2005年6月15日 更新

陶器はどうして熱くならない 電子レンジの不思議

家庭に普及して来た電気製品のうち原理的に今までにない画期的な技術を使って普及した調理器具が電子レンジです。
今まで加熱するには、薪、炭、ガスなどの炭素を燃やして加熱する方法とニクロム線に電気を流して熱を発生させて加熱する方法が一般的でした。
電子レンジの加熱方法は、今まで使ったことのない電磁波を使います。最近流行のIH調理器具も電磁波を使いますが使い方が違います。

電子レンジは、マグネトロンと言われる真空管から発生する電磁波で、物質に含まれる水分の分子を活発に動き回らせて、その運動エネルギーが熱として発生することで加熱します。従って水分を含む物質は、加熱できますが、水分のない陶器や磁器、ガラスなどを暖めることは出来きません。

 電子レンジで使えない料理器具
冷えたご飯や料理を温めるのとても便利な電子レンジですが、使い方を間違えると事故につながりますのでご注意ください。
電子レンジは、マグネトロンと言われる真空管から発生する電磁波で、物質に含まれる水分の分子が活発に動き回りその運動エネルギーが熱として発生することで加熱します。従って中に入れる容器に水分が含まれると加熱されますので、木のお椀や竹の容器は使えません。
また電磁波の中に金属が有ると、電気が起こり火花が飛ぶことがあります。
金や銀の模様が入っているお皿やコップなどは危険です。

使える容器は、ガラスや磁器などの水分を含まない材料で金属を使った模様が無いことが原則です。アルミのボールなどは、逆に電磁波を遮断するので暖まりません。 
カップラーメンなどのプラスチックケースには、蓋や本体にアルミ箔を使った複合素材が多く電子レンジを使って暖めるときは、どんぶりなどに移して
から電子レンジを使ってください。

 冷凍食品の解凍に使う時の注意
冷凍食品を解凍するときは、冷凍庫から出してすぐに解凍しましょう。 
常温に放置すると表面部分が解凍されて中心がまだ未解凍のままの状態になります。この状態で電子レンジを使うと解凍されていた部分の温度上昇と中心部分の温度上昇がアンバランスになり、解凍ムラが出来ます。冷凍されている部分を溶かすために必要なエネルギーは、すでに溶けた部分の温度上げるよりも大きなエネルギーが必要です。この差を潜熱といいます。

冷凍した物をおいしく解凍するには、0℃を越える時間を出来るだけ短時間で済むようにぬるま湯につけたりして解凍します。

 湿気を吸ってしまったノリやお煎餅の復活

電子レンジは、電磁波を使うために加熱してもガスのように水分がでません。この性能を利用して、水分を吸った焼き海苔を元に戻すのに利用できます。加熱時間は15秒から30秒ですのでご注意願います。

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