西部警察を語る!!

このページでは、作者が西部警察について、
何でも思いつくままに語ろうという勝手なコーナーです

西部警察とは!!  西部警察の見所!  オープニング考察

西部警察のジャンルは!? 正しい西部警察ごっこ 

西部の男たちの絆を示すもの


西部警察とは!!

『西部警察』は、石原プロが制作し、1979年10月から1984年10月までに
3シリーズにわたってテレビ朝日系で放送されました。
石原裕次郎さんをはじめ、渡哲也さんら石原軍団が勢揃い。
また、毎回、車の爆破シーンなど迫力あるシーンが満載で、高視聴率を呼んだそうです。
もちろん僕も、放映時、ほとんど観ていました。


西部警察の見所!

もう何と言っても車の爆発シーン! このドラマでは必ずといっていいほど車が壊れます。
なんてったっていきなりオープニングから車を壊していますから。
爽快の他に言葉が思いつかない激しさがあります。

それと、必ず一つの話に一回は、木暮課長(石原裕次郎)行きつけのバーが出てきて、
「お酒の味もー」という歌を聞かされるのも、見所の一つでしょうか。
ちなみにこれは『愛のゆくえ』という歌で、幸田薫さんが歌っているそうです。


オープニング考察(PART1・1〜30話)

西部警察のオープニングはとてもテンポがいいんですね。特にパート1(1〜30話)について。

このオープニングの構成は、
大門(渡哲也)が銃をぶっ放す、ゲンさん(刈谷俊介)が喫茶店(と思われる場所)からガラスを蹴破る、
パトカーが大爆発を起こすなど、激しい映像の一方で、
大門と妹のアッコ(古手川祐子)との優しいショット、首都高を流す警察カーのゆるやかなショット、
木暮課長(石原裕次郎)がゆっくりと埠頭を歩く雄大なショットなど、静かな映像ポンッと置いている。
この静と動の対比! 心憎い演出。
もし僕がオープニングを作るのなら、こういうものを作りたいもんですねぇ。
もうオープニングから見入っちゃうってのは納得がいくでしょう? すごいです。


西部警察のジャンルは!?

こう言われたら皆さんはもちろん「刑事ドラマ」と答えるでしょう。
しかしここでは西部警察の西部という語からちょっとした考察をしたいと思います。
西部警察の西部は、もちろん西部劇のメタファーを示しているのは想像に難くないと思います。

閑話休題。実は西部警察の物語の中で、「東部警察」が存在していることは、みなさんご存じでしょうか。(僕も何話だったか忘れましたが)
どうやら西部警察の物語世界は、東京を東西2分割して警察署を置いているようなのですね。
あぁ、だから西部署の捜査範囲がやたら広いわけですね。

さてさて、西部警察の「西部劇的要素」は何でしょうか。
銃撃戦でしょうか? もちろんそれも重要な要素です。しかしもっと西部劇の根本を考えてみましょう。
おそらくアウトローな人がいるということがこの西部警察を西部劇的たらしめているのではないでしょうか?
大門軍団は大門を初めとして、みんなどこかアウトローですよね。
もともと渡哲也さんは、日活アクション時代の時、アウトロー的だということを売り文句にしていました。
だから渡哲也さんあっての西部警察な訳ですね。

また当時の流行であった、刑事ドラマとやくざ映画を本当にうまく組み合わせていると思います。
西部警察は、実は西部劇、そして刑事ドラマとやくざ映画へのオマージュなのではないのでしょうか。
どれも有名なジャンルです。このように作って、面白くないわけがない!
だから、西部警察は、単なる刑事ドラマではありません。
その背後にある西部劇、やくざ映画、さらにアクション映画を意識して西部警察を観ると
、また違った楽しさが増えると思います。


