『春の夜長に徹夜して読む本!第壱部』
☆『ゲット レディ!』シリーズ 庄司卓
(富士見ファンタジア文庫)
……エリアル、タイラー系の軽いノリが好みの方にはお薦めです。打撃戦艦だの重戦艦だの巡洋戦艦だの出し方の演出に明確なポリシーがある笹本裕一氏や吉岡平氏の作品を読んでいる方には、そういう面でのポリシーのなさに嫌気がさすかもしれませんが、純粋な娯楽作品として割り切って読むならそれなりに楽しめるスペオペです。
一応新刊ですので、入手はさほど困難ではないでしょう。
☆『日曜日には宇宙人とお茶を』 火浦功
(ハヤカワ文庫) 税別420円
知っている人は知っている、知らない人は全然知らない作品です。……よく考えたら意味がない文ですが、ともかく軽く読めて笑いが欲しいという方にお薦めです。続刊として『大冒険はおべんと持って』も出ています。
初版は昭和59年ですが、ハヤカワ文庫のあるところなら、さほど苦労しなくても見つかるでしょう。
(私が持っているものは6刷、昭和62年です)
☆『オンラインの微笑』 鳥井加南子
(新潮文庫) 税別400円
一時期はやったパソコン通信小説ですが、そのほとんどが、電話がつなげないのに通信が出来たり、パソコン天才少年がいとも簡単に警視庁のデータバンクに侵入したりという、とんでもない小説でした。最近のインターネットブームで、またこの手の小説ブームが再燃しているようですが……。
でも、『オンラインの微笑』は違います。コンピューターをしらない人でも、そして、知っている人は更に楽しめる。そういう小説です。そして、パソコン通信を前面に押し出して来ていますが、よくある無理のある設定はないし、パソコン通信をただの小道具として使っているわけでもなく、ストーリーに密接に関与させています。
終わり方に賛否両論があるかもしれませんが、一度読んで見て下さい。
初版は平成2年ですが、本屋で捜して入手するのは困難かもしれません。
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