03は今回はステイメン単独でも生産可能で、デンドロビウムは例によって破壊されてもステイメンになって復活します。

 陣営の編成も可能なので、前作で生産タイプに関して不満のあった方も満足できると思います。

 ただ……水中用の機体はハイゴッグや、グラブロまで入ってるというのに、ユーコンがないというのはちょっといただけません。システム的な問題かも知れませんが、地形として港湾基地でも作れば解決する問題なのに……残念至極。ユニットについてはほとんど不満がないだけにこれだけが残念です。 『ガンダムジェネレーション』では、水中艦隊組むのも楽しみの一つだったのに……。そういえば、『第4次スーパーロボット大戦』で採用されたガンダムセンチネルのMSは今回も見送りでした。ちょっと残念。Zplus好きなんだけどなあ……。

 ついでだから、不満な点をいくつか。操作系がちょっと素人には厳しいような気がします。ユニットをクリックすると移動のすぐ下になんと「自爆」が出てくるので、操作を一つ間違えると超重量級MAだろうが超大型戦艦だろうが、一瞬にして轟沈してしまうという……おまけにキャンセルが効かない親切ぶり。うおー私のビグザムがぁっ! せめて、「よろしいですか?」ぐらい聞いてくれてもいいような。キャンセルが効かないといえば、ターン終了もSTARTボタン一発という簡単さ。……いちいち聞いてくるのはうっとおしいというユーザーが多かったのかしらん。それなら、設定で「はい/いいえ」を聞いてくるかどうか切り替え式にしてくれればよかったのに……。CD−ROMの読み込みが遅いのはともかくとして、これはちょっとなぁ……。対戦するときは重々注意しましょう。あと、艦に収容されてたりドック入りしてるユニットのパラメータが見れないのもちょっと……。どっちがニュータイプのパイロットだったか忘れて、適当にユニット交換すると、かなり悲惨な結果になります。

 ってなわけで、若干の不満はありますが、この手のゲームが好きな方には超お薦めです。シナリオモードも豊富にあるので、名場面を夢見てくる人にもお薦めできます。なんと謎の新宿編まであるという豪華絢爛ぶり。ガンダムファンなら買って損はない一本でしょう。

「Z−1、Z−2、Z−3、WR形態に移行、全機降下開始!」


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