DIARY

prev. index next


     12月25日 2006
     こんな症状、ありまへんか?
     この一年の間に、
骨盤あるいは腹部痛、
腹囲増加あるいは腹部膨満、
摂食困難あるいは満腹感
女性で、上記6つの症状のうちいずれか一つが
発現頻度が1カ月に12回以上で出現してきた場合は、


卵巣癌の検査を
出来るだけ早く受けた方がよい。



というのは、
これが当てはまる場合は、卵巣癌の疑いがあるからである。
どのくらいそうかというと、
確認群において、
症状指標の感度(陽性の場合に卵巣癌が存在する確率)は
初期癌について56.7%、
進行癌について79.5%である。
つまり、
これらの症状が当てはまる人の、
二人に一人以上は、初期癌があり、
4人に3人以上は進行癌があることになる。

特異度(陰性(あてはまらない)の場合に、卵巣癌がない確率)は、
年齢50歳以上の女性において90%、
50歳未満の女性において86.7%であった。
つまり、これらの症状がなければ、
10人のうち9人は卵巣癌はないといえるわけである。


この研究は、
『Early View issue of Cancer』12月11日号に掲載されている。


   もっとも、一ヶ月に12回以上、腹囲増加が起こるって
すごくおなかがふくれるって事?
摂食困難や満腹感って、食道炎や胃炎でも起こるし、
なかなか難しい気もするけど・・・・、
要するに、これらの症状は
下腹に、大きなスペースを占有するものが出来たための
一連の症状、ということになるのだろう。
思い当たれば要注意である。

    そういえば、メリークリスマス!

仏教徒の僕としては、関係ないと言えば関係ないけど、
それを理由に、ナンか楽しいことがあるのなら、
歓迎である。
今年は、ケーキは食べなかったが、シャンパンを飲んだ。
といっても、ドンペリとかいった高級なやつではないが・・・。
シャンパンって、けっこうおいしいけど、
いっぱい飲むと、悪酔いしそうで、あまり量は飲めない。
そんなわけで、今日は、昨日の残りを飲む予定。






     12月19日 2006
     諸行無常
     「お変わりありませんか?」
慢性疾患の患者さんと交わす第一声である。
しかし、実は「お変わり」は必ず起こっている。

     ミクロの目で見てみると、
僕たちの体は何億という細胞から出来ている。
この細胞は、タンパク質から出来ていて、
そのタンパク質は、アミノ酸がつながって形成されている。
このタンパク質は、絶えず分解され、排出され、合成されている。

     例えば、消化管の上皮はほんの数日で入れ替わってしまう。
他の細胞のタンパク質も、1年後にはすべて置き換わっているのである。
だから、1年後に会う人は、1年前にあった人とは、
まったく別のタンパク質で出来ていることになる。
「変わらないねぇ〜!」なんて言っているけど、
実は分子のレベルでは、まったく別の人なのである。

     第2次世界大戦が始まるころ、
ドイツの、ルドルフ・シェーンハイマーという科学者が
アミノ酸にアイソトープをラベルして
その行方を追跡するというアイデアを得て、ネズミで実験した。
彼は、「アミノ酸は、体内で燃やされて、エネルギーとなり、
呼気や尿の形で体外に排出されるだろう。」と予想していた。
しかし、予想は大きく裏切られた。

アミノ酸は、食べられた瞬間から、
全身に散らばり、ありとあらゆる臓器に取り込まれて、
全身の臓器を構成するタンパク質の一部になったのである。
     
     つまり、
「我々の体は、
 プラモデルのようにパーツが寄せ集められて出来たものでは
 決してなくて、
 生命を構成している分子は、
 絶え間なく分解され、また再構成されて、お互いにつながりながら
 臓器を構成しているのである。」
という画期的な大発見がこの時になされたわけである。

ルドルフ・シェーンハイマーは、
この生命の営みを「動的な平衡」と名付けた。

   アメリカ的な、
人間をパーツの組み合わせで考えていくような医療のあり方も、
今一度、考え直す必要があるのではないだろうか。

   そして、これは、人間の体のことだけではない。
地球環境もまさにそうなのだと思う。
二酸化炭素だけ何とかしてすむことでは、決してない。


     昔、中学の頃に、化学の授業で、
「コップの水は、見た目は同じように一定に見えるが、
 実は、分子レベルでは、絶えず空気中の水蒸気と入れ替わっていて、
 出ていく量と入っていく量がほぼ等しいから、
 その結果、見た目には同じように見えるのだ。」
と言うことを習って、少なからず驚いた事を思い出す。

