ヨハネの黙示録第11章〜第15章


   

第11章
:1)それから、わたしはつえのような測りざおを与えられて、こう命
じられた、「さあ立って、神の聖所と祭壇と、そこで礼拝している人々
とを、測りなさい。
:2)聖所の外の庭はそのままにしておきなさい。それを測ってはなら
ない。そこは異邦人に与えられた所だから。彼らは、四十二か月の間
この聖なる都を踏みにじるであろう。
:3)そしてわたしは、わたしのふたりの証人に、荒布を着て、千二百
六十日のあいだ預言することを許そう」。
:4)彼らは、全地の主のみまえに立っている二本のオリブの木、また
、二つの燭台である。
:5)もし彼らに害を加えようとする者があれば、彼らの口から火が出
て、その敵を滅ぼすであろう。もし彼らに害を加えようとする者があ
れば、その者はこのように殺されねばならない。
:6)預言をしている期間、彼らは、天を閉じて雨を降らせないように
する力を持っている。さらにまた、水を血に変え、何度でも思うまま
に、あらゆる災害で地を打つ力を持っている。
:7)そして、彼らがそのあかしを終えると、底知れぬ所からのぼって
来る獣が、彼らと戦って打ち勝ち、彼らを殺す。
:8)彼らの死体はソドムや、エジプトにたとえられている大いなる都
の大通りにさらされる。彼らの主も、この都で十字架につけられたの
である。
:9)いろいろな民族、部族、国語、国民に属する人々が、三日半の間
、彼らの死体をながめるが、その死体を墓に納めることは許さない。
:10)地に住む人々は、彼らのことで喜び楽しみ、互に贈り物をしあう
。このふたりの預言者は、地に住む者たちを悩ましたからである。
:11)三日半の後、いのちの息が、神から出て彼らの中にはいり、そし
て、彼らが立ち上がったので、それを見た人々は非常な恐怖に襲われ
た。
:12)その時、天から大きな声がして、「ここに上ってきなさい」と言
うのを、彼らは聞いた。そして、彼らは雲に乗って天に上った。彼ら
の敵はそれを見た。
:13)この時、大地震が起って、都の十分の一は倒れ、その地震で七千
人が死に、生き残った人々は驚き恐れて、天の神に栄光を帰した。
:14)第二のわざわいは、過ぎ去った。見よ、第三のわざわいがすぐに
来る。
:15)第七の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、大きな声々が天
に起って言った、「この世の国は、われらの主とそのキリストとの国
となった。主は世々限りなく支配なさるであろう」。
:16)そして、神のみまえで座についている二十四人の長老は、ひれ伏
し、神を拝して言った、
:17)「今いまし、昔いませる、全能者にして主なる神よ。大いなる御
力をふるって支配なさったことを、感謝します。
:18)諸国民は怒り狂いましたが、あなたも怒りをあらわされました。
そして、死人をさばき、あなたの僕なる/預言者、聖徒、小さき者も
、大いなる者も、すべて御名をおそれる者たちに報いを与え、また、
地を滅ぼす者どもを滅ぼして下さる時がきました」。
:19)そして、天にある神の聖所が開けて、聖所の中に契約の箱が見え
た。また、いなずまと、もろもろの声と、雷鳴と、地震とが起り、大粒
の雹が降った。 

第12章
:1)また、大いなるしるしが天に現れた。ひとりの女が太陽を着て、
足の下に月を踏み、その頭に十二の星の冠をかぶっていた。
:2)この女は子を宿しており、産みの苦しみと悩みとのために、泣き
叫んでいた。
:3)また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、大きな、赤い龍が
いた。それに七つの頭と十の角とがあり、その頭に七つの冠をかぶっ
ていた。
:4)その尾は天の星の三分の一を掃き寄せ、それらを地に投げ落した
。龍は子を産もうとしている女の前に立ち、生れたなら、その子を食
い尽そうとかまえていた。
:5)女は男の子を産んだが、彼は鉄のつえをもってすべての国民を治
めるべき者である。この子は、神のみもとに、その御座のところに、
引き上げられた。
:6)女は荒野へ逃げて行った。そこには、彼女が千二百六十日のあい
だ養われるように、神の用意された場所があった。
:7)さて、天では戦いが起った。ミカエルとその御使たちとが、龍と
戦ったのである。龍もその使たちも応戦したが、
:8)勝てなかった。そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった。
:9)この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界
を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろとも
に投げ落された。
:10)その時わたしは、大きな声が天でこう言うのを聞いた、「今や
、われらの神の救と力と国と、神のキリストの権威とは、現れた。
われらの兄弟らを訴える者、夜昼われらの神のみまえで彼らを訴える
者は、投げ落された。
:11)兄弟たちは、小羊の血と彼らのあかしの言葉とによって、彼に
うち勝ち、死に至るまでもそのいのちを惜しまなかった。
:12)それゆえに、天とその中に住む者たちよ、大いに喜べ。しかし、
地と海よ、おまえたちはわざわいである。悪魔が、自分の時が短いの
を知り、激しい怒りをもって、おまえたちのところに下ってきたから
である」。
:13)龍は、自分が地上に投げ落されたと知ると、男子を産んだ女を
追いかけた。
:14)しかし、女は自分の場所である荒野に飛んで行くために、大き
なわしの二つの翼を与えられた。そしてそこでへびからのがれて、
一年、二年、また、半年の間、養われることになっていた。
:15)へびは女の後に水を川のように、口から吐き出して、女をおし流
そうとした。
:16)しかし、地は女を助けた。すなわち、地はその口を開いて、龍が
口から吐き出した川を飲みほした。
:17)龍は、女に対して怒りを発し、女の残りの子ら、すなわち、神の
戒めを守り、イエスのあかしを持っている者たちに対して、戦いをい
どむために、出て行った。
:18)そして、海の砂の上に立った。 

