英国強気の理由


   F/1999-8-08

  今回のユーゴ戦争でも、湾岸戦争においても、英国が地上軍の 派遣を盛んに主張し、強行です。この理由は何であると思います。 この問題を今回検討していきます。 1.英国の戦前体制 英国は第2次世界大戦前は、7つの海を支配していた大英帝国でし た。この英国の植民地には、植民地軍がいました。もちろん、本国 の防衛はしませんが、他地域の防衛の任務についていたのです。   この中で、インド植民地軍の中のグルカ兵が非常に強く、どん な逆境にもめげない精神力があることがわかったのです。このグル カ兵は、ネパール人が主力なのでインド独立時でも英国に忠誠を誓 い、英国軍から離脱しなかったのです。 2.グルカ兵とは   このため、現在も英国軍の中で一番困難な任務を引き受ける軍 隊として存在しています。また、ネパールの外貨獲得の中心的役割 を担っているのです。   たとえば、フォークランド紛争で島の奪還にはのはグルカ兵の 軍隊です。最前線の部隊ですので、いつも話題の中心にいるのが グルカ兵部隊となるのです。   今回も、米国はグルカ兵のような傭兵を持っていませんから、 国内の世論に気を使って、陸軍の作戦を考える必要があり、どうし ても人的被害が見込まれる作戦には踏み切れないのです。   英国は国内世論を気にせずに作戦を遂行できるのです。   このため、英国はいつも強硬派のように見られるのですが、 そこには理由があるのです。 3.企業の利用   このグルカ兵の退役兵をセキュリティ・サービスとして雇用し て、英米の企業が紛争地域でのビジネスに役立てている。   日本の場合も傭兵部隊を作ったら?と言っても、有事法制の議 論もできないので今は無理であろう。 4.日本の今後   日本の自衛隊の守備範囲は拡大していく方向にあります。 この説明は次回します。 この範囲拡大に日本の若者が使えるのかという疑問があります。   フランスでも海外派遣は傭兵を使うことがあり、欧州先進国で は当たり前のようです。しかし、グルカ兵のような活躍をしていま せん。 これは、危機的状況になると脱走していくからです。   日本に忠誠を誓うような日本びいきで貧しい国の国民で、かつ 精神的に強靭な人種を思い浮かばないのですがどうでしょうか?   軍の指令は日本語で行いますから、この言語理解の面でも今 すぐに傭兵を作ろうとしても、たやすいことではありません。   日本語圏世界会議のような、まず日本語の普及が最初でしょう。 その後に、友好関係にある政府に日本語教育の強化を促し、やっと 傭兵の準備になると思います。
日本語圏世界会議

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