DIARY

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      12月25日     2009
      
揺れる男心?
      トライアスロンに向けてトレーニングをしてきたが、
ロングのトライアスロンは、半端なトレーニングでは間に合わない。
かなりがんばらないといけないのだが、
出られるかどうか、わからない大会に向けて、
そう簡単にモチベーションは保てない。
そんなこんなで、
手抜き気味にトレーニングをしてきたが
最近はしんどくなってきて、
「もうロングの大会に出るのはやめよう。
 また、静脈血栓症を起こす可能性があるし、
 そこまでしてがんばらなくてもいいや。」
とまで思うようになっていた。

宮古島の大会には一応申し込みはしたけど、
2回目の申し込みで出場許可は出ないだろうし、
これが外れだったら、
ロングの大会は終わりにしようと思っていた。

いや、
「万が一出場許可が出ても、もうやめておこう。」
とまで思っていた。

昨日がその結果発表の日であった。
結果は「出場許可」であった。
やめとこうと思っていたのに、
この結果を見たら、気持ちは揺れてしまった。


「気が変わればいつでもキャンセルはできるのだから」と、
宮古島のホテルに予約を入れている自分の本心を
自分でも計りかねていた。

「嫁さんが反対したらやめよう」と思って、
打ち明けたら、
「死なないように、無理しなければ良いんじゃない。」
と答えてくれた。

確かに今までの大会はがんばりすぎた。
もっと楽にやればいいのだが、
どのくらい楽にしたらいいのかの加減がわからない。

今日は、トライアスロンをやっているヒトに話を聞いたら、
「宮古はアイアンマンに較べたら格段に楽やで。」
と言ってくれた。
確かに、アイアンマンレースはしんどかった。
特にバイクは坂が多く、おまけに距離も長くてとても苦しかった。
宮古はそんなに坂もなく、(風はあるそうだが)、距離も30km短い。

すこし、モチベーションが上がって来たが、
そのとたんに、今日は、風邪を引いたようで
朝から鼻の奥が痛む。
体はしんどくないが、鼻が痛くて辛い。
今日は筋トレをしようと思っていたが、
中止して早めに帰って、
探偵ナイトスクープを観て寝ることにしよう。

そういえば、あまり鼻が痛いので、
「鼻うがい」を試してみた。
「生理食塩水」は0.9%の食塩水だから、
小さじすりきれの食塩が5g、これを
ポカリスエットの500ml用ペットボトルで水に溶けば
1%の食塩水ができる。

ボトルに入れる水を、ふたのすりきれまで入れれば
限りなく生理食塩水の濃度になるわけである。
はじめに水で溶いて途中からお湯で溶かせば微温湯になる。
(はじめからお湯で溶かすと、
 ペットボトルが熱くて持てなくなるし
 柔らかくなって変形して落としてやけどをするかもしれないので注意)

鼻うがいは、それ自体、鼻が痛いのかと思ったが、
生理食塩水で行うと、痛みはほとんど無かった。
吸い込むときに決心がいるのと、最初の1回は少しむせたけど、
慣れたら問題なくできた。

鼻の症状にも、意外と効果がありそうである。




      12月 3日     2009
      
弘法大師さんは偉かった!
      先週末から風邪を引いて、のどが痛くて声を出すのが辛い。
トレーニングも休んでいたが、あまり休むと体力が落ちてしまいそうで
昨日は我慢できずにバイトとランをちょこっとした。
今日は雨なので、スイムだけにしておこうと思う。
・・・・・というわけで、日記の更新をば、することにした。
(要するに、なんやかんや言ってサボっていたのである。)


