2003年8月10日

音響空間の位相特性の測定方法


ステレオ装置を使ってオーディオルームに録音した時の空間を再現するには、装置の周波数特性をそろえるだけでは再現できません。音源からでた音が、左右の耳に伝わる時間のずれで発生する波形のずれ(これを位相のずれ)を再現しないと、音源の位置が明確に明確になりません。
原音の位相差を再現するためには、装置の位相特性を左右合わせる必要が有ります。またオーディオルームでも同様に壁の反射や吸収で位相が変わります。この位相を比較的簡単に目で見て対策案を
見いだす方法として、左右の音をペアマイクでとらえて、リサージュ波形を見ながら追い込む方法が有り
ここで少し紹介します。どうも定位が悪い、ボーカルが大きく広がるなどで悩んでいる方は挑戦して見てください。

準備
2現象表示が可能なオシロスコープまたは、パソコンソフトのEFU WS : FFT ANALYZERを利用します。また音源として正弦波発生装置またはEFU WG:Wave Generatorを利用します。

マイクの位置は、リスニングポジションで出来るだけ耳の位置に近づけてください。ペアマイクの間隔は、20センチ程度が良いと思います。左右一体型のワンポイントマイクの場合は指向性を60度にあわせてください。

ペアマイクの出力をオシロスコープまたはパソコンのサウンドボードのMIC端子に接続します。
XY2現象表示に設定して、入力感度を左右そろえて,正弦波の同位相のの信号ステレオアンプの
入力端子に入れて再生します。 マイクの感度が低い場合は、マイクアンプを使う必要があります。

1kHzの基準音をだして45度の直線に成る様に、スピーカーの位置を設定します。

測定
正弦波の周波数を、100、200,500,1000,2000,4000,10000 と変更してリサージュ波形を見ると
45度の線に乗って線幅が広がらないのが左右の位相が同位相で問題ないことを示します。
位相特性が狂っていると、線が広がり、90度ずれると円形に成ります。

判定及び対策
問題になった領域を再生している、スピーカーのユニットの位置をずらしたりLCネットワークの特性を
替えることで位相のずれを追い込むことが出来ますが。測定方法に充分なれてから実施してください。
測定装置自身の位相が正しいか、特にマイクアンプを使うときは確認が必要です。