愛すべき犬たち

(2003/10/03)

目次

  1. まえがき
  2. 事件其の一
  3. 事件其の二
  4. 事件其の三
  5. 事件其の四
  6. コスプレ
  7. 近況

まえがき

 犬の紹介記事を書こうと思ったきっかけは私の一日の活力源めざましテレビの、「今日のわんこ」のコーナーをみて。めざましは早くからホームページを提供していて、そこに各コーナーの情報や画像を貼り付けてあった。わんこがカレンダー上で貼ってあったのがうらやましくなって。
 右の写真がヨークシャテリア種のお嬢さん、ココです。 
この写真は生後2,3ヶ月の頃のもので、私が就職するときに家から持ってきた写真のひとつです。私が大学に入って一人暮らしを初めてからすぐに、母と姉が家族の欠員を補うべく飼い始めました。

姉曰く、ペットショップで目に留まった一番不細工な犬を選んだらしいのですが、左の写真をみてどう思いますか?名付け親は私の姉で、ココ・シャネルから取りました。 

こいつが引き起こした事件、エピソードは数知れず。そのうち機会があれば、エッセイとしてこのページに掲載していきます。また、姉と私でこいつを題材にした電子絵本を創ってみたいと画策しているのですが。 

最近のココ

 左の画像がつい7歳の頃。人間でいえば30後半か40前半でしょうか?見てわかるように非常に小さい。ヨークシャーの中でも1.5kgという体躯はかなり小さいでしょうね、ほんと手のひらサイズ。後ろ足をつかむと、手羽先みたいに細くて哀しくなったものです。
 


事件其の壱

〜まえおき〜

ある晩起きた事件です。姉の友達がたまたま、食堂に飲み物をとりに2階から降りてきました。1階の応接間で寝入っていた私をみてびっくり。たくさんの人形に囲まれて寝ているではないか!二十歳を過ぎたいい大人が。人形と一緒に寝ている姿は、さぞおぞましかったのでは? 
姉さん、事件です!!

 「何故?」

 〜解決編〜

 ココは人形で遊ぶのが好き。UFOキャッチャーで持ち帰った人形は、すべて私のもの!と決して離しません。特にドラえもんのプラスチック製の鼻のところや、目の堅いところをずっとガジガジとやっています。しばらくは一人でガジガジとやっているんですが、飽きてくると人間の手元まで人形を持ってきて、「人形の取り合いをしよう」とせがむのです。
 この「人形取り合いごっこ」を私が寝ている間に仕掛けてきたらしい。けれど、一度寝入ってしまうとなかなか起きないのが私。「この人形は駄目ですか?じゃあ、こっちのお気に入りのやつを持ってきましたぜ」なんてココは何度も人形を手元に持ってきたのです。で、相手にされないまま疲れて寝てしまったココ。人形はほったらかしで。

 で、人形に囲まれて幸せそうに眠る男の完成です。


事件其の弐

 〜まえおき〜

 私が応接間で寝ているのは訳があります。当時私は宮崎の実家を出て、鹿児島市内のアパートで一人暮らしを始めました。と、同時にもと私の部屋は母と姉のチェストルーム(いわゆるタンスの部屋)に変わってしまいました。ときどき実家に変えっても寝るところがないので、仏壇のある応接間に寝ることに。
 ココは座敷犬、いつも夜は好きなところで寝ています。冬にはさすがに寒いのか、人間の眠る布団に潜り込むようになりました。家族はみんな個室で寝るので、ココは応接間で寝る私の布団に入ってくることも多かった。まるで猫のようだ。
 そして私は先述のとおり、一度寝てしまうとなかなか起きないタイプ。ココが入り込んでくるのに気づかない。朝起きるといつの間にか布団の奥で寝ていることも。踏みつぶしていないかヒヤヒヤする朝もありました。

 ある晩、私はいつも通り布団で寝ていました。本を寝ながら読んでいたせいか、眼鏡をつけたままで。飲み物をとりにきた姉がそれに気づいて、外してやろうと私の眼鏡に手を掛けたそのとき、私は姉にむかって「どうぞお入りなさい」と布団を片方あげてしまったのです(寝ていて無意識に)。これをみた姉は爆笑。翌朝えらい恥をかいてしまいました。

 「何故?」

 〜解決編〜

 犬は布団に潜り込むとき、入ろうとする場所で穴を掘るように布団を引っかきます。ココの場合それでも駄目だと人の手を引っかきます、「はよ入れんかい」と。それでも駄目なら人間の額を引っかきます。姉はこれをよくやられるようで、寝しなに起こされるのでたまらん、と言っていました。私はこのとき起きないのですが、体を引っかかれると無意識に布団に入れるよう、布団を持ち上げてしまう習慣がついていたようです(犬にしこまれた?)