     考えてみれば、同じように見えても
絶えず動き変化していくのが、この世の定めなのかもしれない。


    少し前に、近所で火事があった。
この年の瀬に、焼け出された方々の事を思うと、本当に心が痛む。
きっと、その家を、「終の住まい」と思って、住んでおられたことだろう。
それが、突然一夜にして無くなってしまうのである。
どんなに落胆していられることか・・・。

     本当に、確かなものなど、何もない。
諸行無常である。


     とりあえず、我々に出来ることは、
自分自身の魂に恥じないように
今を精一杯生きるしかないのだろう。

   なんだか、今日はとりとめのない話になってしまった。
・・・・・今日だけじゃないか・・・・。




     12月12日 2006
     臭いもんの日
     我が家では、土曜日は臭いもんの日である。
商売柄、ニンニクの臭いぷんぷんで診察するわけにはいかないから、
土曜日は、その敵討ちのように臭いもんを食べる。

     考えてみたら、昔はニンニクはあまり好きではなかったのに、
いつのまにか大好きになっている。
イタリアンも各種中華も
ニンニクがふんだんに使われる料理が大好きである。
(しかし、数時間後にはトイレに行かないといけないが・・・。)

     最近の我が家でのブームは、ウニのスパゲティである。
とても簡単だけど、とてもおいしい。
ウニ:120g            (2人前)
レモン汁:半固分
スパゲティ:160g 
(スパゲティは、やはり麺が命のように思う。
 メーカーや種類はわからないけど、
 フォレストの2階のスパゲティのコーナーの
 一番はしに置いてある、
 馬の上で騎士が長い槍をかざしている絵が描いてあって、
 8分茹でのスパゲティが美味しいと思う。
 後で調べたら alce nero アルチェ・ネーロ という会社だった。)
塩・黒こしょう・大葉
オリーブオイル(大さじ2杯+アルファ)
(これもいいやつの方がおいしい。確かエクストラ バージンオイル?)
スライスのニンニク
以上が材料である。

1.フライパンにオリーブオイル(大さじ2杯)を入れて
  ニンニクを焦がさないように
  弱火で冷たい状態から炒めて香りを付ける。
  (ニンニク風味のオリーブオイルも売っている。けっこう便利)

2.ボールにウニ80gとレモン汁と1.を入れてウニをつぶしながら混ぜる。
  ウニは完全につぶさないでほどほどに固まりが残っている方がいい。
  塩とこしょうで味付けをする。
  「少し酸っぱくて」「少し塩からい」くらいにする。

3.スパゲティを茹でて、ゆであがったら2.と絡める。

4.皿に盛って、残りのウニをのせて、大葉を刻んでふりかける。
  好みに応じて、オリーブオイルを回しかける。

           これで完成!

   ところで、
ニンニクとタマネギをふんだんに摂取することで
癌を予防できる可能性のあることが示唆された。
タマネギやニンニクなどネギ属を使った食事を摂っている人は、
こうした辛味成分の摂取を控えている人よりも、
何種類かの癌のリスクが大幅に低いということを
イタリアの研究者らが発表した。
内容は、
イタリアとスイスで実施された数件の癌研究のデータを用いて、
タマネギおよびニンニクの消費量と、
口腔、喉頭、食道、結腸、乳房、卵巣、および腎などの
癌との関連性を調査した。

全般的に見ると、タマネギの消費量は、
癌患者では週に0-14切れ、
癌に罹患していない人では0-22切れであった。

ニンニクの摂取量も、
乳癌、卵巣癌、および前立腺癌の患者を除き、癌患者の方が少なかった。


中等量のタマネギの消費は
結腸直腸癌、喉頭癌、および卵巣癌のリスクを低下させているようである。


タマネギの摂取量が最多であった人の方が
最少であった人よりも、癌予防効果は大きかった。
また、
タマネギの摂取量が最多であった人の方が
最少であった人よりも、口腔癌と食道癌のリスクが低かった。


