あなたに逢いたくて… 第四章
 アグスティ城を制圧して無事に兄を救出できたのはそれから一週間後のことだった。
 シグルドと話している兄の元気そうな姿を見つけたときは、すぐにでも駆け寄って抱きつきたかった。それを思い止まったのは人の目があるからではなく、兄自身の厳しい表情のせいだ。珍しく声を荒げているのが聞こえてくる。
「シグルド、これはどういうことだ!」
 激昂するエルトシャンにシグルドが何事かを説明している。彼の話を聞くうちに怒りは静まったようだが、表情の険しさは変わらない。やがて説明を聞き終えたエルトシャンは、その厳しい表情のまま言い放ったのだった。
「わかった……一年だけ待とう。もし一年たっても貴様等が出て行かない場合はその時は俺も本気で戦うぞ!わかっているな、シグルド!」
その内容に思わず立ちすくんでしまったラケシスである。このアグストリアにグランベル軍を招き入れたのは他でもない、この自分だ。兄を助けようと思ってしたことが結果的にその兄との対立を招いてしまったのだ。
身を翻し、こちらに向けて歩き出したエルトシャンは数メートルの距離まで近づいたところでようやくラケシスに気づいたらしく、堅い表情を少しだけほころばせた。
「兄さま……」
「ラケシス、お前はしばらくシグルドの軍にいろ。今ノディオンに戻ればいらぬ疑いを受けかねないからな」
「どういうことですの?それに、今の話は……まさか、シグルド様と本気で戦われるおつもりではないですよね?」
「……ラケシス、俺とて本意ではない。だがな……」
「私は兄上と戦うなんていやです!」
「俺も同じだ。ラケシス、これ以上俺を困らせるな。これが永遠の別れではないだろう」
「でも……!」
「一年の辛抱だ。手紙も書く。時々ならシルベールに来るのもいいだろう。それで納得してくれるな?」
 ラケシスはうろたえ、不安げに兄を見つめた。一年の辛抱といっても、これほど長い間側を離れたことは兄の士官学校時代を除けばほとんどないのだ(それとて七才の頃のことだったし、彼は半月ごとに必ず帰ってきてくれた)。
 そんなラケシスを困ったように見ていたエルトシャンは、しばらくして彼女を抱き寄せると額に軽く口づけた。
「俺を信じろ。いいな?」
「……わかりました。兄上を信じて待ちます。ですから、ちゃんと迎えに来て下さいね」
「もちろんだ」
自信に満ちあふれた笑みにほっとしている自分がいる。いつでもこの兄が側にいたからこそ自分は自分でいられたのだ。ノディオンの王女という肩書きではない、ラケシスという名の一人の少女としての自分を認めてくれるのはいつでもこの兄ただ一人だったから。
小さく頷いたラケシスににっこりと笑って見せたエルトシャンは、視線を上げてその人物に気がついたようでかすかに目を見開いた。
「……ベオウルフ?ベオウルフなのか?」
ラケシスが慌てて振り返ると、そこにはあの大柄な傭兵が頭を掻きながら所在無さげにたたずんでいた。
「……よお。まあ……久しぶりってとこか」
「どうしておまえがここに?」
「おまえがそれを聞くのかよ」
人を食った返答に、エルトシャンが小さく苦笑する。
「……そうだったな。あの依頼はまだ有効だったか」
「当たり前だろ。俺は一度受けた恩は忘れねえたちなんだ。おまえこそ頑固者ぶりは相変わらずみてえだな」
「俺のは性分でな。どうも変えようがないらしい」
話がよくわからないラケシスは兄の袖を引っ張った。
「兄様、何のことを言っているの?」
「ああ……お前にはまだ話していなかったな。この男は三年前のハイラインの国境戦で我がノディオンを救ってくれたんだ。戦線が崩壊する寸前で俺の本隊が間に合ったから形としては俺が命を助けたことになるな」
「まあ……そんなことちっとも知りませんでしたわ。どうして黙っていたの?」
最後の質問はベオウルフに向けたものである。彼は困ったようにさらに頭を掻きながら目をそらした。
「よせやい、そんな大げさなもんじゃねえよ。だいたい、そんなこたあ自分で言いふらすもんじゃねえ。ほらふきの傭兵は信用されねえんだぞ」
「雇う側としては大口の一つもたたけんような度胸のない奴は雇う気もしないな。おまえのはただ照れているだけだろう」
図星をさされたらしく、男っぽい顔がしかめられる。
「あのなあ……何でもいいからとっとと行けよ。王様は何かと忙しいんだろ」
 突き放すような言い方に、エルトシャンが苦笑する。
「確かに、いつまでも油を売ってはいられんな。ラケシス、体には気をつけるんだぞ。ベオウルフ、妹を頼む」
「おう、わかってらあ」
「兄様も、無茶をなさらないでくださいね」
