2004/7/29

万太郎谷支流イドコヤ沢右俣

林道(5時半)イドコヤ沢出合(8時ころ?)登山道(10時半〜10時50)林道(12:30)

関東は八丈島付近の台風の影響で雨である。新潟では、冬型の逆の様な天気だった。ただし、三国峠付近からは早めに雲が流入してきます。
帰りに、伊勢崎付近に雲の切れ目があり、台風の雲を横から観察すると、それは、大規模な積乱雲の帯状の連なりだった。

万太郎谷は昨日の雷雨の影響か水量多めで、前行ったお盆の時と違い迫力が違う。突然現れる巨大な人工物、関越道の新潟側換気口(なかからゴーゴー車の音が聞こえる)を過ぎ、川棚沢出合いを過ぎると、オキドウキョのゴルジュだ。
前は、左をヘつり対岸に2m飛び込んで横切るだけだった。今回、左をヘツルが対岸のテラスが水量多く見えない。恐くやめて、戻って右から巻いて下りるとき、上から見ると水中20cmにテラスが見えた。なーんだ。

秩父川浦谷下部ゴルジュ以下と普段からバカにしていたが、水量しだいですね。でも、簡単に巻けるのは川浦谷以下です。
連続するその上の淵は右から胸までつかり歩いて入り、右の壁に取り付くがヌルヌル。左から行けそうなので戻って、左の壁を登って高巻く。すこし、迷い癖がでてしまう。

イドコヤ沢に入ると、花崗岩の小滝が屈曲しながら続き、飯豊・朝日の様な気分を味わう。
小障子沢出合からの巻きは、左から巻くと書いてあるが、見上げると草付きスラブで100m以上巻き上げられそうで、おまけにトラバースが危険極まりない。遡行図に逆らいブッシュのある右から巻く。出だしは、アイスバイルで登りそのうち獣道か?しばしあがり、横にトラバースし、二つ目の滝の脇は崖そうなので、少し上がり、三つ目の滝上に出る。(懸垂することも考えたが、ブッシュが密だし、紐の出し入れに時間くうので止めた:結果正解)沼の巻きは、ほとんどカモシカペースなのであった。

あとで、家で他の遡行図を見ると最初の3mは登ってその先のチョックストーン滝で左から草付きを小さく巻く。ということだった。
持ってた遡行図を勘違いして左のスラブを大高巻きしてたら。。。ゾー。
やはり、行ける滝は登り、行けなくなったら巻きを考える、という基本を忘れてはならない。
今回の様に、滝を見ずして、その先は巻きだからと、巻いてしまうのは、よくない。。。遡行図上で、滝が一本抜けていることもありえるので危険だ。しかし、今回は一番巻きやすい獣道を巻いたのでは。

右から快適に登れる20mナメ滝を過ぎ、岩のゴロゴロ地帯だ。
二股の手前から黒い岩の蛇紋岩になる。この岩は水流の脇がヌルヌルで滑るヤナ岩だ。一の倉などもハングの核心部はこの岩らしい。ということは、傾斜もきつくなりやすいということだ。

案の定、右俣に入ってからの滝は、黒く凸凹した10m前後の直瀑で、性悪な岩であるので、一番滑らなく浮石の少ないシャワークライムで、この岩とつき合う。

ちなみに、沼は地質と滝の登りやすさに注目し、地質図で研究しているのであった。沼は花崗岩フェチである。

地質図を知らずにいった胎内川では、花崗岩でなく黒い岩で失望したし。
越後三山の難易度が高いのは、北ノ又川流域を除き、黒い岩(大チョウナ、入道沢)だからだと思う。恐い目に遭っているのであった。
奥秩父の源流に綺麗なナメ滝が突然あらわるのは、笛吹川の花崗岩が貫入して出ているのだ。


10:30に登山道に詰め上げる、地下タビに履き替え、ヤセ尾根を下る。最後、尾根からはずれ右に下りだすと、立派なブナ林だった。熊の住居?6月の台風で倒れた大木があり、折れたところは虫かなんかで芯が腐っていた。そうか、弱い木がまず倒れるんだ。
昨年の小泉改革、保険本人2割から3割負担改定でも、うちのように弱い歯医者ほどダメージが大きいのだろう。自然界の現象から妙に納得。

工事中の林道脇で、昼の弁当を食う、おじさん一人とすれ違う。「見晴林業って、二居のところのですよね」「そうだよ」「よく冬にあそこから、日白山登りますから」「山登ってきたんか」「沢から登って、山道から下りてきた」「熊に遭わなかったかい?」「その先の赤テープの張ってある辺り(林道予定区域)で遭った」『どっち逃げた」『上に逃げた。でも、朝ですよ」『恐くないんかい?」「向かってくるやつって、めったいないよねー」(立ち去りながら)「それも、そうだ」(後方で)
浅黒く、しわだらけで、熊のようなおじさんの顔の方がよっぽど恐く、はやくその場を退散したい沼であった。

林道を更に延長すると言うことは、熊の生息地に人間が安易に入れるようになる訳で、また、人間との接触が増えるわけだ。「熊が出る」と騒ぐが、彼らから言わすと、もともとの住居に「人間が入り込んできた」という逆の立場なんでしょうね。

帰りの渋川の湯で、きのう自医院で会った、川越の大工さんと会った。台風の雨で今日は現場が休みなんだろうか?それにしても奇遇。

家に帰ると、カミさんから、今月も(支払いが)回らない。あした、8時半までに銀行に電話して定期おろして、普通預金に振り込んどいて。
うーん、現実に引き戻され、美味い酒の筈がイマイチの沼であった。

デジカメがなくなったのは、作文に力が入り、よい現象かも。




大雨だと全面に流れるんだろね(万太郎沢)




オキドウキョ(上の淵):右から胸まで浸かり行ったが、気が変わり戻って左の壁を登る





イドコヤ沢に入ると、小滝連続




このゴルジュの屈曲を見て、飯豊・朝日を思い出し懐かしむ沼であった




ちと大き目の滝






上越っぽい明るさ




人がいないと写真的にイマイチ




そこぬけに明るい20mナメ滝(右を快適に登れる)




二股の上は黒い滝(水流の脇はヌルヌル)