      今日は、久々にアカデミックなお話を。

      その昔、
弘法大師さんは、「エゴマ油を摂取するように」と教えた。


エゴマ油をはじめとした
鰯などの背の青い魚の脂の成分であるEPA
(エイコサペンタエン酸)の最近の知見の話である。


脂肪酸は以下のように分類される。

      飽和脂肪酸
      I   (肉やミルクなどの動物性脂肪)
      I
脂肪酸−
      I       1価不飽和脂肪酸
      I         I    (オレイン酸:オリーブオイル)    
      不飽和脂肪酸- 
                I        n-6系(植物性油・肉に含まれてアラキドン酸に代謝される)
                I            I         (リノール酸系)
              多価不飽和脂肪酸−     
                            I
                          n-3系
                          (α-リノレン酸系)
                          (シソ・エゴマ油・魚)

ちなみに
2重結合が1つあるモノを1価不飽和脂肪酸といって、
複数あるモノを多価不飽和脂肪酸という。
n-6系とかn-3系というのは、
脂肪酸のω末端から
最初の2重結合が何番目にあるかということを表している。

魚には、はじめからn-3系が多く含まれているわけではなく、
植物プランクトンに含まれるn-3系を摂取することで体内に蓄えられたモノである。
アザラシの肉は、魚を主に食べるのでn-3系が豊富に含まれることになる。


    日本人は昔から魚を食べる民族であった。
今でもそれに大きな変化があるわけではない。
しかし、植物性・動物性油の摂取が非常に多くなっている。
その結果、n-3系の油の比率が低下しているのである。

では、そうなると何が問題なのか?
n-3系の相対的な比率が下がりだしてから、それに応じて
脳梗塞や心筋梗塞などの心血管事故が増えているのである。

その1例として有名なのは
デンマーク本国の白人とイヌイットの比較である。
どちらも、
食事は、ほぼ同じカロリー摂取で、約40%が脂肪の食事である。
しかし、白人はその脂肪を牛や豚と言った動物性脂肪で摂取しており、
イヌイットは魚・アザラシから摂っている。
その結果、
白人の心血管病変による死亡率は34.7%であるのに、
イヌイットのそれは5.3%と非常に低い。


    何故、EPAがそんなに体に良いのか?

ヒトの細胞膜は脂質で構成される。
現代人の細胞膜は、アラキドン酸が豊富である。
EPAを多く摂取するとこのアラキドン酸が豊富な細胞膜が
EPAが豊富な細胞膜になる。

アラキドン酸もEPAもサイクロオキシゲナーゼという酵素で代謝されて
血小板では、
アラキドン酸はスロンボキサンA2という血小板凝集作用の強い物質になる。
EPAはスロンボキサンA3という血小板凝集作用のほとんどない物質になる。
アラキドン酸が豊富な血小板は凝集が起こりやすく、
EPAが豊富な血小板では凝集が起こりにくい。
つまり血栓が起こりにくくなる。

また、免疫細胞では
アラキドン酸は代謝されて
ロイコトルエンB4という炎症惹起作用の強い物質になる。
EPAはロイコトルエンB5という炎症惹起作用の弱い物質になる。
炎症が起こると血栓が起こる引き金になるので
EPAが豊富な免疫細胞では炎症が起こりにくくなり
血栓が起きにくくなる。

それ以外にも
EPAが豊富だと
赤血球変形能の改善、血管の弾力の保持、血管内皮機能の改善、
アディポネクチンの増加、抗不整脈作用まであることがわかってきた。

以前から言っていたことであるが、
LDL−コレステロールが高値であることが、
それ単独では、心筋梗塞や脳梗塞のリスクにはならない。
このLDL−コレステロールが酸化したときに血栓が起こりやすくなる。
このことを説明できるいろんな研究結果が
やっと出てきはじめたわけである。

考えてみれば、
プランクトンや植物に始まって、
食物連鎖が広がっていくのである、
その源に、命を守る物質が豊富に含まれていて
その命をいただいて我々は生きているのだと思い知らされる。

それにしても、最新の医学でわかってきたこれらのことを、
大昔に、弘法大師さんはすでに提唱していたわけである。

すごい!



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