ヨハネの黙示録第1章〜第5章


   

第1章
:1)イエス・キリストの黙示。この黙示は、神が、すぐにも起るべき
ことをその僕たちに示すためキリストに与え、そして、キリストが、
御使をつかわして、僕ヨハネに伝えられたものである。 
:2)ヨハネは、神の言とイエス・キリストのあかしと、すなわち、
自分が見たすべてのことをあかしした。 
:3)この預言の言葉を朗読する者と、これを聞いて、その中に書かれ
ていることを守る者たちとは、さいわいである。時が近づいているか
らである。 
:4)ヨハネからアジヤにある七つの教会へ。今いまし、昔いまし、や
がてきたるべきかたから、また、その御座の前にある七つの霊から、
:5)また、忠実な証人、死人の中から最初に生れた者、地上の諸王
の支配者であるイエス・キリストから、恵みと平安とが、あなたがた
にあるように。わたしたちを愛し、その血によってわたしたちを罪か
ら解放し、
:6)わたしたちを、その父なる神のために、御国の民とし、祭司とし
て下さったかたに、世々限りなく栄光と権力とがあるように、アァメ
ン。
:7)見よ、彼は、雲に乗ってこられる。すべての人の目、ことに、彼
を刺しとおした者たちは、彼を仰ぎ見るであろう。また地上の諸族は
みな、彼のゆえに胸を打って嘆くであろう。しかり、アァメン。
:8)今いまし、昔いまし、やがてきたるべき者、全能者にして主なる
神が仰せになる、「わたしはアルパであり、オメガである」。 
:9)あなたがたの兄弟であり、共にイエスの苦難と御国と忍耐とにあ
ずかっている、わたしヨハネは、神の言とイエスのあかしとのゆえに
、パトモスという島にいた。
:10)ところが、わたしは、主の日に御霊に感じた。そして、わたし
のうしろの方で、ラッパのような大きな声がするのを聞いた。
:11)その声はこう言った、「あなたが見ていることを書きものにして
、それをエペソ、スミルナ、ペルガモ、テアテラ、サルデス、ヒラデ
ルヒヤ、ラオデキヤにある七つの教会に送りなさい」。
:12)そこでわたしは、わたしに呼びかけたその声を見ようとしてふり
むいた。ふりむくと、七つの金の燭台が目についた。
:13)それらの燭台の間に、足までたれた上着を着、胸に金の帯をしめ
ている人の子のような者がいた。
:14)そのかしらと髪の毛とは、雪のように白い羊毛に似て真白であり
、目は燃える炎のようであった。
:15)その足は、炉で精錬されて光り輝くしんちゅうのようであり、声
は大水のとどろきのようであった。
:16)その右手に七つの星を持ち、口からは、鋭いもろ刃のつるぎがつ
き出ており、顔は、強く照り輝く太陽のようであった。
:17)わたしは彼を見たとき、その足もとに倒れて死人のようになった
。すると、彼は右手をわたしの上において言った、「恐れるな。わた
しは初めであり、終りであり、
:18)また、生きている者である。わたしは死んだことはあるが、見よ
、世々限りなく生きている者である。そして、死と黄泉とのかぎを持
っている。
:19)そこで、あなたの見たこと、現在のこと、今後起ろうとすること
を、書きとめなさい。
:20)あなたがわたしの右手に見た七つの星と、七つの金の燭台との奥
義は、こうである。すなわち、七つの星は七つの教会の御使であり、
七つの燭台は七つの教会である。 

第2章
:1)エペソにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『右の手に
七つの星を持つ者、七つの金の燭台の間を歩く者が、次のように言わ
れる。
:2)わたしは、あなたのわざと労苦と忍耐とを知っている。また、あ
なたが、悪い者たちをゆるしておくことができず、使徒と自称しては
いるが、その実、使徒でない者たちをためしてみて、にせ者であると
見抜いたことも、知っている。
:3)あなたは忍耐をし続け、わたしの名のために忍びとおして、弱り
果てることがなかった。
:4)しかし、あなたに対して責むべきことがある。あなたは初めの愛
から離れてしまった。
:5)そこで、あなたはどこから落ちたかを思い起し、悔い改めて初め
のわざを行いなさい。もし、そうしないで悔い改めなければ、わたし
はあなたのところにきて、あなたの燭台をその場所から取りのけよう
。
:6)しかし、こういうことはある。あなたはニコライ宗の人々のわざ
を憎んでおり、わたしもそれを憎んでいる。
:7)耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい。勝利を得
