児童福祉施設のこれからを考える

「子供のウェルビーイングと児童福祉施設」

1.ケア単位の小規模化
処遇の個別化。施設内ケアそのものの小規模化。ケア単位の小規模化に当たって、職員の配置基準の向上による職員一人あたりの子供数を減少させる。施設内及び施設分園型グループホームを普及させていく方法。
里親・里親型グループホームなどの小規模ケアを促進するため、施設がバックアップ機能を果たす方向。

2.ケアの個別化
居住空間、居住性、所有物、生活行為、意欲決定などを尊重した個別化を図ると共に、個別ケア計画の策定及び実施を図ることを提言している。

3.ケアの連続性
発達年齢だけでなく、成人への続く連続的なケアのプラン

4.手続き・ケア基準の作成と公表
公平性や適切な基準にかんして。児童相談所における各種行政サービスの内容や手続きは、ケースの状況により画一的に規定することは困難であり、現実には、児童相談所の専門性及び運営の基準が確保されているという前提のもとに、その専門的裁量に委ねられているというのが実態であろう。平成5年に制定された行政処分手続き法に置いて、児童施設入所措置の解除などが不利益処分であるに関わらず適用除外とされたことは、児童相談所の相談援助のプロセスにおいて適正な行政手続きが担保されていることを前提にしているに他ならない。これら、一連の法改正により、児童相談所における相談援助、サービスは臨床サービスであると同時に行政サービス決定のための事前手続きでもあるということが、一層明確にされたと言える。〜基準が明確にされ、公表されていることが望まれる。

5.アドヴァカシー
児童福祉施設に入所中の子供達の声を直接受け止める機構の整備

「再編施設現場からの検証」
既存の児童福祉サービスは、法制定当時とは大きく変容した日本社会の中の今日の状況下の児童のみを対象としており、その背後にある親・家庭を直接対象としていなかったり、提供するサービス内容や方法が単一で、今日の多様化したニーズに対応できないところまでいたってしまっている。

いずれ、再編は現場主導であってこそ、真実に結実するものである。それをせずに施設現場が御上待ちをし、策定された制度案に意見を述べる程度の姿勢では、それこそが国民のニーズとの最大のミスマッチになり、施設の存続さえ問われるだろう。

メモ
現在の家族や地域の状況を起点にして、家族、地域社会、社会的施策の役割分担を見極める必要がある。家族や地域社会が担うべき子育て機能を補完強化し、家族や地域社会では担いきれない子育て上の諸問題の専門的解決を担うような社会的施策が準備されていくことを、ここでは子育ての「社会化」と呼んでおきたい。

子育て支援サービスの利用については、利用者のためらいや地域住民の批判的な目が存在する。地域社会に積極的にリーチアウトしていってこそ児童福祉施設が社会資源としての位置づけを勝ち取ることが出来るのである。

資料
「児童福祉施設再編への提言」〜児童福祉施設のあり方委員会報告
「児童福祉施設の近未来像」(試案)〜全国情緒障害児短期治療施設協議会

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