首が何度も枝に引っ掛かり、その度に止まって枝をはずさなければならなかったので、アリスはできるだけ上手に、木と木の間をかがみました。

 しばらくして、アリスは、自分がまだキノコのかけらを手にしていることを思い出しました。注意深く片方をかじり、今度はもう片方をかじり、大きくなったり小さくなったりしながら、とうとういつもの自分のサイズに戻ることに成功しました。
 元通りのサイズでいるのはずいぶん久し振りのことだったので、最初は変な感じがしましたが、数分後にはそれにも慣れ、アリスはまたいつものように、自分にしゃべり始めました。
「行くわよ。これで計画の半分はできたわ。それにしても何度もサイズが変わっちゃうのって、本当に大変なことよね。1分後に自分がどうなってるか、さっぱり分からないんだもん。でもやっと元のサイズに戻れたわ。次にすることは、あのきれいな庭を見付けることなんだけど....。どうしたら見付かるのかなあ」
 そんなことを言っている内に、アリスは、4フィート(約1メートル20センチ)ほどの白い家がある、広い場所に来ていました。
「誰が住んでるのか知らないけど」アリスは考えました。「こんなに大きいんじゃ会えないないわ。みんなびっくりして震え上がっちゃうもん」
 アリスは右手のキノコのかけらをちょっとだけかじり、自分の身長が9インチ(約23センチ)になるまでは、思い切って家に近付くのを我慢しました。






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