正しい西部警察ごっこ

小さい頃、僕はいろいろと西部警察ごっこをしていたので、
ちょっとそのいくつかを紹介しましょう。
まずトミカのミニカーを何台も並べるんですね。
できれば後ろの方にはパトカーとバスを持ってきたい。
前の方にはできればセドリック系を。
なにをするかというと、西部警察のエンディングごっこですね。
これをする時は、必ずエンディングテーマを口ずさみます。
やはりごっこで一番簡単なのは、傘を使った大門のショットガンごっこですね。
これをやる際は、必ずオープニングテーマを口ずさまなければなりません。
通な人は、薬莢を出すという仕草もしてみます。

今回はですね、世間でよく思われていることですが、
「西部警察」は子供向けの番組ではないかと思われるという問題について考えます。
「西部警察」の熱さは、確かに特撮特警ものの熱さに通じるものがあります。
だから上のように、西部警察ごっこが流行るというのもうなずけるかもしれません。

あまり「西部警察」が好きでない方は、
「西部警察」の荒唐無稽さに腹を立てているのかもしれません。
しかし、「西部警察」は全然リアリティーを求めていません
そこにあるのは映画としてのアクションを重視しているということです。
観ていて気持ちがいい! これでいいじゃないですか!
「西部警察」は『物語性』よりも『映像性』を重視していることが重要です。
「西部警察」の場合は、もちろんアクションですね。
だからシナリオが陳腐というのは、この場合問題ではないわけです。

あくまで「西部警察」は「テレビ映画」として作られたと思うのです。
だから映画のように、現実とはつじつまが合わなくったっていいのですよ。
前回、僕は「西部警察」をただの刑事ドラマではなく、
刑事ドラマ、西部劇、ヤクザ映画、アクションものの合体型だと言いました。
だから逆に視聴者はこの荒唐無稽さを楽しめばよいのです。
このことを純粋に楽しめる人は、やはり子どもに多いのでしょう。
時として大人はひねくれモノが多いから…
だから西部警察についての掲示板にカキコする人は、
当時子どもだった方、今でいう20歳前後の方が多いのもうなずけます。


西部の男たちの絆を示すもの

激しいアクションの末に、無事犯人を逮捕。
安堵に胸を撫で下ろす大門軍団は、互いにタバコを吹かし始める。
特に大門とタバコの火を交換する光景に、一仕事を終えた男たちの安堵感のようなものが伝わってくる。

ここで‘大門と’と明記したところが今回重要なところなのです。
それがたとえどんなに大怪我をしようとも救急車の中であろうとも
この大門のタバコに火をつける(または大門が誰かのタバコに火をつける)という行為は、
西部警察の最後を締めくくるショットとしてかなり頻繁に登場します。
もっとすごい最後の締めとして、大門が自らのタバコに火をつけそれを吹かし、
そのタバコを一番の功労者に渡すという行為も何度かありました。(もちろんもらった功労者はそれを吹かします)
これがなされるときは、よほどの大事件・大仕事が終わった後に多いですね。
それだけの大門軍団のねぎらい度が、このタバコの吹かし方に現れているのわけです。
そしてこれは同時に、大門との絆を深めるということを表象しています。
逆に言うと、この大門との絆の深さはタバコによってうまく表現されるとも言えますね。

例えば先の、大門がタバコに火をつけ、一番の功労者に渡すという行為。
これが同じ渡すにしても、その話で何の関係の無かった刑事に渡したら変ですよね。
これで分かるように、このタバコを渡す行為に、大門のねぎらいと絆の深まった証が映像的に(セリフなしで)表現されていることに注目して下さい。
おそらく大門軍団の刑事たちは、大門からタバコに火をつけてもらう、または大門の吹かしたタバコをもらうために、体を張っているのかも……という想像さえ働きます。
それだけタバコが、ここでは単にかっこいいだけではなく、象徴的に使われていることはおもしろいと言えます。
ちなみに作者の僕はタバコが吸えないので、すでに大門軍団失格と言えます……


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