徒然雑記

麺類大好き!


 はじめに
 当初、ここの話は「くたばれグルメ」に分類する予定でしたが、あっしも齢5歳にして「麺食い」のふたつ名を頂戴した身として、ここはひとつ麺類と云うカテゴリーを作った方がええんとちゃうか、と思い、ここを新設することにしました。

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 さて、ここでは麺類に関するはなしをしましょう。
地元から出てきて数年した頃、あちこちで食事をしていて気になり始めた事がありました。
 うどんですわ。

 九州の皿うどんを除くと、時期と所により、様々な太さのものをうどんと呼んどんのは、ご存知の方も多いと思いますけど、それまでのあっしにとっては、うどんと、その細いのが冷麦、とても細いのが素麺、番外に名古屋のきしめんがあるくらいでした。また、冷麦と素麺は乾麺で、うどんは生麺である、と云った認識もありましたが、社会人になり、あちこちで食事をする機会が増えると、他にも冷麦より太いものや、同等のものをうどんと呼んどることがある事に気付きました。
その上、冷麦よりやや太いものを、うどんと称して乾麺で売っとるっちゅう事も。
 あ、そうそう、なんとなく製法や成分も微妙に違うんやないかなぁ、なんて事も思うとりました。

 で、ある時、ある草の根NETでそのネタをふってみたら、以下の事がはっきりと浮かび上がって来た、ちゅうわけですわ。中には、辞書やら何やらをちゃんと調べてくれた人も居りまして、勉強させてもらいました。
 ・実際には、土地によって、様々なものをうどんと呼んでますけど、その太さと最後に乾燥させるか否かを除くと、全く同じものである事。
 ・日本の食品規格では単に太さだけでその3種を区分している事。
(まぁ、規格ちゅうても、裏の成分の説明の所の名称の部分で、商品名は自由です。でないと、皿うどんはインチキ商品になってしまいますわな(笑)。)
 ・それから結構大事なんが、冷麦ちゅうのが、元来はうどんの食べ方の名称やった、ちゅう事ですな。
日本酒で云う熱燗と同じですわ。暖かくして食べるのを熱麦(あつむぎ)、冷たくして食べるのが冷麦、とまぁ大昔はそない云うとったそうです。
 「オバちゃん、うどん、冷麦にして」なんて風に注文しとった時代もあったんかも知れまへんなぁ。

 まぁ、ここからは以上の事実を踏まえた上での憶測ですんで、あまり真剣に聞かんで下さい。
本来のうどんは、形状からして芯まで冷やし難いし、もそもそしてあまり美味いもんやありません。立ち食いざるうどんざる蕎麦を食べ比べて見たら、直ぐに判ります。実際に、昭和50年代後半まで、そんなメニューは殆どの店では見かけまへんでした。
まぁ、あっしの知る限りでは、讃岐うどんは、ちゃんと冷麦にすると、なかなかイケるんは保証しますけど。
 で、食感を良くする為に細くした冷麦用うどん辺りが語源で、単に縮まって冷麦、となった。
 ほいで、保存に適する乾麺にし易い様に、さらに細くすることを考えた。これは、乾麺で食べる事も前提とされていたんで、違う名前が出来た。それが素麺ですやろな。後に、素麺は寝かせるとますます美味くなる事も発見されて、定着した、そんな風なんとちゃいますやろか?
それが証拠に、素麺は暖かくして食べる場合の名前がちゃんと別にありますわな。普通、温麺(にゅうめん)いいますけど、これは同じ字面で「うんめん」と読ませる別の食品もありますんで注意が必要です。
こちらは、関東圏のスーパーなんかでは良く見掛けますが、冷麦を1/3くらいにしたものです。これの謂れについては、あっしはまだ良く知りません。味噌汁の具にして食べたことは、結構ありますが(笑)、元々どこか地方に定着してあったもんでしょうか? 確かに、具にするには丁度良い太さと長さですから、そういった使用法から派生した食品、いや、これはもう食材と云うべきもんなんでっしゃろなぁ。
 話は逸れましたけど、素麺は、普通氷水に浮かせた状態で食卓に上げるのが本来の姿や、ちゅうのも見逃せません。これは土地の東西を選ばん、と云うトコもポイント高いです。まぁ近頃は、面倒や、云うて、一般家庭では、ざる素麺状態になっとるみたいですが、ちゃんとした店舗で頼むと、今でも大概がそんな形で出てきます。色を添えるのに、チェリーや大葉、胡瓜の薄切りなんかが乗ってる事も多いですわな。

