「あんたは年だよ」若者が言いました。「それにあんたのアゴは、脂身よりも硬いものを噛めないくらいに弱ってる。それなのに、骨もクチバシも付いたままのガチョウを呑み込んじまうなんて。なあ、一体どういうこったい」

「若いころにゃ」父親は言いました。「法律の仕事をしていたが、かかあと口喧嘩したおしたおかげで、わしのアゴは筋骨隆々、未だに持ちこたえてるってわけさ」







「あんたは年だよ」若者が言いました。「視力だって昔ほどじゃないだろうに、鼻のてっぺんにウナギを乗せてバランスを取るなんて。なんでそんなに器用なんだ?」

「わしはもう3つの質問に答えた。もうたくさんだ」父親は言いました。「威張るな、ばかもの! そんな下らん話を1日中聞けると思ってるのか。あっちへ行け! 行かんと階段の上から蹴落とすぞ!!」





「そりゃ大違いだ」芋虫が言いました。
「全部は合っていないと思います」アリスは恐る恐る言いました。「途中の言葉がいくつか違ったかも知れません」
「最初っから最後まで、ぜーんぶ違うね」芋虫はきっぱりとそう言うと、数分間、黙り込んでしまいました。






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