  


事件其の参

 〜まえおき〜


そう、あれは私が世界最強を目指して(うそ)、空手のトレーニングしていた頃

 前々から欲しかったアイテム、それはサンドバッグ。
 でも小さいものでも数万円と、かなり高価でした。それが中古屋で偶然キック用サンドバッグ(当時1万2千円)を掘り出し、速攻で買い込みました。

 そいつを実家のガレージの鉄骨にぶら下げて、さっそく、右キック、左キック、相手を想定してサバいてからのパンチ・キックなど、まるで自分がキックボクサーになったつもりで蹴りつづけました。蹴るたびにガイーンドシーンという音が響きます。「もしかしてキック力あるかも」とまた夢想モードに突入。
 数十分後「いい汗かいたな」という爽快感と「いい買い物したな」という満足感。
 そして「やっぱり買ってよかったサンドバッグ」と。

 ところがガレージから家に戻ると、いつも迎えに来るココの姿がない。
 「ただいま〜」の呼び声にも反応しない。大抵、飛んで迎えに来るのに、、、
 「おかしいなあ」と居間にあがると、姉に抱かれたココが恨めしそうに私の方をにらみつける。

 「何故?」

 〜解決編〜

 ココは姉のところに震えながら寄ってきて、「抱け」と言わんばかりに腕をひっかいたそう。
 姉はココの両腕をつかんで、ジェスチャーを加え腹話術で説明してくれました。(篠原ともえ調で読むこと)
 「なんかガレージで凄い音がするんですう。雷みたいで恐いですう。そんな恐いことするお兄ちゃんはお兄ちゃんじゃないですう」

 うっ、、、そんなことでココに嫌われるのはいやだ、、、

 結局この事件以来、サンドバッグを蹴ることはなくなり、世界最強の夢も放棄しました。
 子供が産まれて格闘技界から去る選手の気持ちが分かったような気がしました。<全然違うって


事件其の四
 
「兄やんのいなうちに」 

「どれどれ、私の写真のできばえはどうかにゃ、、、」 
 

「ばれたにゃ!!」 

 めっちゃイイ顔してるし。

 
 
 



 コスプレ
 
 
左の画像は、99年の1月にココにハチのコスプレをさせたものです。 
頭には触覚、背中には羽。服は黄と黒のシマシマです。 
この格好で、宮崎県都城市の神柱神社へ初詣に出かけました。
2002年8月の夏、はじめてショートカットに。
おふざけで、人間の一歳児用の水着を着せてみる。
相変わらず、家族に遊ばれているココ。


 近況
 

2002年8月。フローリングの床の隅で昼寝しているココ。
やはり涼しそうな場所を良く知っている。
ちょうど水面に映るかのように、自分の姿がフローリングに映っていた。
気持ちよさそうだ。




2003年1月。だいぶん毛が伸びてきた。
ただいま、ジャーキーを隠そうと部屋をウロウロしているところ。
こんな仕草もかわいらしかったりします。

2003年4月14日。ココが永眠しました。14歳でした。
会社からの帰りに母から知らせをきいてすぐは実感がわかなかったのですが、帰りの電車の中でじわじわと思い出して、たまらず手で目を覆ってしまいました。ココには、たくさんの喜びや安らぎを与えてもらったと思います。アリガトウ。
このホームページには、ココの写真があって少しつらい部分もありますが、今しばらくこのままにしておきます。

ココが亡くなったあと春休みに実家に帰ってからちょうど3日目の夜、亡くなったはずのココが夢に現れて、私はココの顔に触れ両手で体を抱くこともできました。久しぶりに実家に帰った私を迎えるために、夢の中にまで遊びに来てくれたのかもしれない。翌朝目を覚ますと、寂しさよりもアリガトという気持ちで満たされた自分がいました。馬鹿馬鹿しいと笑われるかもしれないけれど、動物に愛情を注いだ人にとってはシアワセな体験ではないでしょうか。