DIARY

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    5月27日 2005
    
洗礼
    昨日、仕事を終えて帰ろうと駐車場に降りたら、
なんだか黒い固まりが落ちている。
うんこ?
おそるおそる近づいたら、少し動いている。
よく見ると、ツバメのヒナが2羽、巣から落ちたようだ。
みんながいるときに、落ちてくれたら、よかったのに・・・。
(「あげといて!」って頼めるから・・・)
しょうがないので、3階から脚立を持って降りてきた。
「さて、どうやってあげようか?」
「人がつかんで、巣に帰すと、人のニオイがついて、
 親がヒナを育てなくなる。」
という、まことしやかな説がある。
嘘か誠か、実験して、誠だったときは責任取れないから、
信じるしかない。

    何か適当な、ヒナを乗せるもの。
薄い紙では、ヒナを乗せたときに折れてしまう。
週刊誌では、分厚すぎてヒナの下に差し込みにくい。
受付に、「アエラ」最新号があった。
なかなか、適当な強度と厚みを持っているようだ。

    アエラを持って、ヒナのもとに行った。
まず、一羽の下に差し入れてみたら、
なかなか、足が引っかかって上手く乗ってくれない。
それでも、車止めのブロックをバックにして差し込んだら、
何とか、乗っかってくれた。
ヒナは、一瞬ジッとかたまって、(やっぱり)脱糞をした。
まぁ、想定の範囲内である。
動くな!っと念じたが、
飛べもしないのに、羽をばたつかせて逃げてしまった。

   しょうがないので、もう1羽に挑戦した。
今度は、さらにそっとアエラを差し込んだ。
今度は上手く乗って、あまりバタバタしない。
おそるおそる、脚立をあがって、巣へ・・・。

巣の方に行けよ!
こっちじゃないってば!
もう、うんちはしなくていいから!

僕の願いはむなしく、ヒナは、脱糞を繰り返しながら僕の手元に。
しかたなく、アエラを反対向きにして再挑戦!
何度か繰り返す内に、なんとか巣にたどり着いてくれたが、
アエラは、・・・。

続いて、もう一羽。
駐車場の隅に追いやって、アエラで確保。
やはり、こいつも同じで、
アエラの上を行ったり来たり。
もちろん出すものを出しながら・・・。

昨日は本当にまいった。
アエラ最新号は、何食わぬ顔で、
要らない新聞雑誌の束の中に、
表紙を内側にして紛れ込ませた。

アエラ読んでた人ごめんね!

落ちてたヒナども。



他にも、2カ所巣があって、それぞれにヒナがいる。
天井ギリギリなのでカメラのシャッターが、
上手く押せないけど、こんな感じ。

  


  そのうち、診療所の駐車場はツバメの巣だらけになって、
床はうんちだらけになりそう・・・。


   5月26日 2005
   
田舎で携帯を使うのは危険?
   スウェーデンの研究者らが、田舎での継続的な携帯電話の使用が、
都市部よりも脳腫瘍など健康への危険性が高くなる可能性がある
と英医学雑誌に発表した。
田舎では基地局の距離が離れているため、
強い電波が使われていることが原因らしい。
研究者らは脳腫瘍の患者と健康な人、それぞれ約1400人を対象に
居住地や携帯電話の使用年数、頻度などを調査した。
田舎に住み3年以上携帯電話を使用している人は、
都市部の人に比べ脳腫瘍の発症率が3倍で、
5年以上だと4倍となったという。
研究者は、調査対象者数が少ないため、
携帯電話の使用と
脳腫瘍の間の因果関係は証明できていないと認めている。
しかし何らかの問題がある可能性を示していると指摘し、
特に発達段階にある子どもの携帯電話の使用に注意を促している。
 
   携帯電話の電波による障害の可能性は、
これまでも、何度か指摘され研究されてきているが、
はっきりとした危険性が証明されていないので、
今現在みんなが使っているわけだ。
みんなが使えば怖くない! はずもなくて、
この様なことは、意外とたくさんある。
例えば、
高圧線の通っているそばに住んでいる子供には
悪性腫瘍が発生する危険が高い。
問題だけど、大きな声を上げて問題にする人がいなくて
問題にされていないだけである。

   田舎では、携帯はあまり使わない方がいいし、
都会でも頻回に使うのはよくないのかも知れない。
そりゃ、もろに頭に当てて使ってるんだもんね・・・。






   5月21日 2005
   
公式は覚えた方が絶対徳!
   連休に宮古島に行った時の写真の現像ができあがってきた。
またしても、(いつもそうなんだけど、)「ワクワク」から
奈落の底に落ちてしまった。
今回の原因は、露出の間違いである。
白い砂地が多い珊瑚の写真では、
カメラの露出計は、砂の白さのために、実際よりも明るいと判断する。
だから、カメラの露出が適正でも、
そのまま写真を撮ると暗い写真になってしまう。
そのため、
「白っぽいものが多い被写体を撮るときは、カメラの露出を
適正よりも一段明るくして撮らないといけない。」
これが公式なのだ。
「そんなことは、覚えなくても、考えればわかることなのだから、
その場その場で臨機応変にやればいい。」と考えていた。
しかし、海の中にはいると、何故か、こういった思考が
とても困難になってしまう。
(何故かわからないが、水中では、
 少し前の記憶があいまいになるし、
 ややこしい考えはできなくなってしまう。)
だから、海に入る前に、潜水計画を決定して、
水中では変更しないのが原則である。
同様に、海に入る前に「露出を一段明るくして撮る。」
と覚えてから入らないと失敗してしまう。

