西部警察を観る! PART2 1〜20話

話数 副題 内容・感想 監督/脚本 壊れた車(内爆破) 死者
1 大門軍団・激闘再び 小澤啓一/新井光
2 大都会に舞う男

オキの階級は警部だった。将来、警察庁幹部のイスを保証されていたが、それを棒に振って所轄である西部署に配属を希望し実現したのだった。
捜査課内がその話で持ちきりだったその時、銀行強盗が発生。覆面の3人組が10億円近い金を持って逃走。計画的な犯行であった。しかし、警官との銃撃戦で1人が負傷。そして、負傷した仲間を助けるために、総合病院へ立てこもる。
犯人は血液を要求。大門軍団はそのチャンスを狙って強行突破をするが失敗してしまう。そして犯人達はヘリの逃走計画を立てる。先の強行突破の時に残した無線で、大門達はその計画を知る。大門はおとり作戦を計画。その危険な任務をオキに任せる。

●犯人が病院に立てこもったときの人質の説明で、人質を一人一人映してナレーションを加えている。これが意外に画面に緊張感を増していた。
●ヘリの中に、看護婦の人質を一人乗せてしまう。それだけでドラマの緊迫感が強調する。更にヘリの中(オキの危険な駆け引き)とヘリの外(ヘリを追いかける大門軍団)との平行モンタージュが、迫力を増している。
●最後、大門が犯人を撃って、オキへショットガンを投げ渡す一連のシーンを、スロ−モーションで表現したのは適切でかっこいい。

小澤啓一/峯尾基三 3(0) 3
3 生命ある限り

街中で突然、イッペイが撃たれる事件が発生。幸いにも怪我は大したことなかった。しかし犯人の手がかりが全くつかめないまま、捜査中に今度はジョーが撃たれてしまう。
犯行に使われた拳銃は、粗悪なCRS拳銃であることが発覚。オキはその拳銃を売りさばいた死刑囚・川田に面会するために、刑務所へ行く。実は1年前にオキ川田にCRSで撃たれている。その時被弾した弾が摘出できず、オキの体の中に残って、しかも粗悪な鉛の為に自分の体を蝕んでいた。その事実をオキ本人は知っていたが、誰にも秘密にしていたのだった。
犯人からオキに脅迫電話がかかる。川田の釈放を要求。更にアコの勤める保育園の園児が誘拐される。大門川田の釈放に応じようとした時、オキは大反対。なぜか異常な執念を燃やす。
その執念を不審に思った木暮課長は、オキが1年前に川田に撃たれたときに運ばれた病院へ行き、オキの命が後半年ということを知る。その事実を大門に知らせる。

●最初に大門軍団一人一人を、パシャッというシャッター音にかぶって、ストップモーションになるという出だしは、意外でいきなり画面に引きつけられる。またアコもその中に含まれていることが、更に物語に深みをつけている。(これは後の伏線として重要となる)
●オキが今回は体を張ったスタントのシーンが多く見られる。特に火だるま(と言うほどではないが)のアクションとカーアクションは、ノースタントで撮影にも力が入っていたのが画面を通して伝わってくる。
●1・2・3話で出てきたオキの回想の謎が今回で明らかにされる。謎解きの観点で見るとよく考えられている。前ふりもしつこくなく、かと言ってあっさりというわけでもなかったので、シナリオ的には成功だろう。またオキの迫真の演技も見事であった。
●船のクライマックスでは、カメラの配置の関係上ほとんどが手持ちカメラになっているが、これがかえって緊迫感を演出する効果に繋がっている。
●そのクライマックスを締めくくったのは、大門が船を使って登場という、意外でしかもおいしすぎると言ってもいいくらいの登場であった。

渡辺拓也/大野武雄 1(0) 0
4 殺しのキーワード 渡辺拓也/宮下潤一
5 消えた身代金 宮越登/宮田雪
6 あいつは予言者 宮越登/那須真知子
7 狙われた天使 澤田幸弘/永海秀国・新井光
8 暁の決断 渡辺拓也/大野武雄
9 渡辺拓也/峯尾基三
10 大追跡!! 静岡市街戦 小澤啓一/新井光・宮下潤一
11 大激闘!! 浜名湖決戦 小澤啓一/新井光・宮下潤一
12 10年目の疑惑 澤田幸弘/宮田雪
13 俺の愛したマリヤ 宮越登/大野武雄
14 男たちの絆

二宮係長の友人が昇進する。居酒屋でそれを祝うが、話題は二宮の退職・転職の話に及ぶ。しかし二宮は頑としてそれを受け付けなかった。だが、危険な刑事の職に対して、自分の体力が限界であることは二宮自身が一番分かっていた。
二宮が帰宅中に偶然、殺人事件の現場を目撃。指紋から笠松の名が浮かぶ。笠松は全国指名手配の人物だった。二宮はそれを知るとすぐに、独りで笠松の身辺を洗い出す。
二宮の異常とも言える行動対して、不審に思ったゲンさん(浜刑事)は、二宮笠松の関係を調べる。実は二宮は昔、城東署時代、二宮自身の責任で笠松を逮捕し損なったという苦い過去があった。そのことを大門も知る。二宮は、自分の手で笠松を逮捕して刑事生活にピリオドを打つべく、執拗に笠松を追っていたのだった。
一方、二宮は本庁に退職届を出していた。そして最後の捜査として、老いた体に鞭を撃って、必死で笠松逮捕に執念を燃やす。

