2006年3月21日 更新

 雪道での車の運転はとても怖い。常識が通じないハンドル、ブレーキ操作

 雪道に強いフルタイム4WDですが完璧ではありません

我が家は、毎年一回はスキーに家族で行きます。最近は暖冬で雪が少なく幹線道路はノーマルタイヤでもかなりいけますが、スキー場の近くでは苦労します。あと50mで宿に着けるのにスタッドレスタイアでも立ち往生したことも有ります。ここで雪に強いとされるフルタイム4WDについて簡単に解説します。

1)車の駆動方式について
車のエンジンと駆動輪の位置関係から分けて4つの方式があります。 エンジンが前にあり駆動輪が後ろのFR方式、エンジンが前で駆動輪も前のFF方式 エンジンも駆動輪も後ろのRR方式 そして4つのタイヤすべてを駆動する4WDです。スポーツカータイプの中には、エンジンを中央においたタイプもありますが、種類は少ないです。

2)雪道に強いのは4WD方式
雪道や砂道にもっとも強いのが 4WDタイプです。4つのタイヤが駆動するため路面をしっかりとらえやす為です。次に強いのがFF方式で、重量のあるエンジンが駆動輪に加重をかけているので、路面をとらえ易く駆動と操舵もかねた前輪でぐいぐい進めます。しかし後輪はフリーなため、お尻を振りやすくスピンすることも有ります。
FR方式とRR方式は、操舵輪と駆動輪が分かれているため、スピンしやすく雪道にはとても弱いです。

3)突然の雪に対処するには
FR、RR方式でも突然の雪で立ち往生した時には、ハザードランプを点灯させて注意を喚起しながらバックで移動させると動かすことができますので知っていると便利かも知れません。かつて3月21日に箱根にドライブに行き、1時間に10センチの降雪があり大混乱に巻き込まれたことがあります。箱根新道への上り坂でノーマルタイヤのFR車が雪にはまって蛇行運転をしていて回りの車に迷惑をかけそうになっているときにバックで降りる方法を教えてあげたことがあります。春先の箱根や富士五湖など標高が高く気候が変わりやすい場所に行くときにはチェーンの携帯や天候に対する注意が必要です。

4)フルタイム4WDてなあに?
4WDでもジープの様にギア変更で4輪すべてを駆動する4WDにしたり後輪のみを駆動するタイプと常に4輪で駆動しているタイプが有ります。後者をフルタイム4WDと呼びます。現在発売されている4WDはほとんどがフルタイム4WDになっています。4輪駆動方式には、前後の駆動輪に伝える駆動力の比率を変更したり車高を変更することが可能なタイプなどもありメーカーの技術開発が最近目立っています。詳しくは車の雑誌でも見てください。

5)4WDでも雪道は完璧ではない
4WDでもチェーン無しで雪に立ち向かう武勇伝はやめてください。解けた雪が、早朝の冷気で氷アイスバーンになった場合は、スタッドレスタイヤでも危険です。チェーンをつけても完璧ではありません。一般的なはしご型のチェーンでは横方向のグリップ力がありませんので、横方向に滑ります。本人ばかりか周りが、迷惑します。
チェーンをつけてもスピードの出しすぎは危険です、50km/hくらいまでに抑えましょう。一度つけて200mほど走り、必ず点検を実施してください。装着時の緩みやチェーンがタイヤの溝にはまるなどして変化することがあります。そのまま走るとチェーンが外れたり、一部の部品を削ったりして事故につながる危険性があります。

 車の性能を過信するなかれ 4WDでもはまる砂浜

雪道や砂道に強い4WDであっても、完璧ではありません。4つの車輪のうち3つが砂や雪につかまりスタックしたときは、4WDでも脱出できません。対角線上の2個のタイアがスタックした時もはまることがあります。4WDの車を購入して砂浜に乗り込みはまって身動きできなくなる車を見かけます。TVコマーシャルで砂浜をカッコよく疾走する宣伝がありますが、疾走しているシーンを見ると必ずぬれた波打ち際を走っています。また川を超えたり、凸凹のオフロードを走ったりしていますが、4WD車すべてがこのような走りができるとはいえません。パリ ダカールラリーでも、カッコよく疾走している傍らで、スタックしてしまい苦労している車があります。専門スタッフが同行するラリーでも砂地は難しいのです。車の性能を過信してはいけません。4WD車は、一般車よりも少しだけ雪道や砂地に強いだけなのです

  雪道でうまく運転するためにはどうすればよいか

急のつく操作は厳禁
急発進、急ハンドル、急ブレーキと「急」のつく操作を雪道で実行すると必ずトラブルが発生します。
@急発進:タイヤが雪をグリップする力が乾燥したアスファルトより雪道では弱いため急発進したくてもタイヤが滑って発進しません。無理にアクセルを踏んでタイヤを回しても空回りするだけで動けなくなります。ギアーをローに固定してゆっくりまわして発進させてください。

A急ハンドル:早朝や木陰やなど、雪が解けたみすが凍って路面がアイスバーン(スケートリンク状態)になっている場合は、ハンドルを切っても曲がりません。慣性の法則に沿って車は今まで進んできた方向に進みます。ここでハンドル操作をしても意味はありません。ハンドルを曲がっていく方向にそろえて、ブレーキを断続的に踏んでタイヤのグリップを取り戻してください。この操舵感覚はわかっていてもなかなか実施できませんので。呪文のように雪道で唱えながら運転してください。

B急ブレーキ:雪道で急ブレーキをかけると、たいていスピンしてしまいますし、タイヤがロックされた状態では、氷の上をただすべるだけでとまりません。ブレーキにABSが装着されている車ではブレーキがロックされずにすみますが、一般のブレーキでは、ブレーキペダルを何度も小刻みに断続的に踏み込む方法が必要です。(ポンピング・ブレーキ)雨でぬれた路面や雪道などでは、ABS装着車でもポンピング・ブレーキは有効な手段です。

スピード出さずに車間距離をとってゆっくり走りましょう。
 
雪道の運転は、余裕をもってゆっくりと走るのがコツです。ブレーキもタイヤがロックしないエンジンブレーキを使うことも有効です。そしてたとえスタッドレスタイヤを装着した4WD車でも、チェーンやスタックした時に必要なスコップなどを準備していくことをお勧めします。

駐車しておく場合の注意点
雪道を走ると、雪がタイヤの周りについたり、泥除けが雪で固まったりします。雪をつけたままハンドブレーキをかけて朝まで放置するとブレーキシューとブレーキドラムまたはブレーキディスクの間に水がたまり凍結してブレーキがはずせなくなることがあります。これを防ぐには、車止めを使いハンドブレーキを使わずに置くことをお勧めします。また路上に駐車する場合は、ワイパーもガラスからはずして立てておくことが必要な場合があります。ワイパーが凍結してガラス面に張り付いてします可能性があります。ガラス面が霜などで曇ってしまった場合は、やわらかい場合は、スクレーパーなどでかきとる方法もありますが、スプレー式の解凍剤を使うこともできます。

自然は偉大です。トラブルが発生しない様に十分に準備して、トラブルが発生しても対処できるように余裕をもった行動をしてください。
 

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