2005年5月14日 更新


グラス・ハーモニカに挑戦




グラス・ハーモニカをご存じですか

グラス・ハープとも言われますが、ワインを飲む足つきのクリスタルグラスをこすって音をだす楽器です。綺麗にグラスを洗って水を入れ、綺麗に洗った指でグラスの口をこすると、透明で美しい音がします。この現象をうまく使ったのが、グラス・ハーモニカです。雷の鳴っている時にたこをあげて、雷が電気であることを証明した、フランクリンさんが発明した楽器があります。下図参照  歴史や評判については下にリンクがありますので

モーツアルトもこの楽器のために協奏曲を作曲しています。
K.616a (Anh.92) グラスハーモニカ五重奏曲のための幻想曲
K.617 グラスハーモニカ五重奏曲 アダージョとロンド
K.617a (356) グラスハーモニカのためのアダージョ



図面は小林理研のホームページから借用させていただきました。


我が家でグラス・ハーモニカを再現する。
フランクリンの作成した様な本格的な物を作るのは少し無理が有るので、家中にあったワイングラスをかき集めて、ハ長調の1オークターブの物を作ることにしました。

こすってでてくる音は、透明で意外と大きな音がでます。音程は、中に入れる水の量で変わります。こすってでる音と、たたいてでる音の高さは同じでしたので、音程の調整は、グラスを大きさ順に並べて、たたいて調整しました。この作業がとても大変でした。スポイトで水を入れたり出したりすると簡単に出来るかもしれません。

細身のクリスタルグラスは、Bの音がでます。大目のコブレットはG位です。水をいれると音が共鳴する音が低くなるので、大きめのコブレット4つをC,D,E,Fの音に細身のワイングラスをA,Bの音にあて中間の大きさをGの音に当てることにして、水を入れて、並べてたたきながら、水の量を調整して何とかCからBの音まで出来ました。



できあがったグラス・ハーモニカ

グラス・ハーモニカに関する考察
1)音程の調整
ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ の7音だけしか再現出来ませんでしたが、水の高さだけで音程が変わるのではなく、グラスの開口径との相関が有りそうです。また、水の入ったグラスをこすりながら傾けると音程が変化します。これからも水の表面の直径と音程の相関が有ると推定されます。より高い音を出すにはもっと細身の長いグラスが必要ですし低い音を出すには、開口径の大きなブランディーグラスなどが必要です。
音程は、水の共鳴で決まりますので、開口が変化しないストレートなグラスより、緩やかに広がるグラスの方が音程の調整がしやすいようです。円錐形のグラスが有れば、もう少しひろい範囲が調整出来るかもしれません。

2)音色
透明感のある美しい音を出すには、クリスタルグラスの肉厚が薄い物が良いようです。Gに使ったワイングラスは、文様が入っているため、音に濁りがありました。7つの中では、A,Bに使ったクリスタルグラスの音がもっとも美しい音色でした。8角形のグラスは、音が濁って使い物になりませんでした。透明な音にするには、円形の開口の足つきのグラスが適する様です。

3)発音方法
こすって音を出すには、グラスと指をとことん綺麗に洗って、油をのぞいてからこするときれになります。たたいても音がでますので、娘と一緒にはしてたたいて遊びました。たたいても透明で綺麗な音がでます。



 
音色が濁って使わなかったグラス。

グラス・ハーモニカの歴史と評判
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