 口の端を上げるだけの微(苦?)笑を残して、エルトシャンはマントを翻して立ち去っていった。
立ち去る兄の後ろ姿をじっと見送っていたラケシスはふと呟いた。
「……びっくりした」
「何がだよ?」
ちゃんと聞こえていたらしいベオウルフが反応する。
「あなたって本当に兄様のお友達だったのね」
「なんだ、信じてなかったのか?」
「そういうわけじゃないけど……あんなに穏やかに話す兄様は久しぶりだったから」
シグルドやキュアンとは生死を共にと誓った友人である。その二人と話すとき、兄はとても安らかな笑顔を浮かべていた。ベオウルフに対する時は、似ているようで少し違う。何と言うのか……そう、あれは『共犯者』の笑みだ。
神器を持つ者とそうでない者との間に存在するはずの見えない壁が、二人の間にはなかった。ぶっきらぼうで一歩間違えば不敬罪に問われかねない彼の態度は兄にとって心地よいものであるようだ。
「兄様、少しお疲れだったみたい……本当にあなたのことを信頼しているのね」
 ベオウルフは顔をしかめて頭を掻いた。
「……まあ、あいつも微妙なとこだからな」
「え?」
「あいつは今微妙な立場に立たされてる。主君のシャガール王に忠誠を信用されてねえ上に疎ましがられてさえいるのさ。だから、いざって時には強硬な手段に出ざるを得ないってこった。あんたをノディオンに戻さなかったのも巻き込まないためだろうな」
「でも……兄さまはアグストリア最強のクロスナイツの指揮官なのよ?その兄さまを信用しないなんて……」
「……大きな声じゃ言えねえがシャガール王は俗物で嫉妬深い男だ。自分よりすべての面で優れた部下を扱うだけの器量がないのさ。本当はそんな主君はさっさと見切っちまうべきなんだが……まあ、奴には無理な相談だろうな」
「そんな……エルト兄さま……」
ラケシスの胸に不安が黒雲のように広がっていった。このいやな予感があたらなければいいのだが。


アグスティ城での生活は比較的平穏だった。平和な日々は連続する戦いに疲弊していた彼等にとって歓迎すべきものだったのだ。アグストリアとの関係は緊迫したままだったが、そのことが余計にぴんと張り詰めた糸のような緊張感を保つのに役立っていた。
こんなときは吉事も連続するものである。中でも指揮官シグルドの妻ディアドラの懐妊及び男子の出産は彼等を喜ばせた。特にシグルドは手放しの喜びようで、グランベル本国やアグストリアとの交渉で心労の絶えない彼には我が子セリスの存在はまたとない清涼剤であったようだ。
そんな平和の中にあっても、もちろん鍛練の手を休めていたわけではない。アグスティ城下の闘技場で覇を競う者、城内の訓練場で相手を見繕って技を磨く者などさまざまだ。ラケシスはその後者にあたり、ベオウルフを相手にほぼ毎日のように剣の修練を積んでいた。
彼女の上達の早さは目を見張るばかりで、近頃では他の者との練習試合でも三本に一本は確実に取るほどである。手抜きなどしようものならものの二分で剣を飛ばされてしまうため、ベオウルフに限らず他の騎士たちもいまでは本気で相手をしているのだ。
そんなわけでとても充実した日々を送っていたラケシスであるが、唯一の不満は肝心のベオウルフになかなか勝てないことだった。数え切れないほど(それこそ多い日は一日に十回以上もだ)挑戦しているのに、いまだに一本も取れない。そのため、彼のラケシスに対する呼び名はいまだに『姫さん』もしくは『お姫様』なのである。
「名前で呼ばせてみせる」と宣言してからすでに半年以上が経過している。早く勝ちたい。勝って、一人前だと認めてほしい。でなければ、自分がいつまでたっても無力な子供のような気がしてしまうから。
その日も、ラケシスは練習用の剣を手に訓練場へ向かうべく長い渡り廊下を歩いていた。今日はいつもより少し遅い。大抵は先に来ているベオウルフのことだから、きっとあくびをしながら待っていることだろう。そんなことを思うと、自然歩く速度が速まる。ついにはほとんど小走りになって、廊下の角を曲がろうとしてちょうど姿を現した相手と思いきり衝突してしまった。
「きゃっ!」
「ご、ごめんなさい!」
とっさに謝って顔を上げたラケシスは、相手を見てほっとしたように頬を緩ませた。
「いったぁー……なあんだ、ラケシスじゃない。どうしたの、そんなに急いで」
ぺたん、としりもちをついているのはシルヴィアである。子供っぽいかと思えば大人びたところもある不思議な少女だ。ラケシスとは女性陣の中では一番年が近いので何かと話す機会が多く、いまでは親友と言っていいほど仲がよい。
「私は訓練場に行くところよ。いつもより遅くなってしまったから急いでいたの。ごめんなさい、大丈夫だった?」