  考えてみれば、この失敗は、学生の時から繰り返していた。
数学や物理の公式である。
「いちいち覚えなくても、考えたらすぐに導き出せる。」
と、偉そうに考えていた。
一部の教師も、
「こんな公式はいちいち覚えなくてもすぐに導き出せる。」
なんて、偉そうに教えていることがある。
しかし
実際に試験中に、いちいち公式を導き出していたら
時間がいくらあっても足りやしない。
公式は、先人達が
「覚えた方が楽ちん」
だから、作ってくれたものなのだ。
これを覚えないで、試験を受けたら、
しんどいのは当たり前だったのだが、アホの僕は覚えようとしなかった。

  そして、
いまだに同じ過ちを犯している自分のアホさ加減に
うんざりしている今日この頃である。
アーァ、
いつになったら、カクレクマノミの良いショットが撮れるのだろう?
(診察室の普通のクマノミを子供から「ニモ」と言われて、
 後ろめたく思わなくてすむ日は、まだまだ先の様だ。)





   5月19日 2005
   
また、風邪ひいてまんねん
   昨日は、朝からムカムカして朝食が食べられなかった。
「おなかの風邪かな?」と思いつつも、
それでも、コーヒーは飲んだところが、アホなところである。
下痢も2回ほどした。
昼前から、体が、だるくって仕事をするのが辛かった。
午後には症状はさらに悪化して、どんな格好をしても、
腰や膝が痛くてだるくてしょうがなかった。
僕は、熱が出ないタイプの人間だと思っていたが、38度超えていた。
昨日の夜は、さすがにほとんど死んでいた。
常々、「やたらに熱を下げたりしない方がいい。」と言っていたが、
思わず、痛み止めを飲もうかとも思ったくらいだった。
そこで発見したのだけど、
腰が痛いのは、腰に湿布を貼ると、なかなかよく効いた。
湿布の成分はインドメタシンだが、吸収されて
ある程度全身にも効果があるのかもしれない。
そういえば、インドメタシンにアレルギーのある人は、
この湿布で喘息が出てしまうくらいだから。
とにかく、理屈抜きで、
辛い状態を楽にしてあげることも必要だと思い知った。

 今年は、風邪をひくのが、これで5回目だ。
どうなっているんだろう。
「精神がたるんでいるからだ。」という説がある。
否定はしないけど、
もともと、何年らい、たるんでいるから、
今年だけ多く風邪をひく説明にはならない。
年老いたという説は、認めたくないし、
年老いたから風邪を多くひくという理屈は成り立たない。
若くても風邪を多くひくときはひく。
だって、子供でたまに、毎月のように風邪をひいて
おかぁさんが心配して、
「この子は、しょっちゅう風邪をひくけど、大丈夫でしょうか?」
という質問をよく受ける。
「免疫がない状態で、風邪のウィルスに接する機会が多いからです。
 その時に、偶然発病する条件が整っていて発病しただけだから、
 今ひいておけば、小学校になったらひかなくなりますよ。」と答えている。
しかし、
これを我が身に置き換えたら・・・、
これから小学校に行くのは絶対に嫌だし、
今更小学校に行ったとしても風邪をひかなくなるわけではない。
仕事を辞めると、食べていけないし、
誰か、良い方法があったら、教えて!





   5月16日 2005
   
僕たちは、一万年前から変わっていない
   回虫の研究で有名な東京医科歯科大学の藤田先生によると、
我々の体の細胞は、1万年前と同じであることが確認された。
一万年前には、我々人類の祖先は、裸足で野山を駆け回り、
草原の草や、死んだ動物の肉を
ハイエナと同じようにして食べていたものと思われる。
(狩猟をする以前の人類は、
 他の肉食獣がしとめた動物のあまった肉を食べていたらしい。)

   その頃、花粉症やアトピー性皮膚炎は無かった様だ。
日本の花粉症第一例は、日光市の患者さんであった。
1963年、いまから約40年前のことである。
日光の杉並木は17世紀からあった。
いろんな原因で花粉症が発症するが、
杉の花粉だけでは、花粉症は発症しないのである。
杉の花粉に、ディーゼルの排気ガスに含まれる炭素粒子が結合することで
アレルギー性が強まるということもあるが、
1963年にはあまりディーゼルのトラックは走ってなかったはずだ。

