2006年3月18日 更新



 オイルは車の血液です

車にはエンジンオイル、トルコンオイル、ブレーキオイル、パワーステアリングオイルなどいろいろなオイルが使われています。どのオイルもそれぞれの役割は回転を滑らかにして焼き着きを防止するために使われていますが、車の性能に一番影響を与えるのがエンジンオイルです。このコーナーでは、エンジンオイルについて説明します。

 早めにエンジンオイルを交換したほうが良い場合

一般的にオイルの交換は、走行距離が4000Kmから5000Kmといわれていますが、走行距離や車の運転の仕方により交換時期が異なりますし使用する環境によっても異なります。早めに交換するとエンジン性能を維持できるばかりか、場合により新車と同じ性能にまで復帰できる可能性があります。

1.新車購入して慣らし運転をしたあと。
 新しいエンジンは、慣らし運転が必要です。500Kmくらい走る間に、ピストンリングとシリンダーの動きが滑らかになります。また吸気や排気弁のカムシャフトやクリンクシャフトなど軸受け部分の動きが滑らかになります。滑らかになると共に金属の粉が発生します。このなじむことによって発生する金属の粉を取り除くために、新車購入後1ヶ月点検でオイル交換をお勧めします。

2.夏など高温時に高速運転を長時間する場合、新しいオイルに交換して行くことをお勧めします。
使用している内に、オイルは汚れてきますし酸化も進みます。 夏場の高速運転、特に山登りなどエンジンの回転数を上げて運転する場合は、オイルの温度が上がり酸化が進み粘度があがりやすくなります。古いオイルでエンジンに負荷をかけつづけると、オーバーヒートもするかもしれません、急に馬力が無くなり加速が効かない場合は、危険信号です。温度計が振り切れる前に、木陰に車を止めて、エンジンルームを空けて、エンジンを回転させながらエンジンを冷やしてください。
エンジンを止めてしまうと、ピストンが焼きついてしまう可能性がありますので、オーバーヒートしたときは、必ずエンジンをアイドリング状態で、回しながら冷やすのが鉄則です。これを怠るとJAFを呼んでレッカー車での牽引が必要になります。

過去に、4000Kmほど走りこんだエンジンオイルのカリーナ1600stで足柄峠越えで箱根方面に行った時に、オーバーヒート直前までエンジンが温まり山頂で30分間エンジンを冷やしてから再出発した経験があります。夏場はクーラーをいれて走るなどエンジンの回転数は上がり気味です。山越えの上りが多い旅行の際には、出発前にエンジンオイルの点検と交換をお勧めします。


3.冬場、寒冷地(−10℃以下)になる場所で運転する場合は、寒冷地用のオイルに交換する事をお勧めします。
エンジンオイルもオイルですから、温度が下がると硬くなり粘度があがり、潤滑性が悪くなります。特にジーセルエンジンを搭載している車は、スキーやスノボーなどするために、寒冷地に行く場合は、寒冷地用のオイルに交換してください。ガソリンエンジンのオイルも寒冷地用がありますが、2〜3日程度の旅行では、ジーゼルエンジンほど気にする必要ありません。寒冷地では、アイドリング時間を十分とってから出発しましょう。

4.ほとんど車を動かさないで放置している時間が長い。
月に2回程度運転する車は、走行距離が無くても1年に1回は交換したほうが良いです。車のエンジンは、長期間起動させないとエンジンオイルが下がり潤滑性がなくなります。車のエンジンは1週間に1回起動させてエンジンオイルを循環させる作業をしてください。またバッテリーが放電して起動できなくなるのを防ぐには、1週間に1回以上走行してバッテリーを充電する必要があります。

5.中古車を購入した場合。
中古のエンジンは内部にタールやカーボンなどがたまり汚れていることが多いですので、中古車を購入した場合も新車同様早めに交換することをおすすめします。
エンジンオイルにタールやカーボンを取り除くエンジンオイルの添加材を追加してやると、びっくりするほど短期間でエンジン内の汚れを取り除きオイルが汚れます。
添加材については別の項目で説明します。

 オイル交換時期を見極める方法

1.始業点検で確認する。
自動車免許を取得する際、自動車教習所で始業点検を毎回実施したことを覚えていますか?この始業点検は、車の健康状態を知る上で重要な項目が含まれています。
始業点検で方向指示器のランプやヘッドランプ、ブレーキランプ、バックランプの点検とあわせてエンジンオイルを点検することになっています。
このオイルの点検は必ず実施することをお勧めします。オイルの汚れや粘度、量などが点検できます。汚れて黒くなりねっとりとしている場合は交換時期です。ガソリンスタンドで給油の際に点検を頼めば見てくれます。たいてい交換したほうが良いと言われると思いますが、オイル交換はこまめに実施しておくほうが安全です。