る者には、神のパラダイスにあるいのちの木の実を食べることをゆる
そう』。
:8)スミルナにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『初めで
あり、終りである者、死んだことはあるが生き返った者が、次のよう
に言われる。
:9)わたしは、あなたの苦難や、貧しさを知っている(しかし実際は
、あなたは富んでいるのだ)。また、ユダヤ人と自称してはいるが、
その実ユダヤ人でなくてサタンの会堂に属する者たちにそしられてい
ることも、わたしは知っている。
:10)あなたの受けようとする苦しみを恐れてはならない。見よ、悪魔
が、あなたがたのうちのある者をためすために、獄に入れようとしてい
る。あなたがたは十日の間、苦難にあうであろう。死に至るまで忠実
であれ。そうすれば、いのちの冠を与えよう。
:11)耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい。勝利を得
る者は、第二の死によって滅ぼされることはない』。
:12)ペルガモにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『鋭い
もろ刃のつるぎを持っているかたが、次のように言われる。
:13)わたしはあなたの住んでいる所を知っている。そこにはサタンの
座がある。あなたは、わたしの名を堅く持ちつづけ、わたしの忠実な
証人アンテパスがサタンの住んでいるあなたがたの所で殺された時で
さえ、わたしに対する信仰を捨てなかった。
:14)しかし、あなたに対して責むべきことが、少しばかりある。あな
たがたの中には、現にバラムの教を奉じている者がある。バラムは、
バラクに教え込み、イスラエルの子らの前に、つまずきになるものを
置かせて、偶像にささげたものを食べさせ、また不品行をさせたので
ある。
:15)同じように、あなたがたの中には、ニコライ宗の教を奉じている
者もいる。
:16)だから、悔い改めなさい。そうしないと、わたしはすぐにあなた
のところに行き、わたしの口のつるぎをもって彼らと戦おう。
:17)耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい。勝利を得
る者には、隠されているマナを与えよう。また、白い石を与えよう。
この石の上には、これを受ける者のほかだれも知らない新しい名が書
いてある』。
:18)テアテラにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『燃える
炎のような目と光り輝くしんちゅうのような足とを持った神の子が、
次のように言われる。
:19)わたしは、あなたのわざと、あなたの愛と信仰と奉仕と忍耐とを
知っている。また、あなたの後のわざが、初めのよりもまさっている
ことを知っている。
:20)しかし、あなたに対して責むべきことがある。あなたは、あの
イゼベルという女を、そのなすがままにさせている。この女は女預言
者と自称し、わたしの僕たちを教え、惑わして、不品行をさせ、偶像
にささげたものを食べさせている。
:21)わたしは、この女に悔い改めるおりを与えたが、悔い改めてその
不品行をやめようとはしない。
:22)見よ、わたしはこの女を病の床に投げ入れる。この女と姦淫する
者をも、悔い改めて彼女のわざから離れなければ、大きな患難の中に
投げ入れる。
:23)また、この女の子供たちをも打ち殺そう。こうしてすべての教会
は、わたしが人の心の奥底までも探り知る者であることを悟るであろ
う。そしてわたしは、あなたがたひとりびとりのわざに応じて報いよ
う。
:24)また、テアテラにいるほかの人たちで、まだあの女の教を受けて
おらず、サタンの、いわゆる「深み」を知らないあなたがたに言う。
わたしは別にほかの重荷を、あなたがたに負わせることはしない。
:25)ただ、わたしが来る時まで、自分の持っているものを堅く保って
いなさい。
:26)勝利を得る者、わたしのわざを最後まで持ち続ける者には、諸国
民を支配する権威を授ける。
:27)彼は鉄のつえをもって、ちょうど土の器を砕くように、彼らを治
めるであろう。それは、わたし自身が父から権威を受けて治めるのと
同様である。
:28)わたしはまた、彼に明けの明星を与える。
:29)耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい』。 

第3章
:1)サルデスにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『神の七