「うん、もう平気」
ラケシスが差し出した手につかまってひょい、と立ち上がったシルヴィアはくるり、とターンを披露して見せた。いつもより少し派手めの衣装のスカートがひらりと翻る。
「よし、どこも破けてないわね」
「見たことない衣装ね。新調したの?」
「うん、この間街に出たときにね。今日はこれでレヴィンを悩殺しちゃうんだから!」
ポーズを決めてウィンクする姿は妖艶とは言えないまでも小悪魔的な魅力がある。踊り子というと盛り場で春をひさぐ下賎な者というイメージが世間にはあるが、彼女にはそれがない。彼女の踊りは確かな技術と穢れない魂に支えられているのだ。
そのシルヴィアであるが、今は旅の途中で出会った吟遊詩人のレヴィンにご執心のようで、彼がシレジアの王子で風の魔法フォルセティの継承者であると知ってからもまったく変わらずに後を追いかけてばかりいるのである。
ラケシスから見ればかなりのお調子者で口が軽く、とても信用できない気がするのだがそれを言ったことはない。
「また?よっぽど好きなのね、彼のこと」
小さく笑いながらそう言うと、シルヴィアはこくり、と首を傾げた。
「あら、ラケシスだってそうじゃない」
「え?」
「毎日擦り傷だらけになってまで訓練場に通ってるくせに。ま、ちょっと年行き過ぎかなっとは思うけど、彼も渋くてかっこいいもんねー」
「シルヴィア、何のこと?」
「やだあ、とぼけちゃって!好きなんでしょ?ベオウルフのこと」
親友の口から出た名前にラケシスは思わず吹き出した。
「やだ、違うわよ。別にそんなんじゃ……」
「隠さなくたっていいわよぉ。彼といるときのラケシスってイイ感じだもん、見てればすぐわかっちゃうわよ」
 からからと笑われてちょっとそうなのかな、と思ってみる。だがすぐにそれは打ち消した。
「ほんとに違うんだってば。ほら、前にも話したでしょ?約束のこと」
「剣で勝負して勝ったら名前で呼ばせるってアレ?」
「そうよ。一人前だって認めてくれたら名前で呼んでくれるって約束なの」
「ふうん。そんな約束するなんてやっぱり好きだからじゃないの?」
「たぶん違うわ。だって、彼はちっともエルト兄様に似ていないんだもの。私はエルト兄様のような方でないと好きにはならないの。小さい頃からずっと決めてたんだから」
母を病気を失った六歳のあの日、黒いマントを翻して白馬から降りてきたエルトシャン。初めて目の前に現れた兄を見たあの時から、ずっと心に決めていたのだ。兄のような人物でなければ好きにはならない、結婚もしないと。
きっぱりと言い切ったラケシスを呆れたように見ていたシルヴィアは、肩をすくめて言った。
「ラケシス、あんたわかってないわ。恋なんてしようと思ってするもんじゃないのよ?気がついたらもう始まってるものなんだから」
「だって、恋をするとその人を見て心臓がきゅうっと苦しくなったりどきどきしたりするのでしょう?私、別にベオウルフを見てもそうなったことないわよ?」
むしろ、兄を見たときになら覚えがある。
きょとん、と見返すラケシスに、シルヴィアは小さなため息をついた。
「……まあ、わかんないでもないけどね。あーんなかっこいいお兄さんがいたら他の男が目に入んなくたってしょうがないもの。でも、忘れちゃだめよ?ときめいたら、そのときにはもう恋は始まってるんだからね」
「シルヴィアはそうだったの?」
「もっちろん!あのときのレヴィンってばカッコよかったんだからぁ……」
しまった、と思ったがすでに遅い。瞳をきらきらさせて完全に語りモードに入ってしまったシルヴィアにラケシスは引きつった笑いを浮かべて後ずさった。
「あ、あの、私、急いでるから……じゃあねっ」
話の続きが始まる前にぱっと身を翻して走り出す。思わぬところで時間を食ってしまったが、彼は待っているだろうか。
そんなことを考えながら廊下を走っていった彼女は息を切らせながら訓練場のドアを開けた。
「遅れてごめんなさい!……あら?」
中はがらんとしていた。珍しく人一人いない。室内を見渡すと、隅のベンチに座っているベオウルフが目に入った。
「なんだ、いるじゃない。……ベオウルフ……?」
よく見れば、ベンチの背もたれにもたれかかったまま眠っているようである。そっと近づいていったラケシスは、しゃがみこんでその寝顔を眺めた。
(……やっぱり、似ていないわ)
今さらだが、そんなことを思う。端正というより荒削りで男っぽい風貌。シグルド軍の中でも目立つ方だろう。大柄な体格とあいまって戦場のどこにいてもすぐにわかる。