●二宮係長が愚痴ってカド屋に入るシーンで、二宮はしばらくの愚痴の後、カメラがパンすると実は陰に木暮課長がいた。これは意外性があっておもしろい。しかも木暮課長は常連なので、無理なく二宮の苦悩を知ることになる。これは全然不自然ではない。
●二宮の初の本格アクションがすごい! 体を張っている二宮の勇姿が観られる回で、かなり貴重。しかも最後だけに演技にも力が入っている。
●二宮御用達の情報屋・トラ吉が鉄道ガード下で撃たれる瞬間、いいタイミングで電車の音がかぶって聞こえる。偶然かわざとか分からないが、画面に緊迫感が出ていて良かった。
●今回は二宮係長退職の話で、ストーリー全体も、二宮係長役の庄司永建さんへのはなむけの回だったとも言える。そのため少しドラマに無理のある展開があったことは否定しないが、スタッフ全員で庄司さんへのねぎらいが、画面を通して感じられる。
 (ところで二宮が笠松を逮捕する瞬間、庄司さんの力の入った演技に、笠松役の方はどうしたらいいのか困った顔をしていたような気もする……)

宮越登/宮田雪 0(0) 4?
15 ニューフェイス!! 西部機動軍団 澤田幸弘/宮下潤一
16 追撃

物語はオキハトが、賭博の現場を押さえる現場から始まる。その時一緒に、麻薬と不法拳銃も押収する。一方、白昼堂々街中で拳銃をぶっ放す男が、大門軍団に押さえられる。この2つの事件で使われた拳銃は同一のフィリピン製の拳銃であった。
大門軍団の捜査で、松本という男が流したということが分かり、オキハトは、松本の住むアパートへ踏み込む。しかしこの時……なんと東部署の刑事が松本を傷害容疑で逮捕してしまう。まさにタッチの差! 
翌日、オキハトは、東部署へ松本の身柄を引き受けに赴く。ところが、松本に対する告訴が取り下げられたということを理由に、釈放してしまった後であった。そして釈放された松本はというと、ひき逃げにあって殺されてしまう。
大門は、この手際のいい犯行に際して、東部署刑事の服部がこの事件の犯人の一人であると睨んで、捜査を進める。案の定、大門の睨んだ通り、バックに義青会という右翼組織の存在が浮かび上がってくる……

●オキとハトが、コインの裏表で捜査の分担を決めるシーンが、2シーン出てくる。この時に使われたコインはピカピカの500円玉。時代を感じる。またその時、ハトが、戸のかまちに頭をぶつけるという気の利いたギャグも。
●松本の聞き込みシーンで、大門軍団一人ずつの聞き込み風景を望遠で撮って、そのまま、松本の写真をカメラの前にフレームインさせていた。非常に変わった演出で、おもしろい。
●車のボンネットに縛り付けて、自白させるという、ものすごい非道いことをしているように見える。しかしここは、オキとハトの2人の、退職覚悟の勝手な捜査をしようとしているという決意の固さを、うまく表現している。そこに2人の過激さが加わって、このような演出になったのだろう。

澤田幸弘/柏原寛司 1(0) 3
17 絶命!! 暴走トラック

イッペイが防衛隊同期の同窓会へ出席する。そこで怪しい2人組が、なんとイッペイを誘拐してしまう。その時一緒にイッペイと同期の仲間・山中の子ども(ケン坊)も誘拐される。
翌日になっても捜査課に出勤してこないイッペイ。それを不審に思った大門軍団は、調べでイッペイが何者かに誘拐されたということを知る。必死の捜査が始まる。
一方、誘拐されたイッペイケン坊。犯人はイッペイに、防衛隊武器庫へ一緒に潜入することを強要する。更に犯人は、ケン坊に時限爆弾を付けて、イッペイを脅迫する。目的はもちろん拳銃の盗難、そして拳銃密売の取引であった。
ところが、逃走の途中で、実行犯2人が仲間割れをして、1人が殺されてしまう。殺した方の犯人・柏木は、かまわずイッペイに犯行を遂行させる。しかしイッペイには、柏木がそんなに悪いヤツには思えなかった。
イッペイの睨んだ通り、柏木は自分の子どもに対してワケありの事情があったようだ……

●時限爆弾に繋がれたケン坊(イッペイの回想)と、それを助けようと、必死になって犯人の言うことを聞くイッペイの、平行モンタージュがドラマの緊迫感を増す。まず、ケン坊の映像が、結構残酷に描かれていて、観る者を引きつけてやまない。更に犯人の残酷さと、(後で分かるようになるが)柏木の優しさを、うまくここで引き出している。
●ケン坊の為にキレるイッペイの演技がすごい! それを表現するために、わざわざ暴走族(?)を持ってきてのカーアクションは、シナリオ的にはうまいと言える。
●イッペイが柏木のメモを、ケンカと見せかけて奪い取り、それをガソリンスタンドにさりげなく落とす。そしてスタンド員が警察に通報する流れが見事! しかも無理のない展開でうまい! 更に、それを柏木が気付いていて、ワザとそうさせたのだったと最後で分かる、というどんでん返しが心憎い!!
●今回はシナリオが緻密であったと言える話だった。

小澤啓一/宮下潤一 1(0) 2
18 広島市街パニック!! 渡辺拓也/柏原寛司
19 燃えろ!! 南十字星 渡辺拓也/永原秀一
20 明日への挑戦 小澤啓一/新井光
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