2.オイル圧力計で見極める。
最近の車には、オイル圧力計が装備されていませんが、ついていれば、エンジンをアイドリングから空ぶかしで回転数を上げて油圧が上がて、エンジンをアイドリングに
もどした時にオイル圧力計の針の戻りが遅い場合は、オイルの粘度が上がっている兆候です。オイルを点検して交換することをお勧めします。戻りが遅いか早いかは日ごろメーターの動きを観察していないとわかりませんので、オイル圧力計がある場合は動きを時々見ることをお勧めします。

 添加剤を活用しましょう

エンジンオイルやガソリンに添加剤を加えるとエンジンの性能が変わります。エンジンオイルに添加する素材には大きく2種類ありそれぞれの特徴があります。またガソリンに添加するタイプもあります。必要におおじて使い分けをしてください。いくら性能が上がるからと2種類を混合すると互いに力を打ち消しあい効果が無いばかりか、エンジンそのものにも影響しますので注意願います。

1、モリブデンを含むエンジンオイル添加剤

酸化モリブデンを含む添加剤は、酸化モリブデンの結晶が超小型のボールベアリングのような小さな球形をしていることを使って作動を滑らかにする効果を狙っています。
主な効果として以下の2点があります。
1)潤滑剤のオイルと共にエンジン内の汚れをかきとり金属表面を研磨してミクロン単位の表面性を作り上げる。
2)小さな隙間にもぐりこみ微細な穴をなくす。
この2つの効果により、エンジンの回転が滑らかになり、作動に余計な力がいらなくなりますので、馬力がアップして燃費が改善されます。またエンジン内のタールやカーボンを除去することで排ガスに含まれる一酸化炭素濃度が低減されて、新車購入時の性能までエンジン性能を回復することも可能です。

効果もあリますが、デメリットもあります。研磨剤で汚れを落とすことができますのでオイルの汚れが速いです。
中古車を購入してこのモリブデンタイプの添加剤を加えて3ヶ月ぐらいで、汚れを確認してください。エンジン内にタールやカーボンがたまっていると真っ黒なオイルになっていると思います。ここでオイル交換を実施してまたモリブデン添加剤を加えることでエンジンは、新品同様の状態になります。また、汚れを取るタイプのガソリン添加剤との併用でさらに効果を高めることも可能ですが、汚れを取る効果がより高まるので、オイルの状態の確認は頻繁に行ってください。

廃車したカリーナ1600 STで使いました。車検で測定する一酸化炭素の排出量は、19年目でも新車と同じ水準を維持しており、加速も燃費も良好でしたで、モリブデンタイプのエンジンオイル添加剤の効果と思えます。中古車を購入した場合、一度は、試してみてください。

2.テフロンを含むエンジンオイル添加剤

焦げ付かないフライパンなどに使われているテフロンをオイルに加えたタイプです。モリブデンのように研磨剤としての役割はありませんが、汚れをかきだしエンジン内の汚れをとる役割や隙間を埋める効果はモリブデンタイプと同様です。モリブデンタイプに比べると隙間を埋める効果がやや高いようです。またオイルの汚れも少ないですので新車を購入して入れる添加剤として効果が期待ができます。

3.、ガソリンの添加剤

エンジンオイルに加える添加剤のほかにガソリンに加えてエンジン内の汚れを取るタイプの添加剤もあります。ガソリン添加剤は大きく2種類ありガソリンタンク内の水を抜くタイプとエンジン内の汚れを取るタイプがあります。
1)水抜きタイプのガソリン添加剤
  長年使っていると空気中の水分がガソリンタンク内に液体としてたまってきます。ガソリンタンクをさびさせるばかりか、さびがエンジンに入り込みエンジン性能を劣化させる可能性もあります。特にあまり車を使わず放置しておくとさびが出やすいです。このさびを防止するのが水抜きタイプのガソリン添加剤です。気温が下がり結露しやすい、冬場に入る前に水抜き剤を添加することをお勧めします。


2)汚れを取るタイプのガソリン添加剤
  エンジンオイルの添加剤と同様に汚れを取るタイプです。添加剤の中に含まれる揮発性の溶剤によりタールを溶かして燃やすことで改善できます。点火プラグのカーボンやピストン周り、給排気弁の汚れを取るのに効果があります。また、キャブレターのノズルを洗浄しますので、アクセル作動とエンジンの回転数の相関が改善され、加速性が良くなります。添加されている溶剤の種類(ニトロベンゼンなど)により馬力アップするタイプもあります。


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