【 ゲンノショウコ 】 【 薬草を研究してみませんか? 】 |
役に立たないただの草? と思っていたら実は薬草・・・なんてことはよくあること。身近なところにもいろんな薬草が生えているのです。 薬草は先人たちの貴重な体験から生み出された、いわば生活の知恵。うまく利用すれば健康管理に大いに役立ちます。 興味のある方は研究してみては如何でしょうか? |
1.薬 草 の 豆 知 識 2.薬 草 の 一 覧 3.薬 草 の 利 用 方 法 4.服用して異常を感じたら |
1.薬 草 の 豆 知 識 |
薬草というとすぐに漢方薬を思い浮かべる人は多いと思います。薬草と漢方は切っても切れない関係にあるので当然のことですが、 薬草のすべてが漢方薬というわけではありません。 日本に昔から伝わる民間療法(漢方に対して和方と呼ばれる)にも多くの薬草が利用されています。 |
【 生 薬 と は ? 】 |
薬草を薬として使う場合、採取したものをそのままということは少なく、普通は生薬と呼ばれるものに加工してから使います。 薬草はすべての部分が有効とは限りませんから、薬効成分を多く含む部分だけ分離して乾燥させ、さらに大きなものは裁断するなどの加工を施します。 これが生薬で、乾燥させることによって長期間の保存が可能になり、適当な大きさに裁断することによって扱いが容易になります。 生薬はさらに散剤、薬酒、あるいは煎じ薬などにされ、そこではじめて最終的な薬となります。 |
【 漢 方 薬 と は ? 】 |
漢方薬とは、漢方で使用される薬のことを言います。漢方は古代中国で発達した投薬を中心とする医学で、日本においては、
独自の臨床経験が加えられるなど日本に適した治療体系に作り直されました。したがって、本家中国の漢方と日本の漢方とでは異なる部分がかなりあるそうです。 漢方には長い年月の積み重ねの中で作り上げられた医学書があって、病気の症状に対する薬の処方などがきちんと決められています。 その医学書に基づいて専門の漢方医が病気を診断し薬を処方する、それが漢方薬です。 西洋医学では症状から病名が決まり、その病名に合わせて様々な薬が処方されますが、漢方では症状に合わせて最も良いと思われる薬が処方され、 その薬の名前が診断名(病名)となります。例えば葛根湯(写真のクズの根を乾燥して裁断した葛根と呼ばれる生薬に他の生薬数種類を加えた煎じ薬で、 風邪の症状などに対して使用される)の投与が良いとされる症状であれば、診断名は葛根湯症となります。 何か洋の東西の考え方の違いが表れているようで面白いですね。 |
【 民 間 薬 と は ? 】 |
漢方とは別に、それぞれの地方で言い伝えられてきた民間治療法(漢方に対して和方と呼ばれる)があって、そこで使われる薬を民間薬と言います。 長い年月の経験によって得られた治療法である点は漢方と似ていますが、漢方のようにきちんとした医学書があるわけではなく、 薬の処方や用法もはっきりとは決まっていないのが普通です。 中にはただの迷信に過ぎないようなものもあるそうですが、民間薬だからといって馬鹿にしたものではなく、 確かな薬効のあるものも決して少なくありません。 |
2.薬 草 の 一 覧 |
一口に薬草と言っても使い方を誤れば人命にかかわるようなものから、山菜として普通に食べられているようなものまで様々です。
折角の薬草も事故を起こしたのでは虻蜂取らず。用法の誤りが原因の事故も実際に起こっています。
ここでは民間薬として利用されているものの中でも比較的安全なものを選んで掲載していますが、薬草の種類、薬効、用法などは自分でよく調べるか、
または専門の人に相談するかして万全を期して下さい。当ページに掲載している薬草を用いて事故が起きても、当方は一切責任を負いません。 なお、ある方から薬草の場合には学名を付け加えた方が良いのではないかとのご指摘を頂き、当方にも頷けるところがありましたので 調べられる範囲内ですが日本名(和名)に加えて学名も併記してあります。 |
薬草名をクリックすると、もう少し詳しい情報が得られます |
薬 草 名 | 学 名 | 利用部位 | 生 薬 名 | 薬 効 | |
ア シ タ バ | Angelica keiskei | 葉 | 便秘、利尿、強壮、強精 | ||
イ カ リ ソ ウ | Epimediume grandiflorum var. thunbergianum |
葉、茎 | 淫羊かく (いんようかく) |
強壮、強精 | |
イ タ ド リ | Polygonum cuspidatum |
根 | 虎杖根 (こじょうこん) |
利尿、生理不順 | |
イ ノ コ ズ チ | Achyranthes japonica | 根 | 牛 膝 (ごしつ) |
利尿、生理不順 | |
ウ ツ ボ グ サ | Prunella vulgaris var. lilacina |
葉、茎 | 夏枯草 (かこそう) |
消炎、利尿 |
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オ オ バ コ | Plantago asiatica | 種子 | 車前子 (しゃぜんし) |
咳止め、下痢止め、 消炎、利尿 |
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オ ナ モ ミ | Xanthium strumarium | 果実 | 蒼耳子 (そうじし) |
頭痛、解熱 | |
カキドオシ | Glechoma hederacea var. grandis |
全草 | 連銭草 (れんせんそう) |
子供の疳やひきつけ | |
ガ マ | Typha latifolia | 花粉 | 蒲 黄 (ほおう) |
止血 | |
カラスウリ | Trichosanthes cucumeroides |
根、種子 | 王瓜根 (おうかこん) |
利尿、催乳、黄疸 | |
カワラヨモギ | Artemisia capillaris | 花穂 | 茵陳蒿 (いんちんこう) |
皮膚疾患、消炎、利胆 | |
キ キ ョ ウ | Platycodon grandiflorum |