   アトピー性皮膚炎や喘息もずいぶん増えた。
外から体内に入ってくる異物を排除したり、
異常なガン細胞などを排除したりする免疫機構は、
同時に、アレルギー反応も制御している。
そのうちTh1は、癌の発生を抑えて、
Th2は、アレルギー反応に関与していると考えられている。
これら両方の機構を活性化するには、
感動したり、自然の中で土に触れたりすることが
もっとも大切なことだということがわかってきた。

   外で、どろんこ遊びをする子供達の方が、
室内で遊ぶ子供達より、アレルギーにならない。
兄弟が多い子供の方が、アレルギーにならない。
第一子より第2子の方が、アレルギーにならない。
そんなことを、疫学調査してみると、
次のような子供達がアレルギー疾患にかかってないことがわかった。
1.子だくさんで、狭い家に暮らす子供。
2.親に定職が無く、貧しい家に暮らす子供。
3.早くから保育施設に預けられた子供。
4.犬やネコなどのペットとともに暮らす子供。
5.農家に育った子供。
6.手や顔を洗う回数が少ない子供。
7.BCGを早い時期に受けた子供。

   つまり、

「適度に不衛生な環境と粗食」


がアレルギー疾患を予防しているのである。

   僕は、最近、小さい子供が熱を出して
お母さんに連れてこられたときに、お母さんに伝えることにしている。
「子供は風邪ひかないとだめ。」って、
「インフルエンザにもかかった方がいいんだ。」って。

   ワクチンや抗生物質が開発されて、
いろんな感染症から守られて成長したら
本来持っている”自分で治る力”が育たなくなる。
これは、その時は良いが、長い目で見るとマイナスだと思う。

   人類は、約40億年前に誕生して、営々と生き続けてきた。
ワクチンや抗生物質なんて、せいぜい100年前に発明発見されたものだ。
残りの39億9千9百年は、ワクチンも抗生物質もなく、
人が本来持っている「自然治癒力」で生き延びて、その命をつないできた。
この「自然治癒力」は、祖先からの大切な宝物なのに、
知らず知らずのうちに、ないがしろにされて、
その能力が弱まってきていると思う。

   ファーストフードはなるべく食べないで、
穀物や野菜・果物を主食にして、
肉より魚を食べて、
自然に触れて感動し、
よく笑い(ほどほどに笑うと免疫力が活性化する。)、
そして土に触れる生活を
取り戻さないといけないのではないだろうか?




   5月10日 2005
   
少しくらいのオデブは、OK?
   考えてみると、世の中の人が
みんな標準の理想体型になるはずもない。
僕たち医者は、少しでも太っていると、
「痩せなさい!」と口うるさく言うけど、
本当にそれが大事なことなんだろうか?
もともと、太目の体型の人も、痩せている人も存在していて、
ある程度様々な体型の人がいるのは
当たり前のことなのではないだろうか?


過去3回の大規模調査を基に、
米疾病対策センター(CDC)が分析した結果が公表された。
体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った体格指数(BMI)が
30以上の肥満、
25以上30未満の太り過ぎ、
標準(18.5以上25未満)
18.5未満のやせ
の各集団で、死亡数が
標準の集団とどれだけ差があるか、2000年時点の推定として算出した。

その結果、
肥満集団の死亡は標準より約11万2000人、
やせは同3万4000人、それぞれ多かった。
一方、太り過ぎでは同8万6000人も少なかった。

また、CDCの別の研究では、
肥満と太り過ぎの人たちが
高脂血や高血圧になる割合も、
約40年前と比べほぼ半減していることも判明した。


肥満にならなければ、しょうしょうのオデブは問題なさそうだ。
これって、夏に向けての自己防衛じゃ、けっしてないので・・・。





   5月 2日 2005
   
今更あがいても、無駄?
   将来肥満になるかどうかは、

生後8日までにどれだけ急激に体重が増えたか

と密接に関係していることが分かった。

   これは、米ペンシルベニア大などのチームが
人工栄養で育った米国人を調査した結果を
19日付の米医学誌「サーキュレーション」に発表したものである。

   調査対象は、赤ちゃんの時に医学研究に参加し、
体重など詳しいデータが残っていた20-32歳の653人である。
現在の身長、体重から算出した体格指数(BMI)と、
赤ちゃんの時の体重の増え方を調べた結果、
生後8日までの体重の増え方が大きい人ほど
BMI25以上の太り過ぎになる率が高かった。
体重増は全体で0-400グラムの幅があったが、
100グラム増えるごとに
将来太り過ぎになる危険が28%高まるという結果が出た。

   とは言っても、努力しなけりゃ、さらに結果は悪くなるのだから、
無駄とあきらめないで、
やはり努力はするしかないのだろうけど・・・・。

   親が、がんばってミルクをあげたから、そうなったのか、
もともとよく欲しがる子だったのか?
どっちが先なんだろう?


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