2003年8月9日 更新

ケーブルによる音質の改善


 レーザーを使ったホログラフィーの様な立体音像が再現した
デジタルアンプを作成してみて、位相特性の再現性がアナログアンプに比べ良好なことが判ってきました。シングルコーンや2WAYのコーン型スピーカーをつなぐと、双眼立体でなく、レーザーを使ったホログラム立体の様に音像の中をのぞき込んで見えると同様に、音像が左右上下前後に広がって再現されます。教会のミサ曲の音が天井高くに上って行く感じや、蒸気機関車が、目の前を通り過ぎ安全を確認した車掌が、ドアを閉める音や過ぎた後に遠くに小鳥のさえずりが聞こえる様な音が、リアルに再現される。原音忠実再生のためにはこの位相特性を無視できません。

ツイストペアケーブル
ケーブルで音が変わると騒がれた時代から、ノイズと防止して位相特性がずれないケーブルとしてツイストペアが有名です。トリオのスピーカーには、その頃に導入したケーブルで16組のツイストペアの細い線をきしめんの様に並行して固定されているケーブルを使っておりこれが、デジタルアンプと相まって、すばらしい音像を再現したと思われます。
経年変化で銅線も少し酸化が進み、心線も細いので、この際最近の技術革新で改善されたコードを探して見ることにしました。ツイストペアは、位相特性は良好なのですが、撚っている分線が長くなり、直流抵抗が増え、低音のダンピングが悪くなると言われています。そこで目指すは、太い心線を使ったツイストペアを何組か束ねた物です。

 Victor ツイストペアケーブル
トリオのスピーカーとAKAIのスピーカーに使用していますともに定位が良く、楽器やボーカルの位置がよくわかるのですが、低音が物寂しく高音がややきつい傾向があります。教会のミサやオルガンなどとても良いのですが
低音がでないのが寂しい音です。

Victor ツイストペアケーブル

 自作1号ダブルツイストペア 1mあたり212円

フレッシュ状態の音

先日オヤイデ電気から買ってきた1m \80の1.6mmより線のツイストペアケーブルを2本束ねて熱収縮チューブで固めてより線 約2.0mmのオーディケーブルを作りました。
20mのケーブルを二つ折りにしてねじる方向を逆にして干渉しないように組みあせて有りますとりあえず5mの長さにしてデジタルアンプとJBLホーンスピーカーにつなぎました。ケーブルを替えてあまり大きな変化は有りませんでした。高音域の再現が良くなりバイオリンの艶、ブラスの輝きが少しましたが、ナチュラルホルンの微妙なニュアンスも再現出来るような深みのあるブラスの音になって来ました。定位が少し良くなった。第1ホルンと第2ホルンの位置や大砲の位置がさらに明確に見えて来ました。低音の再現性が上がりさらに低音がでる様になった。ノートルダム・クリスマスミサの背景に流れている町のグランドノイズが聞こえてきた。1812年序曲の大砲が「ドカン」でなく「ズドン」に代わりスピーカーの揺れが少なく空振りが少なくなった。床が大砲の音でゆれています。
まだ、スピーカー内部の配線を変更していないんであまり変化がないのかもしれません。5mは長いので、内部配線に一部回し様子を見ます。あまり大幅に変化すると内部配線に使えなくなりますので、素直なツイストペアが欲しいのです。内部配線を替えたらまた報告します。2本5mペアで値段 80×20+260X2=2120円です。

自作1号ダブルツイストペア

 エイジング後の音は、低音用のコードとして優秀
ダブルツイストペアにした効果が現れました。超低音の再生能力が上がり、チャイコフスキーの「1812年序曲」
の大砲の音が、「ドカン」から「ズシン」へ変わりました。ウーファーの空振りも減り、床に重低音が伝わって来ます。
2組使うことで直流抵抗が1/2に成り低音のダンピングファクターが変化したと推定されます。
5mからさらに3mにして現在使っています。前回7/20に実施した、第3回 オーディオ合研ミーティングでもその重低音にメンバーがびっくりしていました。高音の方は、あまり変化が有りませんでした。この変化は、ツイストペア化よりも、2組使用して直流抵抗を下げた効果の方が大きかった様です。


