勇者ゆたえると七人の侍(誤)
●第25話●
アルフォンス・ユウシャ


 何だかんだで意外と好評の冒険日記も、いよいよ第五章に突入です。これまでのストーリーが複雑に絡み合い壮大なシンフォニーを奏でる、そんな感じでーす(ちゃんと説明しろ)。


第五章 導かれし者たち

 いや、まいったなあ。ぼかぁゆたえるです。名もなき村に住む、名もなき少年です。ぼかぁ幸せだなぁ(なぜ)。

 ぼかぁ生まれてから今までずーっとこの村に住んでいて、この村の外に出たことがないので、村の外に世界があるのは知ってるんですが、そこがどういう世界なのかは知らないのです。いや、まどろっこしいなあ。

 しかもこの村には、よその人間を村に入れてはいけないという「鉄の掟」があるのです。外に出ないし、外から人も入れない。きっと人が知ったらヒッキー村と呼ばれてしまうんでしょうが、あいにくこの村の存在を知る人間は、本当に数えるほどしかいないそうです。いやあ、まいったなあ。

 ぼかぁ今日も、村の池で釣りをしている父へ弁当を持っていくために、家を出たんです。しかし、もちろんまっすぐ父のところへ行くのではなく、途中で色々な人の話を聞いて、挙句の果てにお腹が空いて父の弁当を食べてしまう、というのが日課になっているわけです。いやー、まいったまいった。

 聞けば、宿屋の主人が「鉄の掟」を破り、道に迷った詩人を自分の宿屋へ招き入れてしまったとか。いやー、いやな予感がするなあ。まいったなあ。

 父に詳しい話を聞こうと思ったものの、息子に弁当を食われたショックが大きかったのか、ロクなことを話してくれません。

 役立たずめ(父親に向かってこんな口を聞くのはやめましょう)。いや、言い過ぎかなあ(言い過ぎです)。

 ぼくの一番の仲良しは、幼なじみのシンシアです。人目をはばからず「大きくなっても一緒にいたいね」などと言うのは、まさにアレです(どれ)。ぼくが若大将ならシンシア青大将といったところでしょうか。いや、まいったなあ。ぼかぁ今年で17歳なので、あと1年すれば何とかなるんですけど。

 ぼかぁ父の弁当を食べて満腹なのに、もう夕食の時間になってしまいました。いやはや、まいったなあ。ところが食事を始めようとしたその瞬間、家の外で大変なことが起こったのです。びっくりしたなあもう(誤)。

 物凄い数の魔物たちが村を襲っているのです。大変です大変です今すぐ来て下さい(誰を呼んでるんだ)。村のみんなが「とにかくゆたえるを安全なところへ」と言いながら、ぼくのことを誘導してくれます。幸せだなあ(もうええ)。


アホ代表?

 バケツリレーのように大人に連れ回されるぼくの耳に、色々な人の色々な話が飛び込んできます。

 さりげなく聞き流しそうになったけど、ぼかぁたいそう驚きました。いや、まいったな、どうも。急にそんなことを言われても、いやはや何ともまた....(最後まで言え)。

 しまいにはシンシアがやって来て、ぼくにこんなことを言いました。

 そう言うと、何とシンシアはモシャスの呪文でぼくそっくりに変身したのです。これには舌を巻いたなあ(じじいか)。

 ぼかぁ地下室の奥の奥にある隠し部屋に匿(カクマ)われました。扉の向こうからは、村の人たちが魔物と戦っている音だけが聞こえてきます。壮絶な戦いの音がしばらく続いた後、やがて音がひとつまたひとつと消えて行き、最後には何も聞こえなくなりました。

 魔物たちは引き上げて行ったようです。しばらくすると、自力では開くことができなかった隠し部屋の扉が自然に開きました。ぼかぁ部屋を飛び出して地上へと急ぎました。すると....村は一面、焼け野原のような状態。もはや人は誰もいません。

 生前シンシアがよく寝転がっていた場所を調べると「はねぼうし」が出てきました。ぼかぁ「はねぼうし」を袋に入れると、誰もいない村を後にして、南へ向かったのです。いや、まいったなあ。


 ちょっと中途半端な芸風で、またもや心配の種(笑)。とりあえずは様子見ってことで。

 ということで次回もみんなで一緒に冒険しましょう。

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