第13章
:1)わたしはまた、一匹の獣が海から上って来るのを見た。それには
角が十本、頭が七つあり、それらの角には十の冠があって、頭には神
を汚す名がついていた。
:2)わたしの見たこの獣はひょうに似ており、その足はくまの足のよ
うで、その口はししの口のようであった。龍は自分の力と位と大いな
る権威とを、この獣に与えた。
:3)その頭の一つが、死ぬほどの傷を受けたが、その致命的な傷もな
おってしまった。そこで、全地の人々は驚きおそれて、その獣に従い、
:4)また、龍がその権威を獣に与えたので、人々は龍を拝み、さらに
、その獣を拝んで言った、「だれが、この獣に匹敵し得ようか。だれ
が、これと戦うことができようか」。
:5)この獣には、また、大言を吐き汚しごとを語る口が与えられ、
四十二か月のあいだ活動する権威が与えられた。
:6)そこで、彼は口を開いて神を汚し、神の御名と、その幕屋、すな
わち、天に住む者たちとを汚した。
:7)そして彼は、聖徒に戦いをいどんでこれに勝つことを許され、
さらに、すべての部族、民族、国語、国民を支配する権威を与えられ
た。
:8)地に住む者で、ほふられた小羊のいのちの書に、その名を世の初
めからしるされていない者はみな、この獣を拝むであろう。
:9)耳のある者は、聞くがよい。
:10)とりこになるべき者は、とりこになっていく。つるぎで殺す者
は、自らもつるぎで殺されねばならない。ここに、聖徒たちの忍耐と
信仰とがある。
:11)わたしはまた、ほかの獣が地から上って来るのを見た。それに
は小羊のような角が二つあって、龍のように物を言った。
:12)そして、先の獣の持つすべての権力をその前で働かせた。また
、地と地に住む人々に、致命的な傷がいやされた先の獣を拝ませた。
:13)また、大いなるしるしを行って、人々の前で火を天から地に降
らせることさえした。
:14)さらに、先の獣の前で行うのを許されたしるしで、地に住む人
々を惑わし、かつ、つるぎの傷を受けてもなお生きている先の獣の像
を造ることを、地に住む人々に命じた。
:15)それから、その獣の像に息を吹き込んで、その獣の像が物を言
うことさえできるようにし、また、その獣の像を拝まない者をみな殺
させた。
:16)また、小さき者にも、大いなる者にも、富める者にも、貧しき
者にも、自由人にも、奴隷にも、すべての人々に、その右の手あるい
は額に刻印を押させ、
:17)この刻印のない者はみな、物を買うことも売ることもできない
ようにした。この刻印は、その獣の名、または、その名の数字のこと
である。
:18)ここに、知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解く
がよい。その数字とは、人間をさすものである。そして、その数字は
六百六十六である。 