根 | 桔 梗 (ききょう) |
去痰、咳止め、排膿 | |
ギ シ ギ シ | Rumex japonicus | 根 | 羊蹄根 (ようていこん) |
便秘、水虫、タムシ | |
ク ズ | Pueraria lobata | 根 | 葛 根 (かっこん) |
風邪の症状 | |
ゲンノショウコ | Geranuim thunbergii | 全草 特に葉 |
下痢止め、利尿 | ||
ジャ ノ ヒ ゲ | Ophiopogon japonicus | 根 | 麦門冬 (ばくもんとう) |
咳止め、消炎、利尿、 解熱 |
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ス ギ ナ | Equisetum arvense | 全草 | 糖尿、関節炎、神経痛、 肝臓と腎臓の疾患 |
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ス ミ レ | Viola mandshurica | 全草 | 紫花地丁 (しかじちょう) |
各種の腫れ物 | |
セ ン ブ リ | Swertia japonica | 全草 | 当 薬 (とうやく) |
健胃 | |
タ ン ポ ポ | Taraxacum | 根 | 蒲公英 (ほこうえい) |
健胃、整腸、利尿、解熱 | |
チ ガ ヤ | inperata cylindrica var. koenigii |
根 | 茅 根 (ぼうこん) |
利尿、急性腎炎、 妊娠中のむくみ |
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ツ ル ナ | Tetragonia tetragonoides |
葉、茎 | 蕃 杏 (ばんきょう) |
胃炎、粘膜のただれ | |
ツ ワ ブ キ | Farfugium japonicum | 葉 | 腫れ物、やけど、湿疹、 打ち身、解毒 |
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ド ク ダ ミ | houttuynia cordata | 全草 | 十 薬 (じゅうやく) |
利尿、解毒、消炎、湿疹、 水虫、動脈硬化、高血圧 |
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ハ コ ベ | Stellaria neglecta | 全草 | 利尿、浄血 | ||
ヒ ル ガ オ | Calystegia japonica | 全草 | 旋 花 (せんか) |
利尿、強壮、強精 | |
ムラサキツメクサ | Trifolium pratense | 花穂 葉、茎 |
便秘、咳止め、たん切り | ||
ユ キ ノ シ タ | Saxifraga stolonifera | 葉 | 虎耳草 (こじそう) |
子供のひきつけ、 咳止め、やけど、腫瘍 |
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ヨ モ ギ | Artemisia princeps | 葉 | 艾 葉 (がいよう) |
解熱、利尿、生理不順、 止血 |
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リ ン ド ウ | Gentiana scabra var. buergeri |
根 | 竜 胆 (りゅうたん) |
健胃、尿道炎、膀胱炎 |
3.薬 草 の 利 用 方 法 |
薬草を利用するためには、薬草を採取し、乾燥、裁断などの加工を加え、さらに煎じ薬などの薬剤にする必要があります。 薬草を用いた薬剤には、煎剤(煎じ薬)、薬酒、散剤(粉薬)などがありますが、ここでは一般的な煎じ薬に限定します。 |
【 薬 草 の 採 取 】 |
薬草にはそれぞれ採取に適した時期があるので、その時期を選んで採取します。 一般に葉を使うものは開花時、根を使うものは寒い時期、花を使うものは開花直前、種子を使うものは完熟してから採取します。 採取した薬草は薬効成分を含まない部分を取り去って適当な大きさに裁断し、十分に乾燥させたのちに湿気の少ない場所に貯蔵します。 |
【 容 器 の 準 備 】 |
薬草を煎じるには容器が必要で、昔から土瓶か土鍋というのが通り相場ですが、アルミ製のヤカンやナベでも構いません 。鉄瓶などの鉄製の容器は薬効を弱める作用があるので使用しません。 |
【 煎 じ る 分 量 】 |
煎じる量は通常一回一日分とします。一日分の薬草の量は、薬草の種類にもよりますが、3〜10g程度が目安です。 |
【 煎 じ 方 】 |
一日分の薬草を容器に入れて300ccないしは500cc程度の水を加え、弱火で沸騰するまで加熱します。 沸騰したら吹きこぼれが起こらない程度に火力を調節して、さらに30〜40分間ほど煮詰めます。 煮詰めた液(煎液)はガーゼ、あるいは茶こしなどで濾過してからビンなどの容器に入れて保存します。 気温の高い時期には冷蔵庫に入れておくと良いでしょう。 |
【 服 用 の 方 法 】 |
通常、一日分を三回に分けて食間に服用します。風邪や下痢など身体を温めた方が良いと思われるときには暖めて、 吐き気がある時などには冷たいままで服用します。子供の場合は、年齢に合わせて大人の1/2から1/3程度に減らします。 |
4.服用して異常を感じたら |
薬草を服用したあと、吐き気がするなどおかしいなと感じたら、ただちに胃の中のものをすべて吐き出し、救急車を呼ぶか、医師の診察を受けるかする。 その時に用いた薬草のサンプルがあるとさらに良い。事情によって上記の処置のとれないときは、 下記の日本中毒情報センターの中毒110番・電話サービスへ電話して相談して下さい。 ただし、通常の電話料金のほか、別途に通話料と情報料が必要になります。 |
つくば tel 0990−52−9899 大 阪 tel 0990−50−2499 |
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更新日2016.2.12 |