日本の、第1期ファンタジーブームを補完すべく翻訳された名著。みなさんは、エルフ、フェアリー、ニンフの違いが、ちゃんとお判りだろうか?
実は、あっしは、この本を読むまで、よく判っていなかった。そんなあっしと同じような人にお勧めな書がこれだ。
現在、世界的にも広くテキストとして採用されていると云う。
原書はスペイン語版であるが、日本語版は英語版をテキストに、フランス語版とスペイン語版を参考にして執筆された。
序文にもあるように、英語版がもっとも充実しているのが、その理由とされている。ボルヘスは、訳者解説にもあるように、書淫とも言われるほどの博識の怪物である。
彼は、古今東西の書物をひも解き、本書を執筆した様だ。その資料性は、広く世界に認められている事でも確かであろう。
現在、文庫本にもなっているし、図書館などと云う便利なものもあるので、ファンタジー好きな方やRPG好きの方は是非一度目を通しておくべきだ。
ゲームや、その関連書籍で得た知識で、クリーチャーのことを語っていると、思わぬところで恥をかくことになる。特に、現在は、立派な装丁のいい加減な書籍も出回っていることでもあるし・・・
書物にあることを鵜呑み(特に価格が高いモノ)にしたくなる気持ちは、書痴を自認するあっしにも心当たりがあるから、余計にそうお勧めする。
ただ、やはり世の中には完璧と云うものはないらしく、あっしの判る限りでもボルヘスもミスをしている。
鳳凰と朱雀、一角獣と麒麟の区別がついていない様だ。しかも四聖獣も龍しか合ってないし、玄武と単なる亀の違いを理解している様にも思えない。やはり西洋人には東洋を理解するのは難しいのだろうか?
まぁ、細かいミスはその他にもあるだろうし、(インターネットの?)どこかで他の部分にも言及しているかも知れない。だからといって、本書がこの手のテキストのNo.1である事に問題があるわけではない。