つの霊と七つの星とを持つかたが、次のように言われる。わたしはあ
なたのわざを知っている。すなわち、あなたは、生きているというの
は名だけで、実は死んでいる。
:2)目をさましていて、死にかけている残りの者たちを力づけなさい。
わたしは、あなたのわざが、わたしの神のみまえに完全であるとは見
ていない。
:3)だから、あなたが、どのようにして受けたか、また聞いたかを思
い起して、それを守りとおし、かつ悔い改めなさい。もし目をさまし
ていないなら、わたしは盗人のように来るであろう。どんな時にあな
たのところに来るか、あなたには決してわからない。
:4)しかし、サルデスにはその衣を汚さない人が、数人いる。彼らは
白い衣を着て、わたしと共に歩みを続けるであろう。彼らは、それに
ふさわしい者である。
:5)勝利を得る者は、このように白い衣を着せられるのである。わた
しは、その名をいのちの書から消すようなことを、決してしない。
また、わたしの父と御使たちの前で、その名を言いあらわそう。
:6)耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい』。
:7)ヒラデルヒヤにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『聖
なる者、まことなる者、ダビデのかぎを持つ者、開けばだれにも閉じ
られることがなく、閉じればだれにも開かれることのない者が、次の
ように言われる。
:8)わたしは、あなたのわざを知っている。見よ、わたしは、あなた
の前に、だれも閉じることのできない門を開いておいた。なぜなら、
あなたには少ししか力がなかったにもかかわらず、わたしの言葉を守
り、わたしの名を否まなかったからである。
:9)見よ、サタンの会堂に属する者、すなわち、ユダヤ人と自称して
はいるが、その実ユダヤ人でなくて、偽る者たちに、こうしよう。見
よ、彼らがあなたの足もとにきて平伏するようにし、そして、わたし
があなたを愛していることを、彼らに知らせよう。
:10)忍耐についてのわたしの言葉をあなたが守ったから、わたしも、
地上に住む者たちをためすために、全世界に臨もうとしている試錬の
時に、あなたを防ぎ守ろう。
:11)わたしは、すぐに来る。あなたの冠がだれにも奪われないよう
に、自分の持っているものを堅く守っていなさい。
:12)勝利を得る者を、わたしの神の聖所における柱にしよう。彼は
決して二度と外へ出ることはない。そして彼の上に、わたしの神の
御名と、わたしの神の都、すなわち、天とわたしの神のみもとから下
ってくる新しいエルサレムの名と、わたしの新しい名とを、書きつけ
よう。 :13)耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい』。
:14)ラオデキヤにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『アァ
メンたる者、忠実な、まことの証人、神に造られたものの根源である
かたが、次のように言われる。
:15)わたしはあなたのわざを知っている。あなたは冷たくもなく、熱
くもない。むしろ、冷たいか熱いかであってほしい。
:16)このように、熱くもなく、冷たくもなく、なまぬるいので、あな
たを口から吐き出そう。
:17)あなたは、自分は富んでいる。豊かになった、なんの不自由もな
いと言っているが、実は、あなた自身がみじめな者、あわれむべき者
、貧しい者、目の見えない者、裸な者であることに気がついていない。
:18)そこで、あなたに勧める。富む者となるために、わたしから火で
精錬された金を買い、また、あなたの裸の恥をさらさないため身に着
けるように、白い衣を買いなさい。また、見えるようになるため、目
にぬる目薬を買いなさい。
:19)すべてわたしの愛している者を、わたしはしかったり、懲らしめ
たりする。だから、熱心になって悔い改めなさい。
:20)見よ、わたしは戸の外に立って、たたいている。だれでもわたし
の声を聞いて戸をあけるなら、わたしはその中にはいって彼と食を共
にし、彼もまたわたしと食を共にするであろう。
:21)勝利を得る者には、わたしと共にわたしの座につかせよう。それ
はちょうど、わたしが勝利を得てわたしの父と共にその御座についた
のと同様である。
:22)耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい』」。 

第4章