アグストリア軍との小さな小競り合いが発生するたびに後方から彼の戦う姿を目にしてきた。目立つということは狙われやすいということだが、それでも彼はここまで生き残ってきた。今更ながら、思うのだ。彼は確かに有能な傭兵なのだと。その彼が、兄との約束のためとはいえ側にいて自分を守ってくれている。それは、もしかするととても奇跡的なことなのかもしれない。
風のように自由な男。何者も、彼を縛ることはできない。彼はいつまで自分の側にいてくれるのだろう。
(……やだ、何を考えているのよ)
ぶんぶん、と首を振ってその考えを追い出したとき、大きな身体がのそり、と動いた。
「うーん……あれ、姫さん?来てたのかよ。声でもかけてくれりゃよかったのによ」
もそもそと起き出したベオウルフにちょっとだけ心臓がはねた。それを押さえ込んで、にこりと笑う。
「疲れてるみたいだったから……でも、その呼び方はいつになったらやめてくれるの?」
「前にも言ったろ。剣の勝負に勝てたら認めてやるってよ。さあて、そろそろはじめるか」
うーん、と伸びをしたベオウルフは傍らにおいていた練習用の剣を手に立ち上がった。
いつものように剣を構え、向かい合う。身を突き刺すような緊張感が心地よい。一呼吸おいて、ラケシスは飛び出した。
「やあっ!」
繰り出した剣はあっさりとはじき返された。受け止めたり押し返したりするような愚行はしない。腕力の差は埋め難いので、相手の力を利用する術を覚えたラケシスである。はじき返される勢いのままに身を翻し、そのまま逆に斬り込む。
「おっとぉ、まだまだ!」
それも受け止められ、しばしの鍔迫り合いになる。視線を合わせたベオウルフがにやりと笑って言った。
「なかなかやるようになったな。でもまだまだだ」
「今日こそは一本取らせてもらうわよ!」
しゃらん、と音楽的な音をたてて剣が離れる。そこで、ラケシスは勝負に出た。
「はっ!」
素早い剣の斬り返しは見切られ、二つまではかわされてしまう。だがさすがに三つ目はかわし切れなかったようで剣の根元で受け止めてきた。そこで手首を返して剣を滑らせ、懐に飛び込む。
「っ!?」
「すきあり、ですわ」
にこり、と微笑んで、胴をなぎ払った。どすんと鈍い音がしてベオウルフがよろめく。
確かな手応えに、ラケシスは歓喜が沸きあがってくるのを感じた。確実な一本である。ようやく彼に勝利したのだ。
床に座り込んだベオウルフは、小さく咳き込みながら苦笑した。
「っつぅ───……あーあ、ついにやられちまったか。今ごろになってその技を出してくるたあ思わなかったぜ」
「でも、負けは負けよ。これで一人前と認めてくれるんでしょうね?」
「まあ、しょうがねえか」
「しょうがないって何よ」
「おまえなあ、そう言うけどこっちはけっこうショックなんだぜ。腕が売り物の傭兵が剣をはじめて一年足らずのお姫様に負けちまうなんざ笑い話にもなりゃしねえ。しかも、自分で編み出した技でやられるってぇおまけつきだ」
「え?」
 初めて聞く話に、ラケシスが目を見張る。
「そいつは俺が闘技場でエルトシャンと対決したときに使った奴だ。まあ、懐に入るのが精一杯で面当てをふっとばすのがやっとだったけどな」
「……そうだったの?」
「ああ。まあ、実際よくがんばったよ。正直すぐに音を上げると思ってたぜ」
「まあ、私もずいぶん甘く見られたものね」
「おう、エルトシャンの妹ってのをすっかり忘れてたからな。さて……そろそろメシの時間か」
さほどのダメージでもなかったらしい。ひょいと立ち上がったベオウルフは軽く首を回して振り返り、言ったのだった。
「行くぞ、ラケシス」
約束だった。剣の勝負に勝てたら、一人前と認めると。そして、他の女性達と同じように名前で呼ぶと。いざそのとおりになってみると、なぜか心臓が苦しくなった。
(……どうしたのかしら……)
そっと心臓の付近を押さえてみる。手のひらにはっきりと感じる鼓動は、いつもより少しだけ早い。これがときめきというものなのだろうか?
(恋なんてしようと思ってするもんじゃないのよ?気がついたらもう始まってるものなんだから)
シルヴィアに言われた言葉が胸をよぎる。だが、彼女は小さく首を振って否定した。
(……そんなはずないわ。だって、彼はちっともエルト兄様に似ていないもの)
シルヴィアに言ったことを心の中で繰り返してみる。まるで、自分自身に言い聞かせるように。
 マディノ城に潜伏していたシャガール王が一年という約束を守り切れずに行動を起こしたのは、それからしばらくしてからのことである。
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