 Belden Studio 497 1m あたり\560です。

フレッシュ状態の音
キムラ無線で購入したツイストペアのオーディオケーブルの音だし中です。オレンジと黒のツイストペアケーブルで心線はやや太い目の銅にメッキしたより線で、合わせた線径は2.0mmと十分な太さです。
巻き方が+ケーブルの方がやや巻き数が多く、ほどくと20%程度長くなっています。結構堅くて、細工がしにくく、けがをしそうです。つないですぐは、かなり明るく高音に癖があるが、クリアな音と感じました。オヤイデ電気のコードに比べても、今まで使用していたより線2mmの並行コードに比べても明らかな差が有りました。オヤイデ電気のコードは、低音が伸びて芯のある「ズシン」系の音が得意です。Studio 497は、クリアで明るい高音系に向く音です。低音は、あまり伸びた感じがしません。1812年序曲の大砲も空振りはあまりないのですが「ドカン」でした。内部配線の使い分けをするとこれはすごい音になりそうな気配です。もうはまりそう。

Belden Studio 497

 エイジング後の音
キムラ無線で買ったツイストペア(Belden Studio 497)の音は、ガメランでエイジングしたら高音の癖が少し無くなりましたが、バウマンのナチュラルホルンの音がアルプスを越えてフランスの国境近いのスイスのレマン湖のほとりで何とかドイツの音をだしている状態です。音として好きな音ですが、オリジナルの音に比べると明るく輝き過ぎかもしれません。
ノートルダムのクリスマスミサ、定位があまり良くありません。奥行きがでて来ません、音が上に上がっていく感じはでますが、奥に広がる回廊は見えて来ません。レーザーフォログラフィの3Dの感覚でなく、双眼立体の様です。
クリアな感じはとてもすてきですが、位相に関する情報は、捨てられている感じです。まだオヤイデ電気のツイストペアの方が、少し音があふれる感じがしますが定位に関しては少し良好です。オレンジの線が黒よりも長いため位相情報がずれるのかもしれません。

 まとめ
ビクターのツイストペアケーブルは結構すごいケーブルだったとあらためて思いました。現在発売されていないのが残念です。
オヤイデ電気のダブルツイストペアは、とりあえず定位感が優秀でや色づけがなく低音のパワーが有るのでが低音用として優秀です。
Belden Studio 497
は、高音に少し色づけされ、期待していたほど位相特性が良くありません。

今後、高音用にツイストペアの4組ペアの物や無酸素銅を使った物を検討してみます。

 解説1 位相特性とは
人間の聴感は、音源から発生した音が左右の耳に届くまでの時間差により発生する波形のずれにより音源の方向と位置を感じ取ることが出来ます。この左右の波形のずれのことを位相のずれと表現します。この位相を整えるためには、スピーカーケーブル、スピーカーユニット、アンプ含めて位相特性をそろえてやる必要が有ります。ユニットの音を出している部分の距離をあわせる必要が有ります。
またLCネットワークを使った場合、-6db/octのフィルターは、位相が90度、−12db/octのフィルターは180位相がずれますので、ここら辺を調整して追い込むのがなかなか難しい技術です。

 解説2 位相特性の測定方法
3、FFT測定方法の注意点と実施事例の第3項を参照願います。


 解説 3 双眼立体
立体写真鑑賞する方法として、古くから採用されている方法で、2個のレンズを使い同時撮影した2枚の画像を両目で見ることで脳の中で合成され立体像として認識される写真の手法です。撮影時に使う2個のレンズの間隔が広がるほど、立体感が得られます。ミラーを使ったり、2台のカメラを同時に撮影しても作成可能です。
双眼立体では、画像の中に入り込みのぞき込んで裏側を確認する様なことは出ません。

 解説 4 レーザーを使ったホログラム
CDやレ−ザーディスク、DVD、MDなどの光学ピックアップに利用されているレーザー光線は、光線の周波数と位相が揃った光で、この位相特性が綺麗にそろている性能を利用し、月までの距離を測ったり、被写体からの反射光の強度ともに位相特性を干渉縞としてガラス乾板に記録レ−ザー光線を当てることで実体がそこに無くても元の立体映像(ホログラム)が再現出来ます。
スターウォーズなどのSF映画に時々でてくるシーンがありご存じと思います。
このレーザーホログラフィーでは、再現された画像の周りを回って、裏側を確認する事がある程度可能です。
  

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