:1)その後、わたしが見ていると、見よ、開いた門が天にあった。そ
して、さきにラッパのような声でわたしに呼びかけるのを聞いた初め
の声が、「ここに上ってきなさい。そうしたら、これから後に起るべ
きことを、見せてあげよう」と言った。
:2)すると、たちまち、わたしは御霊に感じた。見よ、御座が天に設
けられており、その御座にいますかたがあった。
:3)その座にいますかたは、碧玉や赤めのうのように見え、また、
御座のまわりには、緑玉のように見えるにじが現れていた。
:4)また、御座のまわりには二十四の座があって、二十四人の長老が
白い衣を身にまとい、頭に金の冠をかぶって、それらの座についてい
た。
:5)御座からは、いなずまと、もろもろの声と、雷鳴とが、発してい
た。また、七つのともし火が、御座の前で燃えていた。これらは、神
の七つの霊である。
:6)御座の前は、水晶に似たガラスの海のようであった。御座のそば
近くそのまわりには、四つの生き物がいたが、その前にも後にも、
一面に目がついていた。
:7)第一の生き物はししのようであり、第二の生き物は雄牛のようで
あり、第三の生き物は人のような顔をしており、第四の生き物は飛ぶ
わしのようであった。
:8)この四つの生き物には、それぞれ六つの翼があり、その翼のまわ
りも内側も目で満ちていた。そして、昼も夜も、絶え間なくこう叫び
つづけていた、「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、全能者にし
て主なる神。昔いまし、今いまし、やがてきたるべき者」。
:9)これらの生き物が、御座にいまし、かつ、世々限りなく生きてお
られるかたに、栄光とほまれとを帰し、また、感謝をささげている時、
:10)二十四人の長老は、御座にいますかたのみまえにひれ伏し、
世々限りなく生きておられるかたを拝み、彼らの冠を御座のまえに、
投げ出して言った、
:11)「われらの主なる神よ、あなたこそは、栄光とほまれと力とを受
けるにふさわしいかた。あなたは万物を造られました。御旨によって
、万物は存在し、また造られたのであります」。 

第5章
:1)わたしはまた、御座にいますかたの右の手に、巻物があるのを見
た。その内側にも外側にも字が書いてあって、七つの封印で封じてあ
った。
:2)また、ひとりの強い御使が、大声で、「その巻物を開き、封印を
とくのにふさわしい者は、だれか」と呼ばわっているのを見た。
:3)しかし、天にも地にも地の下にも、この巻物を開いて、それを見
ることのできる者は、ひとりもいなかった。
:4)巻物を開いてそれを見るのにふさわしい者が見当らないので、わ
たしは激しく泣いていた。
:5)すると、長老のひとりがわたしに言った、「泣くな。見よ、ユダ
族のしし、ダビデの若枝であるかたが、勝利を得たので、その巻物を
開き七つの封印を解くことができる」。
:6)わたしはまた、御座と四つの生き物との間、長老たちの間に、
ほふられたとみえる小羊が立っているのを見た。それに七つの角と七
つの目とがあった。これらの目は、全世界につかわされた、神の七つ
の霊である。
:7)小羊は進み出て、御座にいますかたの右の手から、巻物を受けと
った。
:8)巻物を受けとった時、四つの生き物と二十四人の長老とは、おの
おの、立琴と、香の満ちている金の鉢とを手に持って、小羊の前にひ
れ伏した。この香は聖徒の祈である。
:9)彼らは新しい歌を歌って言った、「あなたこそは、その巻物を受
けとり、封印を解くにふさわしいかたであります。あなたはほふられ
、その血によって、神のために、あらゆる部族、国語、民族、国民の
中から人々をあがない、
:10)わたしたちの神のために、彼らを御国の民とし、祭司となさい
ました。彼らは地上を支配するに至るでしょう」。
:11)さらに見ていると、御座と生き物と長老たちとのまわりに、多
くの御使たちの声が上がるのを聞いた。その数は万の幾万倍、千の幾
千倍もあって、
:12)大声で叫んでいた、「ほふられた小羊こそは、力と、富と、知恵
と、勢いと、ほまれと、栄光と、さんびとを受けるにふさわしい」。
:13)またわたしは、天と地、地の下と海の中にあるすべての造られた
もの、そして、それらの中にあるすべてのものの言う声を聞いた、「
御座にいますかたと小羊とに、さんびと、ほまれと、栄光と、権力と
が、世々限りなくあるように」。
:14)四つの生き物はアァメンと唱え、長老たちはひれ伏して礼拝した。
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