DIARY
10月 8日 2009
新型インフルエンザ
シルバーウィークのおかげ?か、
新型インフルエンザの患者数は連休明けに減っているが、
それでも、新規に発症する患者は後を絶たない。
心ないマスコミは、
死亡患者が出るとすぐに取り上げて、
みんなの不安をあおる。
少しは、まともな啓蒙活動をすればいいのに、
「喘息患者や糖尿病患者や妊婦は
ハイリスクなので注意せよ!」
とか、
「何も基礎疾患のない健常者が亡くなったので、
このインフルエンザは強毒性である可能性がある?」
などと、ただ不安をあおるだけの報道しかしない。
僕は、何度も言っているが、
「インフルエンザは、風邪である。」
新型インフルエンザでも、この考えは変わらない。
基本的には、余計なことをしなければ、ちゃんと治る。
だから、どうかパニックにならないでもらいたい。
ちゃんと治るために、しないで欲しいことは、
1.鎮痛解熱剤を飲まない。
市販の風邪薬にも、イブプロフェンなどの
鎮痛解熱剤が配合されていることが多いので、
市販の風邪薬も飲まないでもらいたい。
どうしても熱を下げたいのなら、
アセトアミノフェン(アルピニー・カロナール)は
比較的安全という評価を得ている。
2.タミフルを飲まない。
ちゃんと治すためにして欲しいことは、
1.保温
無理に体温を下げないでせいぜい冷えピタを額に貼るくらいに。
2.安静
安静にすることで、
体が治るためのエネルギーを、治すことに集中的に使うことができる。
3.水分補給
冷えた水やスポーツドリンクも体を冷やすので、少量にして、
あたためて飲むのがよい。
インフルエンザで亡くなったり、入院を余儀なくされる場合の
主な病態は、脳症か肺炎である。
このどちらも、「サイトカインストーム」がその主な病態と考えられている。
つまり、インフルエンザ脳症もインフルエンザ肺炎も
インフルエンザウィルスが
脳や肺の細胞に感染して起こった病態ではないのである。
ウィルス感染に反応して、体の免疫機構が過剰に反応して
その結果、多量のサイトカインが分泌されて、
脳や肺の障害を起こしたのがこの病態と考えられている。
我々は、もうすでにインフルエンザ脳症で学んだはずである。
「鎮痛解熱剤が小児の脳症やReye症候群の引き金になるから、
ウィルス感染の時に鎮痛解熱剤を使ってはいけない。」
ということを。
そして、今では、
小児のインフルエンザにポンタールやボルタレンを使わないことが
やっと常識になった。
それでも、いまだにイブプロフェンなどは平気で使われている。
よく考えたら(よく考えなくても)判ることである。
大人も同じことなのである。
始末の悪いことに、
大人になるとロキソニンなどが普通に使われているし、
誰もそのことを問題にしようとしない。
いったいこの国は、どうなっているんだろう?
タミフルは、以前も書いたが、
動物実験で呼吸抑制が確認されている。
この薬を飲んで、寝ているときに呼吸が止まって、
翌朝に亡くなっていた症例でさえも、
タミフルは疑われていないが、その可能性は高いと考えている。
そもそも、感染症学会のレベルの低さには驚愕である。
「迅速検査で陽性ではなくても、インフルエンザを疑えば、
速やかに抗インフルエンザ薬を開始すべきである。」
という勧告を発表した。
あきれてモノが言えない。
けど、書くけど・・・。
そんなことをすれば、
インフルエンザではない不特定多数の患者に
タミフルが投与されてしまう。
当然耐性ウィルスの出現は早期に起こるだろう。
まぁ、必要のない薬だからそれでも良いけど・・・。
余談であるが、
インフルエンザワクチンを受けた患者が
インフルエンザを発症した場合には
迅速検査で陽性が出にくいという報告がある。
今、
インフルエンザではなくて、高熱が出る(咳は出ない)風邪も
かなり蔓延している。
この風邪にもタミフルが投与されていることだろう。
まぁ、飲んでも飲まなくても、数日で治るのだけど・・・。
もちろん、僕は薬なしで経過観察をさせてもらっているが、
全員元気になっておられる。