第14章
:1)なお、わたしが見ていると、見よ、小羊がシオンの山に立ってい
た。また、十四万四千の人々が小羊と共におり、その額に小羊の名と
その父の名とが書かれていた。
:2)またわたしは、大水のとどろきのような、激しい雷鳴のような声
が、天から出るのを聞いた。わたしの聞いたその声は、琴をひく人が
立琴をひく音のようでもあった。
:3)彼らは、御座の前、四つの生き物と長老たちとの前で、新しい歌
を歌った。この歌は、地からあがなわれた十四万四千人のほかは、
だれも学ぶことができなかった。
:4)彼らは、女にふれたことのない者である。彼らは、純潔な者であ
る。そして、小羊の行く所へは、どこへでもついて行く。彼らは、神
と小羊とにささげられる初穂として、人間の中からあがなわれた者で
ある。
:5)彼らの口には偽りがなく、彼らは傷のない者であった。
:6)わたしは、もうひとりの御使が中空を飛ぶのを見た。彼は地に住
む者、すなわち、あらゆる国民、部族、国語、民族に宣べ伝えるため
に、永遠の福音をたずさえてきて、
:7)大声で言った、「神をおそれ、神に栄光を帰せよ。神のさばきの
時がきたからである。天と地と海と水の源とを造られたかたを、伏し
拝め」。
:8)また、ほかの第二の御使が、続いてきて言った、「倒れた、大い
なるバビロンは倒れた。その不品行に対する激しい怒りのぶどう酒を
、あらゆる国民に飲ませた者」。
:9)ほかの第三の御使が彼らに続いてきて、大声で言った、「おおよ
そ、獣とその像とを拝み、額や手に刻印を受ける者は、
:10)神の怒りの杯に混ぜものなしに盛られた、神の激しい怒りのぶど
う酒を飲み、聖なる御使たちと小羊との前で、火と硫黄とで苦しめら
れる。
:11)その苦しみの煙は世々限りなく立ちのぼり、そして、獣とその像
とを拝む者、また、だれでもその名の刻印を受けている者は、昼も夜も
休みが得られない。
:12)ここに、神の戒めを守り、イエスを信じる信仰を持ちつづける聖
徒の忍耐がある」。
:13)またわたしは、天からの声がこう言うのを聞いた、「書きしるせ
、『今から後、主にあって死ぬ死人はさいわいである』」。御霊も言う
、「しかり、彼らはその労苦を解かれて休み、そのわざは彼らについて
いく」。
:14)また見ていると、見よ、白い雲があって、その雲の上に人の子の
ような者が座しており、頭には金の冠をいただき、手には鋭いかまを
持っていた。
:15)すると、もうひとりの御使が聖所から出てきて、雲の上に座して
いる者にむかって大声で叫んだ、「かまを入れて刈り取りなさい。地
の穀物は全く実り、刈り取るべき時がきた」。
:16)雲の上に座している者は、そのかまを地に投げ入れた。すると
、地のものが刈り取られた。
:17)また、もうひとりの御使が、天の聖所から出てきたが、彼もま
た鋭いかまを持っていた。
:18)さらに、もうひとりの御使で、火を支配する権威を持っている
者が、祭壇から出てきて、鋭いかまを持つ御使にむかい、大声で言っ
た、「その鋭いかまを地に入れて、地のぶどうのふさを刈り集めなさ
い。ぶどうの実がすでに熟しているから」。
:19)そこで、御使はそのかまを地に投げ入れて、地のぶどうを刈り
集め、神の激しい怒りの大きな酒ぶねに投げ込んだ。
:20)そして、その酒ぶねが都の外で踏まれた。すると、血が酒ぶね
から流れ出て、馬のくつわにとどくほどになり、一千六百丁にわたっ
てひろがった。 

第15章
:1)またわたしは、天に大いなる驚くべきほかのしるしを見た。七人
の御使が、最後の七つの災害を携えていた。これらの災害で神の激し
い怒りがその頂点に達するのである。
:2)またわたしは、火のまじったガラスの海のようなものを見た。
そして、このガラスの海のそばに、獣とその像とその名の数字とにう
ち勝った人々が、神の立琴を手にして立っているのを見た。
:3)彼らは、神の僕モーセの歌と小羊の歌とを歌って言った、「全能
者にして主なる神よ。あなたのみわざは、大いなる、また驚くべきも
のであります。万民の王よ、あなたの道は正しく、かつ真実でありま
す。
:4)主よ、あなたをおそれず、御名をほめたたえない者が、ありまし
ょうか。あなただけが聖なるかたであり、あらゆる国民はきて、あな
たを伏し拝むでしょう。あなたの正しいさばきが、あらわれるに至っ
たからであります」。
:5)その後、わたしが見ていると、天にある、あかしの幕屋の聖所が
開かれ、
:6)その聖所から、七つの災害を携えている七人の御使が、汚れのな
い、光り輝く亜麻布を身にまとい、金の帯を胸にしめて、出てきた。
:7)そして、四つの生き物の一つが、世々限りなく生きておられる神
の激しい怒りの満ちた七つの金の鉢を、七人の御使に渡した。
:8)すると、聖所は神の栄光とその力とから立ちのぼる煙で満たされ
、七人の御使の七つの災害が終ってしまうまでは、だれも聖所にはい
ることができなかった。 
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