海軍艦艇殉難史  第四艦隊事件

 

昭和10年 9月26日、海軍大演習のために臨時編成された第四艦隊が、演習海域に向う途中

岩手県三陸沖で風速35メートル、波高15メートルという未曾有の大型台風に遭遇し、参加艦艇

の殆どが損傷した。

被害は日本海軍が誇る特型駆逐艦に顕著で、「睦月」は艦橋不圧壊、「初雪」「夕霧」は艦首切断

等の大きな被害が生じ、大自然の猛威をまざまざと見せつけた。

殉難者 54名。

 

演習終了後、野村吉三郎海軍大将を委員長に、山本五十六中将古賀峯一少将らも加わった

査問会がひらかれ、船体強度の問題が大きく浮かび上がった。

主な被害状況 艦  名
艦首切断 初雪、夕霧
艦首切断寸前 睦月、菊月
艦首外鈑に皺 最上
艦橋圧壊 睦月
艦橋損傷 朧、白雲、菊月、夕月
船体亀裂 曙、叢雲
船体中部外鈑鋲・接手の弛み 妙高
艦尾切断寸前

 

  

艦首が切断された「夕霧」                  圧壊された「睦月」の艦橋

 

       

艦首が切断された「初雪」                    海上を漂流する「初雪」の艦首

 

馬門山墓地

神奈川県横須賀市

第四艦隊遭難殉難者之碑

 

呉海軍墓地

広島県呉市

第四艦隊遭難殉難者之碑

 

佐世保海軍墓地

長崎県佐世保市

第四艦隊殉難之碑

 

艦艇殉難史

更新日:2009/06/07