中等量のニンニクの摂取も、
結腸直腸癌および腎細胞癌のリスク低下と相関していた。
ニンニクの場合も、
摂取量が増えるほど抗癌作用が増大した。
ニンニクの摂取量が最多であった人では、
乳癌と前立腺癌以外の癌のリスクが低かった。

もちろん、
タマネギとニンニクの消費量については、
そのこと自体が健康的なライフスタイルの一つの現れであり、
抗癌作用を有すると考えられる多彩な食生活をしていて、
その一つのマーカーに過ぎない可能性がある。

しかし、
タマネギとニンニクによる癌予防効果は、
野菜の総摂取量を補正した場合でも有意なままであった。

この研究結果は
『American Journal of Clinical Nutrition』11月号に掲載されている。

  ところで、
臭いものを食べた後、
とりあえず何とかする方法は?

生の米をかじるといいそうである。
臭い物質のほとんどは、舌についているから、
この方法は、リーズナブルだと思う。

写真は、7日の雨の中、観心寺に行ったときのもの。
地面も、木立もすごく綺麗だった。
多分この日を含めた前後数日が最高の紅葉日よりだったと思う。
「雨もまたよろし。」

          



     12月 2日 2006
     
緑茶の効用
     「緑茶が健康にいいようだ。」と噂されている。
この噂が本当かどうか、確認研究が
東北大学医学部公衆衛生学教室の研究者たちによって行われ、
世界的な臨床医学雑誌『JAMA』に報告された。

     彼らは、
40〜79歳までの40,530人の健康な日本人を対象に、
1995年から2005年までの11年間調査した。

調査対象となった人たちに対して
1日に飲む飲料の種類と量、アルコールの摂取量、
喫煙量、疾病歴、学歴、職業歴、1日の運動量等の詳しい調査を
質問表の形で行い、
これらの個人情報と
調査対象者の死亡率、死亡の原因との関係を調べた。

 その結果、上記の生活情報の中で
対象者の死亡と唯一関係があったのは、
1日に飲む緑茶の量であった。

1日5杯以上緑茶を飲んでいる人は、
緑茶を1杯以下しか飲んでいない人に比べて有意に死亡率が低く、
この死亡率の低下は、
心血管障害による死亡でより明らかであった。
また、その低下は女性で特に著しかった。

具体的なデータは、
緑茶を一日5杯以上飲む女性は、
1杯以下の女性に比べて
心血管障害で死亡する割合が31%低く、
男性では22%低かった。

心血管障害の中でも
緑茶の脳梗塞に対する予防効果が最も著しく、
5杯以上の女性は
1杯以下の女性よりも62%も罹患率が低下し、
男性では42%の低下であった。


考えてみたら、
高脂血症の薬(スタチン)で心筋梗塞を予防する場合。
スタチンの心筋梗塞に対する予防効果が30%といわれている。
そんな薬飲むよりずっと良いと思うんだがなぁ!

しかし、
緑茶が予防効果を発揮したのは心血管障害に対してだけで、
胃がん、肺がん、大腸がん等のがんに対しては、
有意な予防効果が認められなかった。

また、各種飲料の中で
心血管障害に対する予防効果があったのは、緑茶だけだった。
ウーロン茶、紅茶にはこのような予防効果が認められていない。


   脳梗塞にはもっともなりたくないから、
緑茶を飲む習慣をつけるのがいいなぁ!

ところで、緑茶ってどのお茶???
恥ずかしながら、はっきりと把握してない。
煎茶?番茶は?お薄や濃い茶は????

広辞苑では、
「製茶の一種。
 茶の若葉を摘んだ後、ただちに熱処理をし、緑色を保有させたもの。
 煎茶や碾き茶(ひきちゃ)など。」
となっていた。
ちなみに、碾き茶とは、挽き茶と同義で抹茶と同じである。
番茶は、品質の劣る煎茶。

・・・・ってことは、
煎茶も抹茶も番茶も緑茶ってことである。
番茶は、仕事が終わると出してくれるので、
けっこう飲んでるかも・・・。

prev. index next