 最後に、大阪ではうどんの事を古来うろんとなまってました。
で、それと関係あるんか、うどんとうろんは違うちゅう説があります。
元々うろんは、今は絶滅したうろんと云う草の実から作ったうろん粉で作っていたもので、今のものは代用食で、本来のうろんではない、ちゅうんです。
 あっしは、個人的にはこの説は俗に言う都市伝説みたいなもんで、何の根拠も無いものだと思っとります。なにか、ちゃんとした学術書があるんなら、紹介してもらって、最終的な判断はそれをひも解いてからですわな。

(1999/11/18)


【UP】
 今回も、前回を受けて蕎麦の話をしましょう。
さて、どういう訳か、あっしは地元大阪に居た頃から、うどんより蕎麦の方が好きでした。ここらは、ハッキリとはせんのですが、元来細い麺が好きな様ですので、そこんとこが大きな影響を与えてるんやと思います。
 で、最初に関東で蕎麦食ったのは、まぁ、ありがちな展開ですが立ち食いですわ。しかも「かけ」。そもそも、そんなトコで食うのがイカンのですが、印象は最悪でした。
出汁が濃いのは事前に知識があったんですが、麺がぱさぱさで、まるでゴム紐を噛んでる様な気がしました。ちなみに、これは大概の大阪人が、そう感じることの様です。立ち食いごときで、その土地の真の味が判るはずもないんですが、流れとしては仕方ない事の様ですね。
それで懲りて、暫くは遠ざかってたんですけど、間もなく自分の誤解を訂正する機会がやって来たんですわ。
 現在はこっちに定住してる(と云うと怒るんですが、年間で一月くらいしか実家に居ないんやから、ええ加減、受け入れろ)従兄が、関東は蕎麦が美味い、と言うたんが切っ掛けで、ある日当時住んでた所の駅前にあった蕎麦屋へ入ったんです。
まぁ、偶然にも、その店はかなり良い蕎麦を出す店だった事と、食ったのが「盛り」だったんも手伝って、あっしの蕎麦への本格的な開眼が始まった、ちゅう訳ですわ。
 かなり後で、実家で蕎麦を栽培している上に、気が向いたら(特に収穫の時期)バイクで実家へ帰って、粉を挽く所から蕎麦を打って食うと云う蕎麦好きの人から聞いた話では、蕎麦粉は、何回も挽いて細かくして行き、その過程で何番粉とか呼ばれるそうです。また、殻の部分の含有量によって色が決まるそうで、白っぽいから繋ぎ粉が多いと云う訳では無いのです(あっしは、それまで白いのは安物と思ってた)
 実は、その最初に入った蕎麦屋の蕎麦は白っぽかったんです。が、食ってみると、それまで、蕎麦を食った時に意識したこともなかった蕎麦の香りはっきりと判る。しかも、それはなんとも食をそそる良い香りやないですか。
それに味をしめて、暫くは積極的に蕎麦屋に入ってみたり、スーパーで売ってる蕎麦も色々買ってみまたりしました。
 結論としては、観光地(浅草など)の蕎麦屋より、歓楽地(新宿など)の蕎麦屋の方が、いい所が多いです。勿論、観光地の一角に老舗がある事もありますので、これはあくまで一般論ですが。まぁ観光地の蕎麦屋は、客数で商売になる、と睨んでやってる店が大勢を占めてるんでしょうから、それも致し方ないんでしょうな。
それと、やっぱ「かけ」はあきません。それなら、関西の蕎麦でも充分こと足りますわ。
 それから、乾麺系は、八割蕎麦が良かったです。十割蕎麦は、当たり前の事ですが、香りは良いんですが食感がボソボソします。一般的な味の善し悪しは、食感や喉越しも含めて云いますので、十割蕎麦は、あっしのお勧めには入りません。

そしてこれは希少品ですが、「糸蕎麦」と云うのがあります。素麺ほどの太さにした蕎麦です。これは今の所、大阪のある自然食品専門店でしか、売っているのを見かけてません。素麺の喉越しを、蕎麦で味わえる、良いとこ取りの逸品ですが、邪道と云う方もおられますでしょうから、取り敢えず番外としときましょう。あっしにとっては美味けりゃいいんですがね。本当に美味いモノを食うには、固定観念を捨てる事が必要や、と思います。
 今、思い返せば、昔、修学旅行で長野駅前で食った夕食の御膳に、わんこみたいな蕎麦がありました。あれが驚くほど美味かったんですが、それきりそんな蕎麦に出会えなかった理由がようやく判った様です。

筆者注

「蕎麦屋」

 ちなみに大阪では普通、この手の店を「うどん屋」ちゅうてました。 
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(1999/11/19)


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