DIARY

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     セロトニン 続き  7月15日 2014   

     前回、セロトニンは脳内でバランサーとして働くことをお話ししました。
脳内にセロトニンが十分にあると、脳は興奮もしないし、ぼんやりもしないで
ク-ルな状態を保つことができます。
もう少し具体的に、それが、どういうことか続きを書きます。

     私たちは、平日は、朝目覚めて、
仕事にいって仕事をする訳ですが、
日によっては、なかなか仕事モードに頭が切り替わらなくて、
ミスをしたり、不機嫌だったりすることがあると思います。
特に前日の疲れが残っていたり、睡眠不足があると、
そうなりやすいことは経験的に知っています。
夜の副交感神経優位な状態から、
昼間の交感神経優位な状態への切り替えがうまくできないことが
その原因の一つだと考えられます。
セロトニンは、この切り替えをスムースに助ける働きがあります。

     また、セロトニンは、
痛みに対する感受性を低下させる働きもあるようです。
セロトニンが低下すると、必要以上に痛みを感じやすくなるのです。
   
     さらに、セロトニンには抗重力筋に作用して
姿勢を改善して、顔の筋肉を引き締める働きもあります。


     では、セロトニンを脳内で増やすには、
どうすれば良いのでしょうか?


セロトニン神経の出発点になる脳幹の縫線核の近くには、
歩行、呼吸、咀嚼に関わる中枢があります。
そして、歩行、呼吸、咀嚼といったリズム運動をすることで
セロトニンの分泌が増えます。

歩行のリズム運動とは
ウォーキング、ジョギング、サイクリング、スクワットなどです。

呼吸のリズム運動は
腹式呼吸法が主体となる、太極拳、ヨガ、座禅などです。

咀嚼のリズム運動は
一定リズムでガムをかむことです。


こうしたリズム運動で、開始5分後からセロトニンの分泌が始まり、
10-15分でピークに達し、20分を過ぎる頃から分泌は下降してきます。
ということは、それ以上やると逆効果になるということです。
つまり、疲れるまでやると逆効果になるので、
ダイエット目的やトレーニング目的で行う
有酸素運動とは似て非なるものですから、
そこのところを混同しないでおいてください。



     セロトニン足りてますか?  7月11日 2014   

    セロトニンのことが解明されるようになって、
まだ60年ほどしか経っていません。
それでも、私たちの心の状態にセロトニンが大きく関与していることは
どうやらはっきりしてきました。

セロトニンは、
心の平静を保って心のバランスをとることに関わる脳内物質の一つです。
セロトニンは寝ているときには分泌されません。
朝起きてから、脳が覚醒されている間中、ずっと分泌されます。
そして、分泌されたら速やかに代謝されて消えてしまいます。
そのため、分泌されては代謝されるというサイクルを繰り返して
脳内に存在しています。

セロトニンは脳内でバランサーとして働いて、
心を穏やかにする物質です。
セロトニンが脳内でバランサーとして働くのは、
脳内のノルアドレナリンやドーパミンの暴走を妨げる働きがあるからです。

人は外的ストレスに対してノルアドレナリンが脳内で分泌されて、
怒りや恐怖を感じ、強い緊張や興奮状態になります。

また、人は欲望を感じたときにドーパミンが分泌されて、
興奮状態になり、欲望を達成しようとします。
この状態はがんばる動機につながりますが、
過度になると依存になります。

セロトニンをあらかじめ分泌しておくことで、ストレスへの耐性が上がり
これらノルアドレナリンやドーパミンの暴走を
未然に防ぐことができます。

最近は鬱病などにたいして
セロトニンの代謝を抑えて、セロトニン濃度を上げる薬が開発されており、
抗うつ剤の主流になってきています。

でも、薬を飲まなくても、日常生活の中で
セロトニンを上昇させる工夫はあります。


その方法については、また近いうちにアップします。









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