リニーの戦い
速報その2



 参謀長から陸軍大臣への手紙の写し。
 フルーリュス、1815年6月17日。

 元帥殿、
 昨日、リニーの戦場で皇帝が得たばかりの勝利についてジョセフ殿下にお伝えしました。私は陛下と伴に午後11時に戻り、夜の間は負傷者の世話をして過ごさざるをえませんでした。皇帝はリニーの戦いで得た成功を追求すべく乗馬して前進しました。我々は熱心に戦い、兵士たちはとても熱狂していました。我々は3倍の敵を相手にしました。
 午後8時、皇帝は親衛隊と伴に行軍しました。老親衛隊の6個大隊、竜騎兵と擲弾騎兵、そしてドゥロール将軍の胸甲騎兵がリニーから進出し、敵の戦線を分断する突撃を実行しました。ウェリントンとブリュッヒャーは脱出が困難な状況に陥りました。それはまるで舞台の演出のようでした。すぐさま射撃が止まり、敵はあらゆる方角へ壊走しました。我々は既に数千人の捕虜と40門の大砲を得ていました。第6及び第1軍団は戦闘に参加しませんでした。左翼は英国軍と戦い、彼らから大砲と軍旗を奪いました。
 次々と捕虜が得られている状況なので、次の夜には他の詳細をお伝えします。我々の損失はそれほど大きくないように思われます。詳しくは分かりませんが、3000人を超えることはないと見積もっています。

 元帥参謀長、
 (サイン)ダルマティア公。
 写し、
 元帥陸軍大臣、
 エックミュール公。

"Supplément au recueil de décrets, Manifestes, Discours, etc. de Napoléon Bonaparte" p296-297


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